2018年3月25日日曜日

ミツカワの・第7回・小ネタ☆スペシャル



実は売れていたのは「Get Wild」ではなく
「Fighting (君のファイティング)」だったんだよ!!

な、なんだってー?!





えー、お久しぶりです。

かつて "意識を失うその瞬間まで喋り続ける男" と呼ばれたミツカワ。
今年(2018年)頭から、シンガーソングライターでボーカル講師などもなさっている
結奈さん「ぎゃおすたじお」にしゃべくり要因として呼んでいただいております

"ひたすらゆるく" がコンセプトだそうですが、
ちゃんと真面目に演奏もしてます
ので楽しんでいただけたらと存じます。(知らん曲ばかりやけどな!!)


お悩み解決編はこちら ⇨ ぎゃおすたじお!8《桜/河口恭吾》



で、動画の中でも触れていますが、
一昨年あたりから菌やウイルス関連で入退院を繰り返すこととなってしまい、
公私ともにスケジュールがガタガタになっております。

本来ならこの「重箱」をしっかり閉じてから自分の音楽活動へと邁進する予定でいましたが、
ご覧のように今田みかん…いや、未だ未完。

これ以上引っ張っているとホントに放置になってしまうので、変則的ではありますが、
当初予定していた小ネタスペシャルを
"書き上がった順に1本ずつ随時アップ" し、
小ネタ3本 × 2本のエントリーにて "重箱のつつき終わり" とさせていただきます。



それもいつになることかわかりませんが、
とにかくまだ『ネット上に書き残しておきたいネタ』はたくさんあるので、
あと少しお付き合いいただければと思います。

m(_ _)m


2018年5月4日 (小ネタ No.07-2)[第3の女] 追加しました。









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(小ネタ No.07-1)
[第4の男]


以前、こちらのエントリーで 1987年11月〜1988年2月に行われた
「Kiss Japan Tour(ホールツアー)」 = 未商品化 未商品化 未商品化 …
の一部の曲において、
ベーシスト日詰昭一郎が手弾きでシンセベースをプレイしたことを採り上げた。
そこから浅倉大介や小室哲哉などのシンセベース・プレイも採り上げたのだが、
手弾きシンセベースといえば、一番レアな人物にまだ触れていなかった




それは誰あろう 宇都宮隆・その人である。




これは 1990年12月〜1991年3月に行われた「RHYTHM RED TMN Tour」でのこと

彼のプレイがツアースタート時点から行われていたかは定かでは無い。
少なくともツアーに先立って行われた公開リハーサル
「The Formation Lap」ではそのような演出はなかった

しかしツアー全40本中9本目にあたる
1990年12月25日 北海道厚生年金会館 2daysの初日には 既に行われている ので、
かなり早い段階から行われていた事は確かだ。
(ただし、それ以降毎回行われていたのかは不明)




彼がシンセベースを弾く曲は
「WORLD'S END」
その長いイントロ部分でのことだ。




細かく見ていこう。

まず、当ツアーにおける本来のシンセベース担当は、ご存知の通り浅倉大介である。
よってシンセベースを弾く=浅倉ブースに入る、ということになるわけだが、
しかしこのツアーでの浅倉ブースは、相変わらずド派手な小室ブースの後ろにあり、
正直言ってあまり目立たない。

それもあってか、残念ながら
"浅倉ブースでシンセベースを演奏する宇都宮隆" の画像などは見つけられなかった。 





しかしツアー途中、状況は一変する。

1991年2月19日 仙台市泉文化創造センター
 = 通称「イズミティ21」公演から演出の一環として、
小室ブースに主がいない時は、
そちらに浅倉大介が移動して弾く ことになった。

とはいえ両ブースの鍵盤(EOS)は単なるコントローラーで、
肝心の音源への接続先はお互いのブースで異なるため、それほど簡単な話ではない
それなりの前準備は必要であり、この設定変更には、
シンクラビア・オペレーターとして参加していた秋葉淳も駆り出されたという。


イズミティ21は4日間も公演が行われる
(因みに「CAROL TOUR」の時は7日間公演!!)にもかかわらず、
ツアー中唯一の "2階席のないホール" だそうで、
客席から浅倉ブースが見えづらいことが予想できたことも、
この変更に関係しているかもしれない。

また、目の前に近づいていたアリーナ公演(大阪・東京・名古屋)の
ステージ規模への対応という側面も考えられる。
(アリーナ公演からセットリストに入った
「RHYTHM RED BEAT BLACK -version 2.0-」のリハーサルもこのあたりから始まっている)






で、問題の「WORLD'S END」

小室哲哉は曲頭からブースを出て、ステージ前方にてオルガンをプレイしている。
ここで空になった小室ブースに浅倉大介が移動してシンセベースを弾くのだが、
ということはつまり、この日からは
宇都宮隆も小室ブースで演奏する ということになる。

先の浅倉ブースと比べてこれはかなり目立ったはずだが、
あまりこの話題に触れる人はいない。
なにしろ代々木体育館に3日間通った (通う羽目になった) ミツカワですら、
『はて、そんなことあったっけ?』と思う程度だ。








     しかしこのウツベース、かなりのレアケースではあるものの、
   実は誰でも確認することができる。







彼の "犯行" が収められているのは DVD「RHYTHM RED LIVE WORLD'S END」
その「 II 」側に収録されている「WORLD'S END」を観てみよう。
最初はイメージ映像が続き、バンドが in してからようやくライブ映像となる。

このライブ映像になった瞬間、カメラは小室哲哉を真ん中に捉えているが、その左後ろ。
ドラムと小室ブースの間に宇都宮隆が腰掛けている。
ここで宇都宮の右手に注目すると、
なんと鍵盤の横?(反対側?)から
シンセベースを演奏しているのだ!

しかも演奏しながらドラムの阿部薫と顔を見合わせ笑っている。


























この部分、静止画では分かりにくいが動画なら一目瞭然だ。
是非、お手元のDVDで確認していただきたい。







ではこの時、浅倉大介はどこで何をしているのか?


カットが変わり、ステージ上手から葛城哲哉&木根尚登のギターコンビを捉えた映像となるが、
ここでも画面奥に小室ブースが映っていて、その様子が分かる。

相変わらず宇都宮隆の右手は鍵盤を抑え、その動きに合わせシンセベースが聴こえてくる。
そのさらに奥に浅倉大介も確認出来るのだが、
彼は曲に合わせ手を叩いているだけで、鍵盤には触れていない。

つまりこの部分のシンセベースは宇都宮隆が弾いているのだ。































さて、いくら演出上の余興とはいえ、しっかりとしたバンド演奏の中で
いきなり宇都宮隆が鍵盤をプレイ出来るのか?
という疑問を持つ方もいらっしゃるだろう。

タネを明かすと、この「WORLD'S END」イントロ部分はコードが動かない、
いわゆる一発コードなのである。
なので演奏とは言っても宇都宮隆が実際に弾いている鍵盤はただひとつ。
同じ鍵盤を延々と叩いているだけ なのだ。
映像を見ているとコードが動き出す瞬間から、浅倉大介にバトンタッチしている。

ひとつの鍵盤を叩くだけなら経験者でなくとも可能だろう。
とはいえ リズム感は必要 なわけで "演奏" であることにはかわりない。











なお、当時 Epic Sony が製作していたTV番組「eZ」では、
1991年3月と5月に、それぞれ仙台公演と東京公演の模様を一部放送している。
収録会場が異なるにもかかわらず、
その両方とも「WORLD'S END」を採りあげているのが面白い。

この内、仙台公演の「WORLD'S END」は長らく商品化されていなかったが、
現在では DVD「TM NETWORK THE MOVIE 1984~」の
ボーナストラックとして収録されている。
TV放映時に被っていた告知テロップなどが外され、さらに見やすくなっており、
むしろこれのために購入しても良いだろう。




問題は、もうひとつの東京公演の方だ。
(こちらは未だ、未商品化)



代々木公演ということで、
DVD「RHYTHM RED LIVE WORLD'S END」の「 II 」側と同内容と思いきや、
TV放映版はDVDのようなイメージ映像が被らず、
純粋なライブ映像となっている。
そのため僅かではあるがDVDでは分からない部分を確認することができる



























そこでは小室哲哉のオルガン独奏時には舞台からはけていた宇都宮隆が、
バンド演奏スタートとともに上手側から登場し、小室ブースに向かう様子が捉えられている。






























余談だが、このTV放映版では葛城哲哉が
自身の弾くギターフレーズに合わせ表情を作る様子が捉えられていて、
これが非常にかっこいい。
ミツカワ的には全 RHYTHM RED 映像の中で、これこそがベストショットだと思っている。



















































やはりライブ映像は変にイメージ映像などを加えず、そのまま商品化してもらいたいものだ。
まぁこれを言ってしまうと TMのビデオ全否定 になっちゃうんですけどね…。






どちらにせよ、宇都宮隆がシンセベースを弾くというのはかなりのレアケースである。
さらに彼はご存知の通り、その後のEXPOツアーでは弦のベースを弾いているわけで、
つまり TM のステージで弦のベースとシンセベース、両方をプレイしたことがあるのは
日詰昭一郎と宇都宮隆だけということになるのだ!?









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(小ネタ No.07-2)
[第3の女]



さて、ここではキャロルを数える。
キャロルを演じた役者は何人いるのか?というネタ。
なお、ここでは30周年での "後付け" や、アニメーションなど 増殖後 は考えない。
採り上げるのはあくまで1988年、
アルバム「CAROL」発売前後のTMライブでキャロルを演じた役者 に絞る。



となると、賢明なファンの方々には簡単な話だろう。
一緒に数えていこう。




まず パニーラ・ダルストランド (Irma Pernilla Dahlstrand)






















彼女は説明不要だろう。
長期に渡った「CAROL TOUR」〜「CAMP FANKS!! '89」まで、
キャロル役をひとりで演じ切った "本家本元キャロル" だ。






次に パメラ・レニイ・アルトフ (Pamela Lynn Altoff)































「CAROL TOUR」に半年先立ち行われた、TM初の東京ドーム公演
「STARCAMP TOKYO」での「CAROL」予告編にて
キャロルを演じた "初代キャロル" である。

先のパニーラとは異なり、彼女はここから最後まで出ずっぱりで、
歌にダンスにと大活躍 だった。























ミツカワの「STARCAMP TOKYO」の記憶は 大雨と、このパメラ だ。



因みに TMのコンサートで
キーボードを弾いた女性は彼女だけ である。


          (当て振りくさいが)





            以上!結論は2名でした。














ちょっと待ったーーーーーーっ!!


皆さん、もう1人お忘れではないですか?
それがこの、、、この、、、

 あれ? 名前が分からない?!

えーっと、とにかく
「CAROL TOUR」の
 オープニングフィルムに登場する彼女 である。
























どう見てもパニーラじゃない。
どちらかといえばパメラに似ているが、でもやっぱり パメラでもない (よね?)





         じゃあ、誰?





この人物、1988年末に放送されたエピックソニー制作のテレビプログラム
「eZ 4DAYS」で披露された「COME ON EVERYBODY」の導入部にも登場している。
 (DVD「DECADE」では該当部分はカットされ、いきなり演奏部分から始まる)

「eZ」内で顔は映らないが 衣装や髪型、背景のセットが同じ ことから、
同一人物と見て間違いなかろう。

























































ツアーのオープニングフィルムにクレジットはないため、彼女が何者か解らない。




そもそも腑に落ちないのは、
何故、ツアーのオープニングフィルムに
パニーラを起用しなかったのか? ということだ。

特に「CAMP FANKS!! '89」においては、幕が開いた途端、
先程の 大写しになっていた人物とは別人が出てきてキャロルを名乗る のは
なんとも釈然としなかった 覚えがある。




もっとも件の女性が キャロル (キャロル役) ではない という可能性も無くはないが、
だったら余計にコンサートのオープニングで主役扱いされていた
あんたはいったい誰なんだ?! ということになる。

というわけで、この3人目の女性についてご存知の方は情報をお寄せください。








おまけ
TBSの神津アナはキャロルを名乗ったわけではないのでノーカウント。


































誰もカウントしないか…。







See you next 小ネタ.






2017年8月23日水曜日

"ミツカワ meets TMネットワーク" 「接触編」




【重箱blogを楽しみにしていただいている皆様へ】


『あと2回でおしまいです』などと煽りながら、全然更新ができず申し訳ありません。
いや〜、ア、アンコール鳴り止まなくてさぁ…。


いきなり余談ですが、ミツカワは「Crazy For You」を初めて聴いた時から
『来なくていいよ。他の人来てるし』
というセリフを
『来なくていいよ。お好み焼き食べてるし
だと 割と最近まで 思っていました。

ま、真夜中に炭水化物!!





さて今回は、相変わらず時間がとれない中、
(何に時間をとられているのかは、次回お知らせします)
昔書きかけたまま、放り出していた
『ポコ太 meets TMネットワーク』と言う原稿が出てきたので、
これなら 検証作業をする必要もないし、
何より 何故この重箱blogはこんなに偏った内容なのか をご理解いただけると思うので、
軽く手直しした上でエントリーします。


単なる回顧録ですので、有益な情報はありませんが、
(いつもは有益な情報が書いてあるとは言っていない)
TM NETWORK と こんな出会い方をした奴はそうそういない と思うので、
真夜中にお好み焼きでも食べながら、軽く読んでいただければと思います。






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さて、どれだけの方が気付いているだろうか。


この重箱blog、TM NETWORKを肴にしながら、
TMのファンを指して "FANKS" という表現が一度も出てこない

どの記事でも読み直していただければ分かるが、毎回
"FANKSとは書かず "TMのファン" と表記 している。
 "FANKS" と言う単語が使われるのは、
あくまで当時彼らが自称していた音楽ジャンルについてである。





またTMのblogでありながら「Get Wild」の記事がほとんどない。
あったとしても、それはライブでの演奏についてであり、
1987年4月8日発売の『オリジナルシングルの衝撃!』と言った内容は皆無だ。

当重箱blogにおいて「Get 〜」とは
「Get Wild」ではなく「Get Away」を指す
と認識してもらっていいだろう。

実際、重箱の初エントリーは「クロコダイル・ラップ」4連発 なのだ!!





「重箱のスミ」なんて名前のblogなんだから、
ある程度偏った内容なのは理解していただけるとして、
それにしても この偏りっぷりの根本的原因 について一言で言ってしまえば


ミツカワは "FANKSではなかった!!


…ということに尽きるのだが、これでは身もふたもないので
今回より2回に渡り、
回顧録『ミツカワのTM NETWORKとの出会いと別れ(←?!)』
を、お送りする。


しばしタイムマシンに乗り、1984年への旅をお楽しみください。






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序章  〜1984・タイムマシンへのチケット〜


自分が能動的に音楽を聴くようになったきっかけ。
そして今なおフェイバリットなアーティストは、
ずばり、シンガーソングライター『久保田早紀』である。
そう、あの「異邦人」の久保田早紀だ。

















「異邦人」収録のデビューアルバム「夢がたり」1979年12月リリース




彼女のアルバムには、曲毎に各楽器のプレイヤーがクレジットされており
これを通じてミツカワは、スタジオミュージシャンや音楽プロデューサーという存在、
そしてその役割に興味を持つこととなった。

さらに当時のアルバムには、
レコーディングシステムが事細かに書かれた別紙
まで封入されており、これもサウンドにおける一種の種明かしのようで、
細かい意味は分からないながらも、レコードを聴きながら興味深く眺めたものだ。

 (おそらくソニーがデジタルレコーディングに移行する時期だったので、
  それをアピールする狙いがあったと思われる。
  なので、その後発売されたCDなどでは割愛されている)







  で、この久保田早紀が
  TM NETWORKへの入口だった、というわけだ。
   (そして出口でもあった。この件は次回)







本当はここで、さっさとTMの話に移りたいのだが、
恐らく多くの人が「〜だった、というわけだ」と言われても全く伝わらない だろう。


そもそも、この重箱blog読者の方の中に、
久保田早紀の "全アルバム7枚" を聴いたことがある人が何人いるのか…。
いや、アルバムどころか、ぶっちゃけて言えば
「異邦人」以外の曲を知っている人が何人いるのか(涙)


実際には「キリンオレンジ」のタイアップソングとなった
「オレンジ・エアメール・スペシャル」もそこそこヒット
して、同時代の人には耳馴染みがあるはずなのだが、
なにせ「異邦人」が化け物的な大ヒットをしたせい で、
それ以外の曲が霞んでしまった感がある。



確か「ザ・ベストテン」とか「ウルトラマン80」とかの合間にガンガン流れてました。










というわけで、思いっきり駆け足になるが、この後の話に関わることなので、
TM NETWORK に繋がる点 を纏める。






まずひとつは プログレッシブ・ロックとの親和性


彼女のオリジナルアルバムは全7枚あり、サウンドプロデューサーも、
萩田光男・佐藤準・井上鑑・久米大作
と、いずれも大物・超大物が名を連ねている。

その度に彼女の書く曲も彩を変えるのだが、
何故かどのプロデューサー期のアルバムにも共通するのが、
プログレ臭がする曲が(時にはアルバム全体が)収められていること。



誰がサウンドアレンジを担当してもそうなったという事は、
やはり彼女の書く曲そのものに、プログレとの相性の良さがあったのだろう。
自分がずっと久保田早紀を聴き続けたのも、
この要素が大きい。

特にセカンドアルバム収録の「アクエリアン・エイジ」における曲構成、
そして延々と続くアナログシンセ・ソロは圧巻である。
プログレ好きの方は是非、チェックしていただきたい。




さてここでは、個人的に "初期・久保田早紀" の典型曲 と感じる、
セカンドアルバム「天界」冒頭曲「シャングリラ」を挙げる。



実はミツカワ、
TM NETWORK が1987〜88年に行った
「Kiss Japan Tour」 における「Don't Let Me Cry」後半部分のライブアレンジで、
松本孝弘/ギター → 木根尚登/ピアノ → 小室哲哉/オルガン の順でソロ回しが行われていた時、
『久保田早紀の「シャングリラ」の間奏部分に似てるな』
と思いながら見ていた。


今考えると何の事はない、典型的なプログレ・アレンジ である。
 (なお以前書いたが、この時の「Don't Let Me Cry」のエンディングは
  ELO の「Yours Truly, 2095」まんまである)



その他
・各所で聴かれるブロックコードによるリフ
・ピアノによるリズミカルなコード・バッキング
など、生演奏と打ち込みの差はあれど、
自分の "ツボ" としてはTMを聴く時と何ら変わらない。










しかし1984年当時、TMへの入り口として 直接的な役割を果たしたのは、
もうひとつの要素。
独特のオリエンタリズムというか異国情緒 である。


この「シャングリラ」、2番にこのような一節が出て来る。

  ♫ 〜 "死ぬことのない愛など求めるのはおよし"と
     哀しみをたたえた目でクリシュナが見守る


これでもう、感のいい方は分かったかもしれない。








そして運命の1984年。

結婚を機に教会音楽に専念するため、久保田早紀は商業音楽から身を引くことを発表。
(ラストアルバム「夜の底は柔らかな幻」1984年10月リリース)

ミツカワの心にひとつ、空席が出来たまさにその時。
東の空から 正体不明のタイムマシンが現れた!!





        something moving !






♫ おまけ
久保田早紀は国立(くにたち)出身であり、
年代も同じ(小室哲哉と同い歳)ことから、TMの3人とすれ違っていてもおかしくはない。
ある意味、多摩ネットワーク である。

と書くと妄想のようだが、1984年6月 渋谷LIVE INN のスケジュールを見ると
ちょっと現実味がわくでしょ?





































♫ もうひとつおまけ
1981年 小室みつ子氏がデビューする際、
雑誌で『久保田早紀似の容姿』と表現されていたのを見た憶えがあります。






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第1章  〜どうぶつさんたちだいしゅうこうだわいわい〜


1984年9月初旬の夜であった。

中学生だったミツカワはラジオを聴きながら机に向かい、
たぶんプラモデルでも作っていたのだと思う。
意識の8割は手元に向かっていている中で、気付ぬうちにラジオから曲が流れ始めていた。

どことなく 久保田早紀に似た異国情緒溢れる歌詞 が耳にとまり、手の動きが止まった。

『嫌いじゃないな…』

そう思った時には既に次の曲に切り替わっており、感想もそこまでだった。
ミツカワは再び手元に集中し始めた。




その時、不思議なことが起こった。
既に終わったはずの 先程の曲が、再びラジオから流れ始めた のだ。




何が起こっているのか掴めず、手を止め戸惑うミツカワ。
しばし宙を見つめる中、少しづつなにが起こったのか分かり始めた。


どうやら自分が最初に『次の曲に移った』と思った部分は
別曲ではなく、同じ曲の大サビだった ようだ。(下図の部分)
ただ当時としては常識外れと言ってもよい程、
劇的で突拍子も無い転調だった為に同じ曲とは認識できず、
別の曲が始まったと思った…というわけだ。













ようやく理解が追いついたその時、畳み掛けるように印象的な歌詞が飛び込んできた。


  ♫ 〜 「別れることは怖くない」君は涙みせずに言った
      生きる為のルールだから ほんの少し悲しいだけ



ん?

 …

  ・・・


   あー、こ、これは!?「シャングリラ」!!





先に挙げた、久保田早紀「シャングリラ」の歌詞を見直してほしい。
この曲のジュリアの言葉と、「シャングリラ」におけるクリシュナの言葉。

当時のミツカワが、両者を "同じカテゴリー" だと感じた のも無理はない、
と理解していただけただろうか?





      あまりにも 強引で衝撃的なその転調 と、
      久保田早紀を思わせる 異国情緒溢れる歌詞





    きたっ!!
    久保田早紀を失った俺の胸の穴を埋める、
    新たなアーティストの出現だ!!
       ミツカワは色めきたった。





いやしかし、待て自分。落ち着け自分!
曲が始まった時点では注意をはらっていなかったので、
肝心の "誰" の "なんという曲" なのか分からない。
一般家庭にインターネットなど存在しない時代、これではレコードの買いようが無い。




じっくり記憶を辿ってみる。
曲始まりでの司会者の言葉 …ネットワーク…
なんか、そんな言葉が出てきた気がする。
曲名も変なタイトルだった …動物… たぶんライオンだった…が、自信は無い。




     → … ど、動物ネットワーク 




なんとも頼りないが、それだけが手掛かりだった。
ちょうどその頃、別の曲を買おうとおこずかいを貯めてあったミツカワは、
早速、明日の放課後にレコード屋へ行こうと決め、期待に胸を膨らませ布団に潜り込んだ。


うー、はっ!










第2章  〜さらば TMネットワーク(←もうかよっ!?)


翌日、学校から帰ったミツカワは財布を掴み、自転車で家を飛び出した
まず目指すは、一番近所のレコード屋だ。

…が、撃沈であった。
『ネットワーク』と『動物』だけ では、
レジのおばちゃんには皆目見当もつかなかった。




まあ、ここまでは予想の範囲だ。
即座に次のレコード屋に向かう。

しかし、ここもまた撃沈。
次の店も撃沈… 次の店も… また次の店も…。




次第に家から遠ざかり、
とうとう 中学生が放課後に自転車で出かける範囲を逸脱し始めていた。
既に辺りには夕闇が迫ってきている。

こうなるとミツカワも意地になってきた。
どうせここまで来たのなら、繁華街にある大きな全国チェーンのレコード屋。
そこまで行ってダメだったら諦めようと決め、ペダルを踏み込む。




目的のレコード屋(確か十字屋だった)に到着した頃には、完全に日は暮れていた。
店内に入ると、それまでと同じくレコード棚には眼もくれずレジに向かう。
応対してくれた若い店員に事情を話すが、ピンとこないようだった。
ここまでは今日一日、何度も繰り返された光景。




しかしその時、隣のレジにいたベテランらしいおじさん店員が、こちらも見ずにボソッと
『"ソレ" って "アレ" じゃないかなぁ』とつぶやいた。
そして気だるそうに、後ろの棚から閻魔帳のように分厚いファイルを取り出したかと思うと、
ペロっと指先を舐め、物凄い勢いでページをめくりはじめた。

ぴたっとおじさんの手が止まる。
手元のメモ用紙になにやら書き留め、それをこちらに差し出した。



『コレじゃない?』


    TMネットワーク 「金曜日のライオン」


メモには、そう書かれていた。






ああっコレッ!コレです!ありがとうございます!!』





実際は音が聴けるわけではないので、それが自分の捜し求めたものか確証は無い。
ただ、もうヘトヘトになるまで半日駆けずり回った 自分に対する "落とし前" が欲しかった。


自分がある種の達成感に酔いしれている間も、おじさんの言葉は続いていた。
『…は今置いてないんだけど、最近出たシングルならありますよ』
その言葉を合図に、ミツカワはレコード棚に向かって走った。






た・ち・つ・て…・て・て・て …てぃ…・ティーエム…・・・あった!!

発売間もないニューシングル。
その名も「1974」!
ついに出会えた!!








    …が、レコード棚からそのシングルを引き出したまま、
    ミツカワは固まってしまった。








そのジャケットがあまりにも予想外、いや破壊的と言うべきか…、
ラジオで「金曜日のライオン(だったと思われる曲)」を聴いた時からミツカワは、
角松敏生のようなスーツを着こなした シックな佇まいの人達 を勝手にイメージしていたのだ。






   …のだが、

     …のだが、

       こ、コレは…。















































           ドン引き










落ち着いて見ると右側の人はそれ程ではなく、ま、まあ 許容範囲である。
しかし それを巻き込んでなお、常軌を逸するインパクトを醸し出してる のは、
やはり 左側の男のイカれた格好。



        ジェロニモンかよっ!!






























                   ウルトラマン (1966) 第37話より 酋長怪獣ジェロニモン







                  …無理だ。






ミツカワはとっさに思った。
こんな ハレンチなジャケット をレジに持っていくのは、
若いお姉さんがレジにいる本屋でエロ本を買うよりも無理だ…
無理 無理 無理!!


常識さえ追いつけないスピードで情熱が冷めてゆく中、
今、ミツカワの頭にあるのはただ
「どうやってこのレコード屋から脱出するか」だけだった。




さすがにここまでクタクタになって、なにも成果無しというのはキツイ。
なんでも良いから(本当はなんでも良くないが…)戦利品が欲しい。

そうだ、元々は別のレコードのためにおこずかいを貯めていたんじゃないか!
それを買おう。





そして今見た全て(主に三つ編み)を忘れてしまおう!





崩壊寸前だったミツカワの心は、こうしてなんとか踏み止まった。
その時買って帰ったのが、こちらも当時ニューシングルだったコレ。






























     B面収録の「傷ついたジェラシー」は、
     自分にとっての "popsアレンジ生涯ベスト10" に入る傑作だと思っている。
     今でもほぼ毎日聴いています(ほんとよ)






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今のように情報が次から次へと押し寄せる時代であれば、
自分にとっての "TMネットワーク" は、
これで終わっていただろう。

しかし当時は、そうそう自分好みのバンドを次々と知れるような状況ではなく、
「TMネットワーク」の名を拭い去るには至らなかった。



それからというもの、ラジオやTV・雑誌など、
「TMネットワーク」を(というより当時の認識としては "三つ編み野郎を" 
ちょこちょこ見かけるようになり、彼らは自分の頭の中に居座り続けた。





そして時は移り1985年。

自分にとってフェイバリットとなるアルバム「CHILDHOOD'S END」の発売とともに、
一気に TM NETWORK にのめり込む こととなるのだ。




































ただし、ここまで読んでくれた方はお察しいただけると思うが、
このアルバムの購入を決断した最大の要因は楽曲ではなく、
ジャケットから "三つ編みが消えた" から である。
男の子の心は、かくも繊細で単純なのである。






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♫ またまたおまけ。

今回、重要な役割を果たした「1974」のジャケット写真。
レコードを実家に置いてきてしまったためスキャンできず困っていたところ、
いつもコメントいただく GAUZE 氏より提供いただきました。

さらに、氏所有の「1974」サンプル盤のジャケット も提供いただいたので、
ここに掲載させていただきます。




































通常版の別テイクと思いきや、よく見ると髪型も衣装も違いますね。
このジャケットだったらドン引きしなかった…かも…。


       なにが "I Wanna See The Fantasy" やねん!!
       夢見たいのはこっちやわ!!
    ほんま、罪深いジャケットやで…。






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さて次回、この 重箱blogの偏り のもう一つの要因。
第3章  〜さらば TMネットワーク(←またかよっ!?)
をお送りします。

ゲゲゲゲゲゲ?! 私はこれでTMを止めました!!


9月中旬の 予定 です。
んじゃ、また。







2017年2月12日日曜日

ディスコミュニケーション 〜「Thrill Mad Natural」て、どんな曲?



皆様、お久しぶりです。
今更ですが、2017年あけましておめでとうございます。


昨年は長期入院を3回も繰り返してしまい、
また目も包帯で塞がれた状態が続いたため、更新もままなりませんでした。

楽しみにされていた方には、申し訳ありません。

自分としても『重箱blog終了まで、あと2回』と言いながら、
一向にケリをつけることができず、もどかしい日々を過ごしていました。



そんな中、どうせあと2回は「小ネタ☆スペシャル」なんだから、
全部を一度にではなく、小ネタ1つずつを書き上がった順にアップしていけばいいじゃないか!
と思いつき、早速執筆に取り掛かったのですが、
これが大誤算!!

どんどん記事の内容が膨れ上がり、
「小ネタ」どころではなくなってしまいました。



よって今回は番外エントリーとし、
「小ネタ☆スペシャル」はこれとは別に、
予定通り、あと2回更新いたします のでご安心ください。


では、今回も重箱のスミを突きまくります!






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一時期、偶然ながらも初対面の方に
『「Thrill Mad Natural」はお好きですか?』
と問われることが、やたらと続いた。

ミツカワも一応、れっきとした大人 なので、事を荒立てるような真似はせず、
『ええ、好きですよ』と、涼しげな表情で簡潔に答えていたのだが、
実はその裏で、どうしようもないモヤモヤが溜まっていった。




それが、今回のテーマである
『そもそもTMに「Thrill Mad Natural」という
 タイトルの曲は存在するのか?』という問題だ。






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先にぶっちゃけたことを言うと、今現在、これほどこの呼称が一般化している以上、
存在する、としか言いようがない。


すなわち…

1990年冬〜91年春にかけて行われた「RHYTHM RED TMN TOUR」の模様を収録した
DVD「RHYTHM RED LIVE WORLD'S END I」

ここに収められた、シンセ・小室哲哉とドラム・阿部薫による、
掛け合い的なインストルメンタルのこと を、
世間(?)では「Thrill Mad Natural」と呼んでいるわけだ。






















































これは初発のビデオ時代から、そうクレジットされているので 間違いではない。

また、この演奏自体はそのままの形で、
1990年12月「RHYTHM RED TMN TOUR」スタート時から存在していた。

ここでミツカワが問いたいのは、
ではツアー・スタート時から「Thrill Mad Natural」というタイトルは、
"この演奏" のためのものだったのか?
ということだ。






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少々、分かりづらいので細かく説明しよう。


まず一般のファンの中で "このタイトル" と "あの演奏" が一体化したのは、
1991年3月に当該ビデオが発売された時から だろう。
ビデオのパッケージには "あの演奏部分" について、
はっきりと「Thrill Mad Natural」とクレジットされていたからだ。


もちろん「Thrill Mad Natural」というタイトル自体は、ツアースタート時から、
雑誌等、各メディアにて発表されたセットリストにも存在はしていた。

ただ、その時点では
"あの演奏" を「Thrill Mad Natural」と呼んでいたファンはいなかっただろう。



 何故か?



ここで「RHYTHM RED TMN TOUR」のセットリストの一例(注)を見てみよう。
「Thrill Mad Natural」の前後を確認してほしい。

 (注)このツアーでは公演日によって、セットリスト後半部分がかなり変更された。
    ただ、本項目には関係ないので割愛する。ここに載せたのはツアー初日のもの。







































まず押さえていただきたいのは、このセットリストから分かるのは
「Secret Rhythm」と「Time To Count Down」の間が
「Thrill Mad Natural」である、ということでしかない ということだ。


なぜこんな、持って回った言い方をするかというと、
この「Thrill Mad Natural」に該当する部分が、
実際のコンサートでは10分以上あった からだ。
しかも、その内容は1つの演奏(1曲)ではない。


この部分もツアー中に、内容・時間共に細かく変化したのだが、
ここではまず、前曲「Secret Rhythm」の終わりから、
次曲「Time To Count Down」スタートまでの、基本的な流れを見てみよう。






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全体は大きく4つに分けられる。
ここでは便宜上、番号をつけて呼ぶ。




 [演奏 - その1]

「Secret Rhythm」演奏終了後、メンバーは舞台を去り、
ステージ上には葛城哲哉1人が残される。

ここで、まずは葛城哲哉による文字通りの1人舞台が始まる。

ツアー開始当初は単にギターソロコーナーだったのだが、
すぐに彼の生声によるシャウトも加わるようになり、その後は
実質、葛城哲哉パフォーマンスショーコーナー になっていった。
このパートはツアーが進むにつれ、どんどん長くなり最終的には4分程度にまで育った。

特筆すべきはホール公演だけでなく、アリーナ公演になってもマイクを通さず、
生声でやりきっていた(!)ことだ。

ステージも客席も真っ暗な代々木体育館の舞台上、一人ピンスポットを浴びながら
♫〜 Tokyo Baby ! とシャウトする葛城の姿は圧巻で、
実のところミツカワにとっては、このライブで一番印象深いシーンだった。

この葛城哲哉ソロコーナーの終わりで、小室哲哉と阿部薫が舞台に戻ってくる。




 [演奏 - その2] (DVD収録パート)

ここで演奏されるのが、DVDに収録されている "例の演奏" である。
以降 [演奏 - その2] と呼ぶ。
これはDVDのままなので割愛する。

なおリハーサル(公開リハーサル「The Formation Lap」を含む)時点では、
この演奏直後、間髪を容れず高速のドラムが始まり、
それに合わせ、小室哲哉のアドリブ風シンセソロが演奏されていた。
しかし、実際のツアーでは演奏された形跡がない。




 [演奏 - その3]

前の演奏から引き続き、ここから小室哲哉のソロコーナーが始まる。
基本的にはTMやソロの作品をシンセで演奏するといった形である。

「天と地と」や同サウンドトラックの曲、「SEVEN DAYS WAR」
またツアー途中から(小室哲哉曰く「勝手に指が動き出して」)
「A Day in the Girl's Life」も演奏されるようになった。
ツアー最終日には、ここで「天と地と」のサビを本人が歌ったそうだ。

この演奏が終わると、待機していた阿部薫、葛城哲哉、浅倉大介も加わり、
注目すべき次の演奏 が始まる。




 [演奏 - その4]

ミドルテンポの演奏の上で葛城哲哉のギターがメロディーが奏でる、
ロックバラードといった風合いのインストルメンタル。
「天と地と」の様な、オリエンタルで大陸的な雰囲気も感じさせる。

ここは演奏メンバー・内容ともに、ツアー終了後の4月に行われた、
北九州スペースワールドにおける小室哲哉ソロコンサートの原型と言えるだろう。


この [演奏 - その4] は [演奏 - その2] のような、
楽器同士のセッションといった体のものではなく、
イントロ ー Aメロ ー サビ といった構成があり、
独立した楽曲として成立している。
さらに間奏部分ではギターソロからシンセソロまで用意されていた。


少なくともミツカワは、他でこの曲を聴いたことがない。
同時期の Mr.マリック「Psychic Entertainment Sound」や
「天と地と」サウンドトラック等との関連性を疑ったが、やはり違うようだ。

ということは、
このツアーのために制作された "名も無いインストルメンタル曲" ということになる。
同様の例としては、1986年のホールツアー「Fanks Dyna☆Mix」の
小室ソロコーナーで演奏された、アップテンポのインストルメンタル曲がある。




3分以上かけてこの曲が演奏された後(ツアースタート時のセットリストでは)
小室哲哉のピアノが鳴り響き「Time To Count Down」からライブ後半戦がスタートする、
というのが全体の流れだった。

途中書いたように、この「Thrill Mad Natural」は
 [演奏 - その1] 及び [演奏 - その3] 部分が、ツアーが進むにつれ時間がどんどん伸び、
最終的には全体で15分近くにまでなった。






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ここまでの説明で、ミツカワが抱き続けていたモヤモヤが分かっていただけただろう。

つまり「Thrill Mad Natural」とは、特定の演奏につけられた曲名ではなく、
「RHYTHM RED TMN TOUR」内での『コーナー名』
だったのではないか?
というのが、当時から今に至るミツカワの見解だ。



ただし最初に書いたように、
ここまで [演奏 - その2] 単独の曲名として一般化してしまった以上、
もう、事実上の曲名と言えるだろう。

そのこと自体に意義はない。

ただそのことによって、実際のツアーで行われていた
「Thrill Mad Natural」の実態がその影に隠れてしまったため、
この場に書き残そうと思った次第である。






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さてここまでは、ミツカワが当時からもんもんと考えていた個人的見解である。
では、オフィシャルではこの「Thrill Mad Natural」、どういう解釈なのだろう?



ここで2つの資料を引っ張り出してきた。

 1つはツアースタート時にヤマハから発行された「SPEED OF SOUND」
 「RHYTHM RED TMN TOUR OFFICIAL SOUND GUIDE」と銘打たれたガイド本だ。

 もう1つはツアー終了後に発行された藤井徹貫氏著のドキュメント本。
 「TMN “RHYTHM RED” TOUR DOCUMENT」



特に後者。

熱心な重箱blogの読者の方なら、この本にまつわる
の滲むようなエピソードがあったことをご記憶だろう。

ミツカワは以前、こちらのエントリーで、
そのコンサート演奏部分にまつわる
全内容をリストアップし再構成する という 苦行 を行ったことがある。
(現時点で『人生における無駄な時間 ワースト10』に、見事ランクインしている)


そう!
実はその際、このエントリーを書く日が来ることを見越して、
リスト内に「Thrill Mad Natural」用の別項を作り、
密かにその関連記述をリストアップしていたのだ!!





というわけで、ここからは 満を持して送る、
『そこんとこオフィシャルではどうなの?!』コーナー!






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まずはツアースタート時点ではどうだったのか?
「SPEED OF SOUND」より、
セットリスト各楽曲解説から「Thrill Mad Natural」部分を見てみよう。





































冒頭に "異色のナンバー" と書かれているので1曲として扱われているのかと思いきや、
その後を読むと、
・葛城哲哉のソロコーナー
・小室哲哉のソロコーナー
・小室哲哉と阿部薫による [演奏 - その2]
3つが内包されていることが分かる。

(コーナーの順番が違うが、これはまだツアースタート前なので、
 リハーサルを元に執筆されているからであろう)

というわけでツアースタート時点では、
例の [演奏 - その2] 単独で「Thrill Mad Natural」、という扱いではなく、
[演奏 - その1] 及び [演奏 - その3] を含んでいる ことが分かる。






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次にツアー終了時点ではどうか。


お読みになった方はお分かりだろうが、この「TMN “RHYTHM RED” TOUR DOCUMENT」は、
オフ日や移動日なども含めた、あくまでツアー全体のドキュメント本なので、
各楽曲が一覧できるようなものではない。

公演日によっては 演奏内容にほとんど触れていない日さえある。

また、ハッキリと曲名を書かないまま描写が続く文章もあり、
リストアップする際には、非常に気を使った。(というか、すり減った)



その上で、確実に「Thrill Mad Natural」のことを描写していて、
なおかつ本エントリーの参考となる部分を書きだしたのが、次のリストである。

鍵となるのは、当時『TMN 第4のメンバー?!』とまで言われた
謎のロボット「ガルボア」に関する演出部分 だ。























 ここでなんと、驚くべき大どんでん返しが起こる!!





[P.31]
 ガルボアが姿を現わす。
    〜中略~
 そこから葛城哲哉のギター・ソロ、
 小室哲哉のキーボード・ソロ(ドラムとのセッション 〜「天と地と」)
 が終わるまで静止する。
    〜中略~
 「Thrill Mad Natural」の最後でガルボアは再び動き始める。
    〜中略~
 そして、ステージ脇へと姿を消す。



[P.44]
 ギター・ソロ 〜 キーボード・ソロから続くインスト「Thrill Mad Natural」の後ろに
 「Good Morning Yesterday」が入った。



[P.97]
 ガルボアがステージから去る「Thrill Mad Natural」を短く、〜

(ページナンバーは後から発売されたペーパーバック版とは異なるので注意)





まず [P.31] [P.97] に書かれている "ガルボアの退場シーン" は、
上記 [演奏 - その4] 部分での演出 である。

一応(伝わったかどうかは別として)実際のライブでは、
完成したもののすぐに動かなくなってしまったガルボアが、
メンバーたちの奏でる [演奏 - その4] によって再生し、
舞台を去っていくという演出になっていたわけだ。

(なので、[演奏 - その2] しか収録されていないDVDでは、
 前曲「Secret Rhythm」で登場したガルボアのその後がうやむやになってしまっている



この記述を見る限り、このドキュメント本でも
[演奏 - その4] を「Thrill Mad Natural」として扱っている ことが分かる。




問題はここからだ。

[P.31] では [演奏 - その2] を、
小室哲哉のキーボード・ソロの一部(ドラムとのセッション)として扱っている。


その上で [P.44] を読むと、
「Thrill Mad Natural」という曲は [演奏 - その4] のことであり、
[演奏 - その1〜3]  は、単なるギター&キーボード・ソロ に過ぎず、
=「Thrill Mad Natural」には含まれない、
という風にも読めてしまう!!





         まさかの展開…





…ただである。


はっきり言ってしまうと、この件に限らず当ドキュメント本の記述には、
全体に渡って かなり揺れがある と感じる。

そもそも執筆にあたって、
藤井徹貫氏の中に「Thrill Mad Natural」の確固たる定義付けがあったのかも疑わしい。
また 誤植が非常に多い ことも、以前のエントリーで指摘した通りだ。


しかし、それでもガルボアの退場シーンに言及している以上、
やはり [演奏 - その4] は間違いなく「Thrill Mad Natural」であるという認識 なのだ。






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さらに補足しておくと、[演奏 - その2] は先に書いた
1991年4月・北九州スペースワールドでの小室哲哉ソロコンサート「THINK of EARTH」にて
「SPACE WORLD(注)」と称された曲の1部分として演奏されている。
 (注)翌年のV2ライブで演奏されたものとは同名異曲。

これを見ると、ツアーの時点では小室哲哉自身も独立した一曲というより、
"パーツ" 程度の認識 だったのではないかと思われる。








































     小室哲哉ソロコンサート「THINK of EARTH」の様子。
     「RHYTHM RED TMN TOUR」の終了から1ヶ月にも関わらず、
     この時点で既に、MOOG SYSTEM 35 / ソリーナ / ハーモナイザーなど、
     次ツアー「Tour TMN EXPO」の機材セットが完成していることに驚かされる。







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以上2冊の記述をまとめると、オフィシャル的な観点から見ても
「Thrill Mad Natural」というのは、[演奏 - その1 〜 その4]  までを含む、
全体のコーナー名として設定されていた と言える。

実際、ビデオのクレジットも、
読み手次第で "曲名" としても "コーナー名" としても、どちらともとれる わけだ。


結局、オフィシャルでの設定はなく、
ビデオ発売後にファンの間で [演奏 - その2] の曲名として広まったものが定着し、現在に至る…
というのが真相ではないだろうか。

もっと言えばファン同士の間でも、お互い確認していないだけで、
Aさんは "コーナー名" として発言し、それを聞いたBさんは "曲名" として受け取るという、
すれ違いの会話をしている可能性もある。


さて、
あなたの「Thrill Mad Natural」は一体どちらだろうか?






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最初に紹介した『「Thrill Mad Natural」はお好きですか?』という質問に、
『ちょっと待ってください!あなたの仰っている「Thrill Mad Natural」とは
 〜ウンヌンカンヌン〜』などと言わなくなった最近の自分を省みると、
あー、俺も大人になったなぁ… と思います。



まあ、TM関連に対して言わなくなっただけだけどね。
特撮関連だと もっと悪化してる 気がするけどね…。


『ちょっと待ってください!あなたの仰っている「ハカイダー」とは
 「人造人間キカイダー」に登場したライバルキャラクターのことを言っているのか、
 それとも「サンダーマスク」第6話に登場した…湯hrjg:;h;fpkg:slhんk、p@:!!』




       …はぁ、はぁ、はぁ、




また次回まで、お時間をいただきます。
なかなかコメントのお返しも出来ませんが、ありがたく読ませていただいております。

んじゃ、また。







1つ書き忘れていたので、追記いたします(2017年2月13日 午前2時30分)

TM関連の楽曲を管理する「音楽出版ジュンアンドケイ」では、
[演奏 - その2] に対し「Thrill Mad Natural」が曲名として付けられ管理されています
ただこれは、ビデオに収録され商品化されたものを、機械的に追認しているに過ぎません。

夢物語ですが、もしもこの先
「RHYTHM RED TMN TOUR」が全収録されたDVDなどが発売された場合、
どのような曲名が付けられて管理されるのか、興味あるところです。