2013年1月15日火曜日

クロコダイル・ラップ (初期Live ver.) の謎 後編


さて今回もみんな大好き『クロコダイル・ラップ』である。
泣こうがわめこうが『クロコダイル・ラップ』
(しかもLive ver.)なのである。
ここはもうあきらめてお付き合い願いたい。




さて今回のテーマは
[なぜメロディー違いのVersionが演奏され続けたのか?]



前回は初期Live ver.の特徴を
メロディーとコード進行の違いと述べたが
その他にも特徴的な違いが2つある。

 1)keyが違う
 2)オリジナルのコーラス部分がある

では、ひとつずつ見ていこう。




まず、keyの違いから。
前回載せた初期Live ver.の譜面は86年8月
『FANKS "FANTASY" DYNA-MIX』での演奏のものである。
これはkeyがCD ver.と同じ演奏だったため、
メロディーの違いを比較しやすいと考えたからだ。


しかし、アルバム『RAINBOW RAINBOW』の時期の演奏は
keyがかなり高い。

CD ver.のサビが key=G なのに対して
公式の記録が無い為、はっきりしたことは言えないが
どうやら key=B で演奏されていたようだ。
わかりやすくカラオケに例えると、音程を4つ上げた状態である。
これだけ高いとボーカルもかなり張り上げて歌っているが
何カ所かはシャウト気味にして乗り切っている。
前編に参考動画を載せてあります)

この [keyの高さ] から見えてくるものもあるのだが、
ここではひとまず次にうつる。




次はオリジナルのコーラス部分を見てみよう。
初期Live ver.ではイントロやサビ等にCD ver.にはない
オリジナルの歌詞付きコーラスが入る。
(今回も譜面を用意しました)


[Chorus 1984 ver.]


[Chorus 1986 ver.] 
(実際にはこの6度上や3度下などに他のメンバーのハモリが付きます)



先ほど挙げたkeyの違いに合わせ
コーラス部分も84年頃と86年では
違うメロディーになっている。


このコーラス部分、
最初の84年6月「渋谷Live-Inn」での頃はイントロ部分を
ハーモニカ音色によるシンセで演奏しているが、
それ以降のライブではサビ部分も含めメンバーが歌っている。

このコーラスは CD ver. のコード進行では成立せず、
それ故、初期Live ver.のメロディーは
このコーラスと一体と考えていいだろう。
つまりこのコーラスアレンジを演奏したい時は、
自動的にメロディーが変わってしまうということだ。


そしてここが重要なのだが
初期Live ver.では、すべての時期に共通して後半部分で一旦ブレイクし
リズムとコーラス、メロディーだけになる部分がある。
この部分はかなり印象的で、
この曲の顔であるラップ部分よりも目立つほどだ。
おそらくこれこそがメロディー違いのVersionが
演奏され続けた理由ではないだろうか?





と、結論らしきものが出かかったところで
次回『クロコダイル・ラップ (初期Live ver.) の謎 完結編』へ続く。

え? まだ『クロコダイル・ラップ』をやるのかって?
フフフ…ポコ太としては、むしろ
「本当に次回で完結するのか」を心配している。


では、また。





【関連エントリー】
クロコダイル・ラップ (初期Live ver.) の謎 復活編


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