前回の最後に
"『MIND CONTROL』についてはさらっと流して~ "
と書きましたが、ごめんなさい。
"さらっと" どころではなく、今回は一切ふれません。
もう一つのネタが膨らんでしまったので
『MIND CONTROL』については次回こそ "さらっと流して~"
いくつもりです。
今回はいわば箸休め。
ポコ太の当時のストレンジな体験談と
それにまつわる非常に地味な『KX5』のカスタマイズのお話。
題して
[怪奇、皺がよる『KX5』!]
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前回のエントリーで述べたように
80年代後半、初めて楽器店に足を踏み入れたポコ太は
気がつけば、今は無き渋谷・道玄坂のYAMAHAで不定期に行なわれていた
無料セミナーに通うようになっていた。
セミナーの会場はステージ部分も含め、
学校の教室をふたまわり大きくした程度だったろうか。
いつも薄暗い場所だったためよくわからないが
客席は60人程度が入るくらいの狭い場所だった。
時は1989年。夏から秋頃だったと思う。
それまで YMO や TM NETWORK を聴きながらも
なぜかシンセに特に興味のなかったポコ太だが、
この頃突然、鍵盤楽器に興味を持ち出し
いろいろ検討した結果、当時の新製品
YAMAHA『V50』にターゲットを絞りつつあった。
そこで出かけた『V50』無料セミナー。
講師の告知はなかったがフタを開けたら出てきたのは浅倉大介だった。
このころはまだ『EOS』関連でなくても、
予告もなく一講師として彼が出てくることがよくあった。
客の方も特に騒ぐことなく、
スタート時点では、いたって普通の "セミナー" 。
しかし中盤も過ぎたころ
まず、スタッフが騒ぎ始めた。
いぶかしげにスタッフの方にチラチラ目線を送る講師の浅倉大介。
じきに浅倉大介にも耳打ちが入った。
それまでセミナー講師としての役割を淡々とこなしていた彼の目が
急に泳いだのをはっきりと憶えている。
そしてうわずった声でこう言った。
『あの~、小室さんが…小室哲哉さんがですね。
レコーディングに向かう途中で近くを通るからということで、
コチラにいらっしゃるそうです(汗)』
このセミナーは『EOS』では無く、あくまで『V50』のセミナーだったので
客は必ずしもTMファンでは無かったのだが、
それでも当時は TM NETWORK 絶頂期。
小室哲哉といえばシンセ関連の雑誌などで見ない日が無い勢いだった。
今度は客席の方がうろたえる番であった。
どうやらこの時点で既に小室哲哉は会場に到着していたようだ。
間もなく、会場中を不穏な空気にさせた張本人が現れた。
現れた彼の姿を見て呆気にとられる客席。
とても今からレコーディングスタジオに行くとは思えない
キメキメの格好にツンツン立たせた髪型。
ステージや雑誌で見るような、そのままの格好だったのだ。
『ガタッ』
スプリングのようにものすごい勢いで立ち上がり直立不動となる浅倉大介。
スプリングのようにものすごい勢いで立ち上がり直立不動となる浅倉大介。
『どうも~~』
妙に低姿勢な挨拶をする小室哲哉。
『パ…パチパチパチ…』
雰囲気に飲まれてしまい、まばらでどうにも締まりのない拍手をする客席。
カオスであった。
実はポコ太自身も雰囲気に飲まれてしまい、そこからのことが思い出せない。
ただ、顔を見せるだけだと思っていた小室哲哉は
10分ぐらいだったろうか、意外と長く居たような気がする。
その中でどういう流れだか全く覚えていないが
客席との質疑応答(注)になって
客席との質疑応答(注)になって
ショルダーキーボードのエピソードを語っていた。
曰く
『自分はこんな体型なので、ショルダーキーボードを持つと
骨盤にガンガン当たって痛いんですよ。
そこで『KX5』の裏にクッションをつけてもらってます』
とのこと。
…いや、実際はもっと実のある質問や回答がなされていたと思うのだが、
情けなくも何故か覚えているのはこの答えだけ。
その後、彼が去ったステージに残された浅倉大介の虚脱した表情を見て
密かに同情したポコ太であった。
ちなみに終了後、退出の際
入場時は一切ノーチェックだったのに
急な断りとともにカメラや録音機材などの持ち物チェックが行われ
お詫びとしてYAMAHAのステッカーなどが配られた。
(注)このような経緯だったので、もちろん仕込みなしのガチ質問。
スタッフのハラハラ感は想像するに余りある。
スタッフのハラハラ感は想像するに余りある。
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というわけで初めて知った地味な工夫。
(そのかわり『V50』のことは一切わからなかったが…)
このクッションをつけた『KX5』は
数々の映像に記録されていて、現在でも確認することができる。
とはいえ、皆様お忙しい毎日をお過ごしでしょう。
「 "KX5の裏" なんて、いつ映るのかわからないのに、
延々とDVDなんか視ている時間ないよ」
とお嘆きの貴兄方の為に、おまかせください!ポコ太が代わりにやりました。
題して『世間よ、コレが暇人だ!』
では皺がよった『KX5』
その衝撃映像の数々をご覧いただこう。
その衝撃映像の数々をご覧いただこう。
(クリックすると拡大します)
しょっぱなからコレである。
今までの前振りがなければ、幼稚園のお遊戯に使う小道具にしか見えない。
この出来を見ると、恐らく現場でスタッフが取り付けたものではないだろうか。
初代『MIND CONTROL』
これ以降はクッション部分も、
設計段階から仕様としてYAMAHA側で作られているようだ。
この皺のより方がポコ太の一番お気に入りだ。 …ってどんなフェチだよ!
小室哲哉の親指がめり込んでいるようにも見える。
一方、こちらの『KX5』には、なにも貼られていない。
理由は…
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こうなる運命だから(合掌)
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こうなる運命だから(合掌)
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なんだか今回は当ブログの趣旨である
『重箱のスミ』を極められた様な気がする。
まあ、一言で言えば
『ど〜〜〜っでもいいよね、こんなこと』
んじゃ、また。