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2024年6月22日土曜日

コンガラコネクション 〜 LIVE HISTORIA “S”と“a”のエクスタシー


皆様、どうもご無沙汰しておりました。
ドッコイ生きてるシャツの中。
ミツカワでございます。


生まれつき基礎疾患の塊であった自分は
コロナ禍において幼少時より続けてきた治療が受けられなくなり、
また入院治療などもできず、各部が重症化してしまいました。

そのため、まだまだしばらくは不安定な状態が続きますが、
お約束したように最終回のネタまでは書き切りますので、
のんびりとお付き合いいただければと存じます。



〜〜〜〜〜〜〜



さて、親しい方はご存知と思いますが、
ミツカワのTM熱はTM30周年の時期に
すっかり冷めてしまいました。
(さらっと、とんでもないことを言う芸風)

なので以前から決めていた最終回までのネタを淡々と書き切って、
この重箱blogは一段落させようと思っていたんですが、


          が、 が、が、



前回といい、今回といい、それとは無関係のネタを
公式がぶっこんでくるんですよ…。




この重箱blogの本来の趣旨はこちらに書いたように、
“TMの80年代のライブを中心にあーだこーだ書いていく” というものなんですが、
今回のネタはまさに その中心地に投げ込まれた爆弾 のようで
さすがにスルーするわけにいかず、現時点の状況をまとめておこうと思います。



ついでに前回から時間も空いてますので、
この期間に判明したこの重箱blogの間違いも正していこうと思います。



—————————



さて、本題。


寝込んだせいですっかり時期を逃しましたが、皆さん覚えていらっしゃるでしょうか。
2年前、2022年2月23日に発売されたこの2つの企画盤を。


「LIVE HISTORIA T ~TM NETWORK Live Sound Collection 1984-2015~」
「LIVE HISTORIA M ~TM NETWORK Live Sound Collection 1984-2015~」










いわゆるライブベスト盤なわけですが、この商品が発表された際、
冷め切っていたミツカワの心を一気にときめかせた商品特徴がありました。



それは、
1曲毎に演奏年月日、及び公演場所が明記されている こと。



以前、“コロシアムを暴け” なる企画をエントリーしていた際、
確信の持てる資料が極端に少ない中で自分の発言も歯切れの悪いものにならざるを得ず
フラストレーションが溜まっていたのですが、このCDはその問題を一気に解決してくれる、
いわば “回答集” だと認識したわけです。




なので、購入して初回視聴時はもう ドキドキもの で再生ボタンを押しました。




が、その1曲目。

Be Together
 (1988年3月16日/代々木オリンピックプール/KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX)

これのイントロの時点で呆然としてしまいました。



違う
  これは1988年3月16日の
     「Be Together」ではない…




これに関してはややこしいのですが、正確に書くと
“3月16日の「Be Together」” の部分もあるが、
別日の演奏も混じっている。
と、なります。



いきなり1曲目からこれでは、とても信頼できる情報源とは言えなくなってしまいました。
一気にテンションが下がってしまったミツカワ。

どれくらいテンションが下がったかと言うと、このCDの目玉である未発表音源
「17 to 19」をいまだに聴いていない、聴く気になれない という有様です。



—————————



なにせ 1曲目からつまずいてしまった のでエキサイトしていますが、
このCD全体に問題があるというわけではありません。


まず、再結成後のライブに関する表記は問題ありません。
さすがに2010年代以降で資料があやふやなんて事は無いでしょうし。
また Epic/Sony 期のトラックについても、ほぼ合っていると思います。




現時点でミツカワがおかしいと思っているのは、以下の3曲。


LIVE HISTORIA T ~(1曲目)
Be Together (1988年3月16日/代々木オリンピックプール/KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX)


LIVE HISTORIA M ~(3曲目)
LOVE TRAIN (1992年4月12日/横浜アリーナ/TMN EXPO)


LIVE HISTORIA M ~(5曲目)
Just One Victory (1989年8月29日/横浜アリーナ/CAMP FANKS!! '89)




ここで さらに問題をややこしくしている のは、
この2枚の企画盤がソニーとエイベックスの 共同企画 であると言うこと。


そして販売元がソニー側の「LIVE HISTORIA T」と
エイベックス側の「LIVE HISTORIA M」に、
お互いの所持する音源がごちゃまぜに収録されている こと。


ミツカワが問題視する3曲のうち2曲は Epic/Sony 時代の音源にもかかわらず、
エイベックス側「LIVE HISTORIA M」に収録されています。
つまり、この2曲の問い合わせ窓口はエイベックス なわけです!



かといってこの問題、
エイベックスに尋ねて分かるわけないですよね?



—————————



話を戻します。


いきなり1曲目でテンションの下がったミツカワですが、
ただこの時点では、そこまで根深い問題とも考えていませんでした。

CDには ↓ このような注意書きがあり、
これの2行目が今回の “編集” にあたるのかなと思っていました。


 



ライブ盤での編集はよくあることですし、基本的にミツカワは
“商品としてのクオリティーアップ” と捉えて 編集大万歳🎉 というスタンスです。

しかし公式として間違ったクレジットをしている事は確かですし、
その意味では前回と同じなわけで、一応ソニーに連絡を入れました。

このときの気持ちは
“次回から気をつけてね” 位の軽い感じで話を終わらせるつもりだったのですが、
しかし、ソニー側の返答を聞いて頭を抱えてしまいました。




ソニー側として語られた 当CDのコンセプト 

従来のライブ盤と違い、
別日の素材などを編集で混ぜ合わせたりせず、
純粋にその日時に演奏されたものをパッケージする

だというのです。
(尺編集については上記注意書きの範囲内とミツカワは捉えているため問題視していません)





こう胸を張って返答されてしまうと、
こちらとしても引き下がるわけにはいかなくなってしまいました。
まさに その部分に問題が起こっている 
(とミツカワは認識している) からこそ連絡を入れたわけなので。





今回は細かく解説しませんが、聴いていて明らかにおかしい部分があるのは確かです。
それは「Be Together」を例に上げると、
 
2番のAメロで小室哲哉の手弾きパートが
2つ同時に鳴る箇所がある。

この時点で、単日の演奏のはずがありません。



しかし、その後のやり取りでわかった事は

現在のソニーとしては、
・ 過去のライブビデオなどの収録日時に関する記録は無い。
・ 今回のクレジットの根拠は、使用したマスターテープに書かれた表記。



そうなんですよね。
かつての Epic/Sony はとっくに存在せず、
現在の TM NETWORK のCD等を企画・ 発売しているのは、
同じソニーでも別の組織なんですよね…。


これでは、暖簾に腕押しになっても仕方がありません。


ここまでお読みのようにこの問題、本来はシンプルなミス (後述します) だと思うのですが、
商品企画・販売方法が複雑なため、どうやって解決するべきなのか
ミツカワ自身が混乱している状態です。



—————————



今回のエントリー、
ここまで 自分ひとりの思い込みで突っ走っている可能性 もあるので、
一旦、いつもの重箱blogらしく 音源の中身 に目を向けてみます。
これを読んで皆さんも同意いただけるでしょうか?



問題の3曲の内
Just One Victory (1989年8月29日/横浜アリーナ/CAMP FANKS!! '89)
が1番分かりやすいと思います。



既発の「CAMP FANKS!! '89」関連のBlu-rayなどと聴き比べれば、
小室哲哉パートがまるで違います。



現在入手できる「CAMP FANKS!! '89」関連のBlu-rayは “1989年8月30日” のものですが、
Blu-ray化が宙に浮いている ↓ こちらのビデオ
「FANKS the LIVE 3 CAMP FANKS!! '89」については、
このCDでのクレジットと同じく “1989年8月29日” と表記されています。


 




以前こちらのエントリーで、このビデオで実際に使われている映像の大半は、
8月25日 or 26日 (どちらかは不明だが、ミツカワは九分九厘 “26日” と睨んでいる) 
東京ベイNKホール のものである事は述べましたが、
音声については8月29日横浜アリーナのものが主軸 となっています。

横浜アリーナをベースにベイNKホールの音声 (ボーカルの一部など) が
部分ごとに差し替えて編集されているわけです。




この 映像と音声のちゃんぽんのおかげ(?) で、
幸いにも「Just One Victory」関しては、8月26日(?)、29日、30日と
「CAMP FANKS!! '89」全4公演中3公演の演奏内容が音と映像から読み取れます。




皆さんご承知の通り、どの公演日も小室哲哉がショルダーキーボードを弾き始めるのは、
最後のサビに入ってから。

それに対して、今回のCDではイントロから最後まで、
1曲丸ごとショルダーキーボードで弾いています。

これは「CAMP FANKS!! '89」ではなく、
直前まで行われていた「CAROL TOUR」 (ホールツアー) での演奏の特徴 です。



つまり、このCDの音源はクレジット通りである8月29日の演奏に
「CAROL TOUR」(演奏日時不明) の音声が混じっている のでは?
というのがミツカワの考えです。



もちろん資料の無い「CAMP FANKS!! '89」の残り1日、
例えば 初日はこの演奏だったという可能性 もないわけではありません。

しかしそうだとしても 8月29日/横浜アリーナ で無いことは確かだし、
そのうえ「CAROL TOUR」「CAMP FANKS!! '89」では
この曲を演奏するときの舞台セット、特に小室哲哉ブースが違う(注)ため、
その可能性はかなり低いと考えます。

(注)「CAROL TOUR」「CAMP FANKS!! '89」では
    コンサート中に2つの小室哲哉ブースが入れ替わる演出となっている。





  ここまで書けば、皆さんお分かりですよね。





この問題の3曲って、つまり特定の1日を音源化したのではなく、
単に「TMN COLOSSEUM」(注)制作時に作られたマスターテープ、
つまりフェイクのライブテイクをミックスし直しただけ。

しかし「TMN COLOSSEUM」では1曲毎の音源として矛盾がなかった
 (例えばメンバーの数が急に増えたりしない) のに対し、
今回は、無頓着にミックスしてしまった。

ということです。
(注)1992年に発売された “架空のライブツアー” と銘打たれた2枚のライブ盤。
   各トラックは様々な公演日時の素材がミックスされたフェイクトラックとなっている。
   以前こちらで解明しました「Ipanema'84」に至っては、
   ライブ素材どころかスタジオ素材、つまりデビューアルバム
   「RAINBOW RAINBOW」のボーカルに差し替えられています。





今回の一件で久しぶりに「TMN COLOSSEUM」を通して聴きましたが、
こちらの収録曲はいずれもビジョンを持ってミックスされていると感じます。

それに対し、今回問題の3曲はバンドサウンドの定番である
ドラム/ベース/ギターに関してはともかく、
TMサウンドの要であるシンセサイザーについては、非常に 曖昧模糊 としています。

1つの音に対して、これは打ち込みなのか手弾きなのか?
手弾きの場合は、通常の鍵盤なのか?ショルダーキーボードでのプレイなのか?
などが1曲の中でふらついている。(特に「Be Together」
つまりは、小室哲哉が舞台のどの位置にいて
何をしているのか? という画が見えてこない のです。




先に、このCDの「Just One Victory」では、
“イントロから最後まで1曲丸ごとショルダーキーボードで弾いている” と書きましたが、
これは間違いでは無いものの、印象としては かなりあやふや です。

同じ素材が使われている「TMN COLOSSEUM」と聴き比べれば一聴瞭然なのですが、
例えば2番のサビではショルダーキーボードが何処かにいなくなったと思ったら、
サビが終わった途端に急に戻ってくるといった感じ。



これはミックスの段階で、
“各トラックの音が実際のライブでどのように演奏されていたのか”
よく把握しないまま作業を進めてしまった結果のように思えます。
(念を押しますが、あくまで問題の3曲についての話です)



—————————



そう捉えるとこの問題、それ以前から 伏線が敷かれていた ように感じます。


2012年5月23日に発売されたこちらのCD。
「TM NETWORK ORIGINAL SINGLE 1984-1999 BACK TRACKS」







数々のシングルをカラオケ状態で聴けるという、ミツカワ歓喜の企画CD。
ミツカワのみならず TM NETWORK のファンであれば、
かなり嬉しかったのではないでしょうか。


ただ純粋なバックトラックとして聴くと、次々と?が頭に浮かぶ CDでもありました。


というのも、
オリジナルの音源では鳴っていなかった音が聴こえたり、
ソロのフレーズが違っていたりしたから です。


これはつまり、マスタートラックに収録されているもののうち、
どのトラックが本番で採用されたものかを把握せずにミックスしてしまったために起こった
“珍事” なのでしょう。





これ自体はむしろ今まで聴けなかった没トラックが聴けたわけで、
ミツカワとしてはとても 魅力的な商品 として仕上がっていたと思います。
今でも度々聴きます!




しかし今回はそれが
 (ソニーが胸を張って唱えたコンセプトに対して)
悪い方に転がってしまった のではないでしょうか。

よっぽど熱狂的なファンでもない限り、どれが本来の使用トラックとか把握できませんよね。
渡された資料に沿って淡々と進めるしかないのは仕方がないとは思います。




もう一度基本に戻りますが、
ミツカワは ライブ盤における編集は大歓迎 という立場です。


今回騒いでいるのは、
公式商品として
 自ら打ち立てたコンセプトに
  反したクレジットミスをしている
という点です。



そしてそれが当然のごとくウィキペディアなどの記載に反映され 既成事実化 していく…。



さらに深刻なことは、これは40周年の時にチラっと見たのですが、
肝心の公式自体がそのウィキペディアの記載を頼りに
企画を立てている節が見られる と言う点です。

意図せずマッチポンプ化している とでもいいましょうか…。

決して自分の(この重箱blogの)発言責任を軽視するわけではありませんが、
やはり 公式が出す情報というのはきちんと精査していただきたい と思う次第です。



ついつい固い口調になってしまいましたが、
ただそれも “過去の資料は無い” つまり
検証しようがない、と言い切られている現状 ではどうしようもありません。



しかもこの後、さらにミツカワの気持ちを
急速に萎えさせる出来事が起きました。



—————————



このCDのリリース半年後、2022年7月29日に
「TM NETWORK – LIVE HISTORIA DX ~S selection」及び「~a selection」
タイトルと構成(注)を変え、ストリーミング配信が開始されたのですが、
(注)S盤とa盤でそれぞれ自社音源のみの収録に整理され、ちゃんぽん状態が解消された。



なんと配信バージョンでは表記が変わり、
月日及びツアー名は記載されなくなっていたのです!



つまりソニーが胸を張って語った
“純粋に単日のライブテイクを音源化” というコンセプトが見えなくなってしまった…。



CDと同じ演奏を比較してみると、このような感じです。

CD「LIVE HISTORIA T ~TM NETWORK Live Sound Collection 1984-2015~」

Be Together (1988年3月16日/代々木オリンピックプール/KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX)
Don't Let Me Cry (1987年6月24日/日本武道館/FANKS CRY-MAX)
Beyond The Time (1988年3月16日/代々木オリンピックプール/KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX)
                  ↓

ストリーミング配信「TM NETWORK – LIVE HISTORIA DX ~S selection」

Be Together (LIVE at 代々木オリンピックプール/1988年)
Don’t Let Me Cry (LIVE at 日本武道館/1987年)
Beyond The Time (LIVE at 代々木オリンピックプール/1988年)




なぜ、このように変わったのかは不明です。
各配信サイトでの曲名表記に 文字数制限 等があったのでしょうか?



しかし、こうなると読み取れる情報がかなり少なくなります。



1988年と言えば
「KISS JAPAN TOUR」「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」
「T-MUE-NEEDS STARCAMP TOKYO」「CAROL TOUR」とあり、
この内、代々木オリンピックプールで行われたのは
「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」のみ、というところまでは限定できるものの、
3月14、15、16日の三公演のどれかということはわからない。


さらに言えばこの表記では
「Be Together」と「BEYOND THE TIME」が別日の演奏である可能性
も捨て切れなくなります。



問題はこの先…いや、既にこのエントリーを書いている2024年6月の時点で
このCDに興味を抱く人はおおかた購入を終えており、
今後は配信の方がメインになっていくであろう ということです。


そもそも企画内容から考えても、それほどCDの出荷枚数が多いとも思えないので
10年、20年先にはCDの方がほぼ入手困難になっている可能性は高いでしょう。
それ以前に、手に入れても再生機器を持っている人がどれだけいるでしょうか。




どうせ消えていく物なら、もうこのまま放置で良いかと…




いや、先に書いたような 高邁な理想からしたら完全に矛盾した考え ですが、
何しろこの4年近く、立っているより横になっている方が多いような生活
 (今もまだ抜け出したとは言い難い) で目も耳もはっきり機能しないような生活では、
はっきり言って その気力が持続しなかった というのが正直なところです。

まあそれでもこのエントリーを書いていることで
最低限の事はしようという気持ちが残っている事は認めていただきたい次第であり…


って、何書いてんだかよく分かんなくなってきたぞ?!



この問題、原因は非常にシンプル だと思うのですが、
シンプルゆえに状況を動かすにはなかなかのエネルギーが必要だとは感じています。

なので、このCD「LIVE HISTORIA」の件に関しては 調査続行 ということでお許し願いたい。



—————————



で、このままだとこのCD企画をこき下ろしたままになってしまうので、
最後にミツカワの初期目的通り 役立った部分 も書いておこう。



まず

Beyond The Time
 (1988年3月16日/代々木オリンピックプール/KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX)

こちらのエントリー
『1988年3月16日代々木体育館の「BEYOND THE TIME」は2番頭で歌が入りそびれていた』と書いたが、その記憶は今回のCDで正解だったことが確定した。

となると「TMN COLOSSEUM」での修正素材となった、
2番頭の歌詞を間違えているライブ(注)
1988年4月4日/広島サンプラザホール公演である可能性が高くなってきた。
(注)夢という → 愛という



一方、ミツカワの間違いが分かったこともある。



Just One Victory
 (1989年8月29日/横浜アリーナ/CAMP FANKS!! '89)

こちらのエントリー最後で『メモリモーグぽい下降音が鳴っているのは何故?』と書いていたが、今回の (TMN COLOSSEUMに比べると) 味付けの薄いミックスを聴くと、
この下降音はショルダーキーボードのプレイ音だと分かる。
KX5のピッチボタンを連続的に押して、急に低音を出しただけ のようだ。

となると以前の検証では「CAROL TOUR」なのにメモリモーグが鳴るはずないよな?
という点が大きな疑問だったわけですが、これで晴れて
小室哲哉の手弾きパートに関しては「CAROL TOUR」のもの
と言い切れる状況が近づいたと言えるでしょう。




さて、意外な収穫だったのがこちら。

JEAN WAS LONELY
 (1992年4月12日/横浜アリーナ/TMN EXPO)

以前、提起した疑惑について要約すると、
  なんでクリックを聴かずに手弾きから始めて、
   後から入ってくる打ち込みの音とぴったり合わせられるんだ?
    実はこれ、最初の8小節は弾いてるふりしてるだけ じゃない?
というもの。

同じテイクが収録された映像商品「TMN EXPO ARENA FINAL」に比べ、
こちらのイントロは非常に “素の音むき出し” のミックスとなっている。

おかげで判別しやすいのだが、8小節間ずっと
ベロシティー(打鍵の強さ)は一定、ゲートタイム(各音符の長さ)も一定で、
木根氏が、というより 人間が弾いてるとは思えない音 である。

よって断定はしないが、
疑惑はますます深まった!
とは言えるだろう。(↑言ってみたかっただけ)


ちなみにミツカワが最初にこの疑惑を抱いたのは音楽的な観点ではなく、
サングラス氏の弾いている様子が
あまりにわざとらしく演技臭かったから である。






とにかくこのCD、1曲目の「Be Together」でいきなり疑問符がついてしまったので、
その後の曲はあまりしっかり聴いていないのだが、
それでもこの3点が分かったのは今回の企画があったからこそ
個人的に、とてもスッキリしました。


   ありがとう、ソニー & エイベックス!






それとちょっと面白かったのがコレ↓

THE POINT OF LOVERS' NIGHT
 (1991年2月22日/仙台イズミティ21/RHYTHM RED TMN TOUR)


イントロ途中で全員が小節数を間違えてますな。
全員が間違えたことで大事故には至らなかったというレアケース。

ただ打ち込みを極力排した RHYTHM RED TMN TOUR の中で、
よりによって打ち込みの入る希少曲 だったためシーケンスはズレてます。
 (おまけにアンコールのラスト曲)
このCDではミックスで誤魔化してますが、実際はもっと残念な出音だった可能性はあります。

なお、弾いてるVoice系フレーズが終わって1小節、妙な間が生まれた浅倉大介は
多分「あれ?」とは思ってるんだろうなと推察します。



—————————



さて今後の予定としては、
別商品の某曲イントロについて だけ をがっつりねっとりと語るつもりですが、
その前に、なんでミツカワはこんな細かいことにいちいちガタガタ言っているんだ?
という点は意外と重要だと思っているので、そこを説明させていただくつもりです。

また以前のエントリーに判明した間違い、及び新発見は赤字で随時追記しております。
今回はこちらこちらに追記致しました。
赤字をたどってお読みください。




んじゃ、また!




2016年8月14日日曜日

[ラストまであと2回] コロシアムと「FANKS the LIVE 2」を暴け!☆ 地の巻

前回からずいぶん間が空いてしまいました。
ミツカワです。



この「TM NETWORK の重箱のスミ!」は本エントリーを含め、あと2回のため、
今回も内容を詰め込みすぎました。
いつもの事とは言え、スクロールのしすぎで腱鞘炎にならないように、お気をつけください。

とにかく内容が多いため、とっとと始めますが、
このエントリーはシリーズの為、いきなり読んでもなんのことやら分からないと思います。
まだお読みでない方は、こちらから順にお読みください。

・コロシアムを暴け・下準備編 /「FANKS the LIVE 2」を暴け!☆ 前編
・コロシアムを暴け・下準備編 /「FANKS the LIVE 2」を暴け!☆ 中編
・[ラストまであと3回] コロシアムと「FANKS the LIVE 2」を暴け!☆ 天の巻





一応ですが、先に 当シリーズの前提を2つ。

・代々木3公演のうち、初日(1988年3月14日)は収録が行われていない(根拠はこちら

・CD「TMN COLOSSEUM」の制作には、メンバー3人が関わっていないため、
 新しく演奏されたパーツは無く、基本的に有り物の素材を切り張りして作っている。



また前回同様、ここでは当エントリーの主題である、1988年春に行われたアリーナツアー
「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」のことを『KDD』と表記します。

では最後の「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」編、
スタート!!












—————————————————












♫ 1988年3月15日(代々木公演二日目)の映像

各曲を個別に見る前に、長いことほったらかしにしてあった、この件にふれておこう。
DVD「FANKS the LIVE 2」における3種類の映像素材
・1988年3月15日 - 代々木公演二日目
・1988年3月16日 - 代々木公演三日目
・1988年4月4日   - 広島公演
の内、代々木公演における2種類の見分け方である。


なお前回でも念を押したが、ここでの検証は全て
CD「TMN GROOVE GEAR」に収録されたKDD関連曲4曲

「SELF CONTROL [LIVE VERSION]」
「NERVOUS [LIVE VERSION]」
「ALL-RIGHT ALL-NIGHT [LIVE VERSION]」
「DON'T LET ME CRY [LIVE VERSION]」

に付けられた “1988年3月16日収録” というクレジットがスタート地点になっている。
この公式クレジットが誤っていた場合、
このエントリーの筋立ては全て崩れ去ることをお断りしておく。




———————




その上で結論であるが、素材として収録された1988年3月15日・16日の内、
このDVDに使われている 映像は大半が16日のもの である。
(音声は完全に16日のもの)

この根拠は非常に単純で、


Aコース

3月16日とクレジットがある「TMN GROOVE GEAR」に収録された「All-Right All-Night」と、
このDVDのアウトテイクである ビデオ「FANKS the LIVE 4」に収録された
「All-Right All-Night」の音が同じ。

その ビデオ「FANKS the LIVE 4」収録の「All-Right All-Night」において、
映像と音がズレているカットは全て広島公演のもの。

つまり「All-Right All-Night」における代々木公演の映像は、ほぼ全て16日のもの。


Bコース

同じく3月16日とクレジットがある「TMN GROOVE GEAR」に収録された
「Self control」「Don't Let Me Cry」にのっている音割れノイズと同種のノイズが、
「TMN COLOSSEUM」収録の「Resistance」「Self control」にも発生している。
前エントリー参照

その「Resistance」と同じく、DVD「FANKS the LIVE 2」に収録された
「Resistance」の音声部分にも同じ場所、同じ量、ノイズが発生している。
前エントリー参照

その音声素材は、同日、つまり3月16日の収録である可能性が高い。

以下、Aコースと同じ。
その音声と映像がズレているカットは全て広島公演のもの。

よって、代々木公演の映像はほぼ全て16日のもの。


Cコース
上記2曲に限らず、このDVDの最初から最後まで、
音とズレていると気付いた映像は、全て広島公演のものであった。



こう見ると、音声・映像、共に、
むしろどこに、パッケージにクレジットされている
 “1988年3月15日” の素材が使われているのか疑問 だ。

先に強調しておくが、今回見ていく3曲には “3月16日以外の素材” も使われているが、
それらは いずれも3月15日のものではない。




———————




では、15日の映像は使われていないのだろうか?
というと、そうでもないのは以前みたとおり
あまりに微妙なカット ↓ だが…。
























2024年6月20日追記。
こちらのカットは代々木体育館ではなく、広島サンプラザホールの可能性が浮上しました。
仮にそうだとすれば代々木側に矛盾はなくなり、このDVDの代々木側は全て3月16日と言うことになります。







そこで最後に、その他の 3月15日の映像ではないか?と疑われる、
(でも多分違う)
カットを紹介しておく。




♫〜 下手側のカメラ

気になったのは代々木公演の映像に映っている、下手側(舞台向かって左)に設置された、
この大きな三脚に設置されたカメラだ。


























これは上手側に設置されたカメラのようにタイヤが付いているわけではないので、
その大きさから見ると移動させるには、それなりの手間がかかるようにみえる。

にもかかわらず、設置場所が映像によって変化しているのだ。








コンサートスタート時(まだ幕が閉まった状態)




























コンサート前半




























コンサート後半





























ただ、これだけでは何とも言えない。

というのも、この DVD「FANKS the LIVE 2」は、収録曲のバランスが、
異常なほどコンサート前半に偏っており、後半は最終「Human System」1曲のみ。
(「Children Of The New Century 〜 KOMURO keybord solo」から「Human System」までは、
  途中7曲も飛んでいる!

これ以外の後半曲としては、当時の特典ビデオ「FANKS the LIVE 4」収録の
「All-Right All-Night」が存在するのみだ。

その「All-Right All-Night」にしても
「Children Of The New Century 〜 KOMURO keybord solo」からは3曲飛んでいるので、
これだけあれば、この大きな三脚を担いで移動させる事は可能だ。



さらに実際のライブとDVDでは
「Kiss You」⇄「Resistance」
「Time Passed Me By」⇄「Telephone Line」
曲順が組み替えられている

これでは実際の流れが見えてこない。







♫〜 木根尚登のドリンク

さて、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も
映像チェックをしていながら、すっかり忘れていたのだが、以前小ネタで
"木根尚登のドリンクが1曲目にして落下する" という話を書いたことを思い出した。

『そうだ!これほど判りやすい収録日シンボルはないじゃないか?!』

というわけでまずは、1曲目でロストしたドリンクがどの時点で復帰するのか確認した。
結果、このDVDに収録されている曲の中では
「Telephone Line」の時点で復帰していることが判る。


ということは1曲目「Be Together」の2番から「Telephone Line」までの間、
つまり「Resistance」「Kiss You」の映像(注)で、
木根尚登のラックの上にドリンクが乗っていれば、
それは 落下した日とは違う公演日の映像 ということになる。



というわけでドキドキしながら再度、該当箇所をじっくり見直したのだが、
結果 "ドリンクのある映像" は全て広島公演のものであった。

もちろんこれは、木根尚登の背後のラックの上が確認できるカットのみの話なので、
これをもって、代々木ではほぼ単日の映像しか使われていないと断定するわけにはいかないが、
やはり代々木の映像は大半が3月16日であり、
使われていたとしても、3月15日のものは補助的な役割にとどまっていると言えるだろう。




 (注)ただし、DVDではこの後に収録されている「Time Passed Me By」も、
    本来の曲順では「Telephone Line」の前に演奏されていた。
    しかしこの曲の映像には、木根尚登ブースが一切映っておらず、
    残念ながら判断はできなかった。

    このDVD収録曲中、唯一この曲のみ、
    広島の映像が使われず代々木公演の映像だけで構成されている
    これは以前指摘したように、
    ツアー中盤からこの曲における小室哲哉の立ち位置が変わったため、
    映像を混ぜることが出来なかったのであろう。

    なので “代々木の別日映像” を検証するにはうってつけの曲なだけに、
    このドリンク判定が使えないのは残念だった。





ではここからいよいよ本題。 

CD「TMN COLOSSEUM」収録の "B群" 3曲
・Fool On The Planet
・Beyond The Time
・Be Together
を個別に見ていこう。










—————————————————












「Fool On The Planet」


前回は「TMN COLOSSEUM」収録のKDD音源の中で、
2曲(「Resistance」「Self Control」)に発生していた音割れノイズに注目したが、
もう1曲、これとは別種の不可解なノイズがのっている曲がある


それが「Fool On The Planet」である。


歌が終わった後、エンディング部分に注目してほしい。
4:13 と 4:24 の2箇所で、かなり大きく “ボコッ”
『異音』ともいうべき音が入っている。


当初、自分の印象としてはマイクに何かが触れたような、
あるいは大きな風圧がかかったような音に聴こえた。
通常であれば、ボーカルマイクでよく発生するような音だ。

しかしこの部分、宇都宮隆は既に歌い終わっている
もしボーカルマイクにのったノイズなら
オフにしてしまえばいいだけ なので、
この “ボコッ” という音がボーカルマイクに起因するものとは考えにくい。



では、これはどこで発生したノイズだろうか?。
ここでヘッドフォンを着け、腰を据えて聴いてみると別の理由が浮かび上がってきた。




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以前、こちらのエントリー"アリーナツアーに切り替わるタイミングで、
幾つかの曲に補助的に、打ち込みのシンセベースが導入された" と書いた。

この『試験』を経て、同年8月の東京ドーム公演から人間のベーシストが消え、
全編打ち込みのシンセベースに切り替わるわけだ。



この異音。
どうも、その シンセベース絡みではないか? と思われる。

問題の箇所を聴いてみると、このエンディング部分、
かなり低域でシンセベースが鳴っている



…のだが、なぜか 7〜8小節目だけ空白になっている。

ここで終わったのかと思ったら、9小節目にはまたシンセベースが入ってきて、
不自然というか、トラブルの臭いがプンプン する。
で、この空白部分の頭に例の “ボコッ”(2回目)という音が入っているわけだ。(譜面参照)



また、その前のエンディング 1〜2小節目では、入っているのかどうか分からない程、
薄い音だったのが “ボコッ”(1回目)という音の後
3小節目からは急に可聴帯域のボリュームが上がっているようにも聴こえる。

歌い終わってからの12小節





























この状況を鑑みるに、この “ボコッ” という音の正体は、
収録時にレコーダーがシンセベースの重低音についていけず、
クリップを起こした音 なのではないだろうか。




どちらにせよ、この部分は単に曲のエンディングというだけでなく、
2枚に渡る CD「TMN COLOSSEUM」全体のエンディングにもあたる部分である。
ここに「Fool On The Planet」を置いたのは、制作側もそれを意識したに違いない。

にもかかわらず、この異音は一度気付くとかなり目立ち、興ざめさせてしまう。

こういうところこそ、本来なら修正すべきだと思うのだが、
なぜこのノイズが素通りしてしまったのか、理解に苦しむ。




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さて、異音以外のところを見てみよう。

同じくエンディング部分についてであるが、この「TMN COLOSSEUM」版では
既に Bass 担当の日詰昭一郎は演奏を終えている。

だが代々木3公演を終えた後、次の名古屋公演からは、
彼もこのエンディング部分に音を加えることになる。
Drum のシンバルロール(これは代々木の時点で既に行われている)に合わせ、
スライドアップを挿入という、演奏というよりは “雰囲気モノのSE” といった感じの音だ。

つまり、このプレイの入っていない「TMN COLOSSEUM」収録の音源は、
代々木3公演での演奏ということになる。
またその他のパートも、多くが前回の3曲同様 3月16日 のテイクで間違いない。



例えば3月16日の演奏で、1番特徴的な(判りやすい)ところは、
全ての演奏が終わった後、1人残った小室哲哉の演奏する “アー” というボイスサンプルが
A → E→ A(オクターブ下)
という、半ば投げやりなフレーズで終わる ところだ。




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ところが、ここからが前回分析した3曲と異なる部分なのだが、
この「TMN COLOSSEUM」版「Fool On The Planet」には
"3月16日以外の音" が混ぜられている



まず、はっきり言えるのは 歌が違う。

こう言い切る根拠は単純明快。
実際の3月16日は歌詞を間違えていた からだ。


この日の宇都宮隆は、1番のAメロを

♫〜 星の降る小高い丘まで
   今すぐに君を連れて行く
   窓越しじゃ物足りないから
   今すぐに君を連れて行く ⇦ (正しくは ♫〜 できるだけ夜空の近くへ)

と、歌ってしまったのだ。

そんなわけで、この「TMN COLOSSEUM」版は、ボーカルが差し替えられているのだ。
この件は、次の「Beyond The Time」でもう一度、触れる。




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またもう一点、注目すべきところがある。

この時のライブアレンジで特徴的な、本来2番にあたる所を丸ごとカットして、
マルチテープからサンプリングした小室哲哉による多重コーラスを延々流す箇所があるが、
ここで聴けるサンプリングコーラスは、
編集、および差し替えである。



まず前提として、あまり言及されないがこの長い間奏部分。
これでも実際の演奏より、短く編集されているのである。

「TMN COLOSSEUM」版 → 28小節
         本来の演奏 → 32小節

このようにそもそも尺をいじっているわけで、素材そのままでは使えないのだ。




それを踏まえた上で、ここに入っているサンプリングコーラスを2種類に分ける。

まずは
♫〜 You might think  ♫〜 just a dream
という原曲サビのコーラス。

これは別日の演奏に差し替え、あるいはCD制作時に後付けされた可能性が非常に高い。
実際のツアーでも、この歌詞付きのコーラス自体は流れていた。
ここでは "3月16日以外のテイクに差し替えた” 可能性を指摘している

つまり、もともと流れていた ♫〜 アー や ♫〜 ウー などのコーラスの上に、
後付けで歌詞付きのコーラス部分を『盛った』のではないかということだ。


一聴して判るが、この歌詞付きのコーラスだけ、
バックの ♫〜 アー や ♫〜 ウー などのコーラスとは別物の、
ド派手なディレイがかけられている
実際のライブではこんな派手なエフェクトはかけられておらず、
これは確実に スタジオで加工したもの だ。

また実際のツアーではワンセットで流れていた
♫〜 Make a wish ♫〜 make it true というパーツが、
この「TMN COLOSSEUM」版には欠けている。




さらに背景の ♫〜 アー や ♫〜 ウー というコーラスも、
別の日のテイクと差し替えている可能性がある。
実際の3月16日は、もっとモジュレーションを深くかけたり、
メロディーっぽく弾いたりして、少々サイケデリックな感じであった。




個人的には両方とも全取っ替えされていると見ているが、これに関してはあえて断定しない。

というのも、このサンプリングコーラスはサラウンドで会場を駆け巡っていたため、
聴き手の位置によってそれぞれ聴こえ方が違い、これが正解という実態が掴みにくい。
「TMN COLOSSEUM」で聴かれる音は、
あくまで CD (2ch) 用に再構築したものである。
(これに関しては DVD「FANKS the LIVE 1」における
 「Get Wild」「Maria Club」のイントロも同様)

ただ先に書いたように尺が異なっている以上、手が加えられている事は確実だ。




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ここまでお読みいただいたように、前回取り上げた “A群” 3曲と異なり、
今回取り上げる “B群” 3曲は、それぞれ DVD「FANKS the LIVE 2」の音声トラックと、
同様の素材(3月16日分)を使用しつつも、
一部、あるいは大胆に別日のトラックと差し替えられていることが特徴だ。

では、次の曲を見ていこう。












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「Beyond The Time」

この曲は非常に興味深い。

以前「Ipanema'84(TMN COLOSSEUM での表記)」を取り上げた際
ボーカルの声質に関し “初視聴時に違和感を覚えた曲がもう1曲ある” と書いておいたが、
それがこの「Beyond The Time」である。
極端に言うとヘリウムガスを吸ったような声に聴こえ、ギョッとしたのだ。

そもそも小室哲哉の発言によれば、
この曲のAメロ・Bメロにおけるメロディーというか音域は、
"宇都宮隆の暖かみのある中音域を活かす" という意図で組み立てられていたはずだ。

ところがこの「TMN COLOSSEUM」版では、その中音域の膨らみがバッサリと欠け、
ペラペラの声になっている。

同じような声質の「Ipanema'84」に裏があったように、
この曲にも 何かしらの細工が施されている と思われる。




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まずは “なぜ、そんな細工をする必要があったのか?” という点。
その理由は非常に単純だ。

実はこの曲の素材が収録された3月16日の公演にて、
宇都宮隆は2番の歌い出しを 入り忘れてしまい、
空白になってしまったのだ。


具体的に言うと ♫〜 夢と言う船に導かれて 〜 という部分は無言で、
 ♫〜 過ちの 〜 から歌い出している。

さらにその後も動揺したのか、
♫〜 いつかまた 戻れる日がある 〜 と歌うべきところを 
♫〜 この胸を 君に差し出して
と間違えてしまい、結局 2番のAメロ全体がグダグダ になってしまった。


「TMN COLOSSEUM」制作時にこの空白部分を補うため、
別のところからボーカルを持ってきたのだ。
そして、そのテイク違いの辻褄合わせのために声質を整えた結果、
違和感のある声になってしまったと思われる。


ここまでは「Ipanema'84」と同じ。
しかし、この曲の本当に興味深いのはここからだ。




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せっかく差し替えたのに、その差し替えた、
2番の歌い出しの歌詞が間違っている


♫〜 愛という ←「TMN COLOSSEUM」版
♫〜 夢という ← 正しい歌詞


普通に考えれば、修正するのにわざわざ歌詞を間違えたテイクを持ってくる理由は無いわけで、これはつまり、
修正用として用意できた別素材が、
歌詞間違いをしたテイクしか存在しなかった、
ということを示唆しているわけだ。



というわけでこの “別素材” が、いつ、どこでの収録テイクなのかは、
 ♫〜 愛という〜 と間違って歌ってしまった日・会場が解れば、
パズルが一気に解けるはず(注)なのだが、
このエントリー執筆時点では、残念ながら解らなかった。
ご存知の方はぜひお教え下さい。

 (注)もっとも『予備の録音テープは山程あるけど、
    全部歌詞を間違えてました!てへ♡』という可能性が無いとは言い切れないが…
    言い切れないが… 言い切れないが…




ただ調べたところ、少なくとも
DVD「FANKS the LIVE 2」ジャケットにクレジットされた 3月15日(代々木公演2日目)では、
ちゃんと ♫〜 夢という〜 と歌っていたので、なぜここから流用しなかったのか?
DVDに15日の映像がほとんど確認できなかったことも合わせ、
かなり不可解 な部分である。


これはかなり穿った見方であるが、3月15日分は映像なり音声なりに問題があり、
そのために急遽、メインの3月16日分に対する予備素材として、”最終公演一つ前” という
微妙な日程の広島公演の撮影をしたのでは?という深読みも成り立つ。
(先の「Fool On The Planet」のシンセベース由来の異音を聴けば、
 前日の15日分ではもっと録音に問題が起こっていたという可能性も考えられる)



そして “代替パーツが別の1公演分しかない” ということは、
先の「Fool On The Planet」における差し替えパーツも、
この ♫〜 愛という〜 と歌ってしまった公演日と同じ日が出処という可能性が高い。




———————




木根尚登のコーラスも、一部差し替えられている。

3月16日の公演では本来2カ所、歌詞を間違えていた。
以下の通りである。

1:33  ♫〜 君だけが信じる全てだから →  [修正後] 望む
1:45  ♫〜 You can change your future 時の向こう → [修正後] destiny




———————




さて、ここまではヴォーカルに注目してきたが、それ以外の演奏パートに関しても見ていこう。
この曲の公演日毎の判りやすい違いとして、イントロとアウトロ が挙げられる。


イントロ最初の8小節は小室哲哉の手弾きによるもので、公演毎に微妙に異なる
左手を入れるタイミングが違ったり、装飾的なフレーズを付けたり、
途中からオクターブ上にしたり、コードをベタで抑えているだけの時もあった。


エンディングに関しては、バンド演奏が終わった後、
シングルCDバージョンで聴かれるような、
不穏なシンセストリングスのフレーズも小室哲哉の手弾きだ。
ここも公演日によってはかなり引っ張る日と、あっさり終わる日があった。
(「TMN COLOSSEUM」版はお聴きの通り、あっさり終わっている)


また、トリートメントされて、ほとんど目立たなくなっているが、
3:16  ♫〜 You can change your future 闇の向こう
で左側に聴こえる小室哲哉のミスタッチも3月16日独特のものだ。


以上の点から見ると、少なくとも、
小室哲哉の手弾きパート + 松本孝弘の特徴的なギターソロは3月16日のものである。




———————




では、歌以外の演奏は全て3月16日のものかというと、そうではない。
まず注目すべきは2番の終わりだ。



この「TMN COLOSSEUM」版では2番終了部分の “ウー” というボイスサンプルの直後に
“ゴーッ” というSE が入っているが、
これはアリーナツアー終盤になって加えられた音である。

この部分、代々木を含むツアー序盤から中盤までは、1小節間丸々無音であった。
しかし実際に演奏してみると、この1小節は意外と長く感じられたようで、
観客側には曲が終わったのかと戸惑う様子も見られた。
そのためSEを加えて隙間をなくしたと思われる。

つまり この部分(瞬間)は、ツアー終盤の音 が使われている。



しかしだ。
その直後、再びバンドが in してきてから最後のサビが始まるまでの8小節。(3:45 〜 4:02)
ツアー終盤になると、この部分で小室哲哉がソロを弾くようになる。

しかしこの「TMN COLOSSEUM」版では特に目立つ動きをしていない。
つまり ツアー終盤のテイクではない ことになる。


という訳で、この部分だけを見ても「TMN COLOSSEUM」版は、
複数公演の演奏をチャンポンして作ったトラックということになる。




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もう一つ、3月16日の演奏ではないものがある。
Drumトラック だ。

このアリーナツアーの中でも「Beyond The Time」は発売直後の新曲中の新曲である。(注)
それもあってか、他の演奏曲に比べてもアドリブ要素が少なく、
かなり原曲に忠実に演奏されている。

 (注)
 ・「Beyond The Time」シングル発売 1988年3月5日
 ・「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」1988年3月14日 スタート
 (このページ ↓ 順番を間違えてます。どなたか権限のある方、修正願います。
  単語記事: BEYOND THE TIME ~メビウスの宇宙を超えて~




しかしここで、
イントロ部分のDrumの入り方 (0:16) に注目していただきたい。

原曲では2拍目に入るスネアのショットが「TMN COLOSSEUM」版には無く、
3拍目からスタートしている。














  原曲での Drum in 部分。赤丸で囲ったところが「TMN COLOSSEUM」版では欠けている。




これはライブアレンジではない。

通常、この部分はツアースタート時から最終日まで変化することなく、
原曲に忠実に演奏されていた

つまり「TMN COLOSSEUM」で聴けるテイクは、
ただ単に、山田ワタルが本来の2拍目から入りそびれてしまっただけと思われる。


で、問題なのは3月15日(代々木公演2日目)も16日(代々木公演3日目)も、
この部分は原曲通り演奏されていたということだ。
なので、当初は16日の演奏から何らかの理由で、
頭のスネア2発を削除しただけかと思ったのだが…



しかし、その後の演奏にも16日と異なる部分が見つかった。
その部分が、1番の最後の小節だ。

「TMN COLOSSEUM」版には3拍目の裏に Tom が一発入っている (2:02) が、
これは ツアー中盤以降の特徴 だ。
Tom では無くスネアの時もあったようだが、
どちらにせよツアー序盤の時点では、ここに仕掛けは組み入れず、
原曲通りストレートに演奏されていた。


この2点から見ても、
この Drumトラックは代々木公演のものでは無い。




———————




以上まとめると、この「TMN COLOSSEUM」版「Beyond The Time」は、
複数のテイクをツギハギして作られている
片方(小室哲哉の演奏など)は3月16日のテイクで間違いないが、
もう一方はいつのテイクだろうか?



・3月15日は歌詞を間違えていなかった。(なのに、それは使われていない)
・“ゴーッ” というSE部分が存在している。
・Drum トラックの特徴。

という点から、この予備テイクは代々木体育館3公演のものではない。
もう少し踏み込むと、SEやDrum の項で触れたように、
ツアーもかなり終盤のものと思われる
ただし最終日ではない。

となるとやはり、DVD の映像と同じく、
『4月4日 広島サンプラザホール』のテイクが使われているのだろうか?




なお、この曲でも3:42のところで “プツップツッ” と2回、プチノイズのような音が入る。
ただこれは収録時のノイズではなく、
この “ウー” というボイスサンプル自体に付いていたノイズのようだ。












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「Be Together」

さて自分としては、この曲こそがKDD関連曲に限らず
「TMN COLOSSEUM」全体で見ても1・2を争う問題曲だ。

本題に入る前に、まずはこれを。


前回書いたように、 DVD「FANKS the LIVE 2」ではバッサリ☆カットされていた
木根尚登の声が、このコロシアム版では無事サルベージされている


また DVD「FANKS the LIVE 2」版の方が、若干テンポが遅く、その分時間が長い
ただこれは以前「イパネマ '84」で指摘したのと同じく、
制作時期の違いからくるマスターテープの状態や再生機器の違い程度のことで、
テイク違いというわけではない。




———————




さて、KDD演奏曲に関しては DVD「FANKS the LIVE 2」と
CD「TMN COLOSSEUM」で収録曲が3曲被っているが、
前回見たように他の2曲「Resistance」「Telephone Line」が、
基本、同じテイクのミックス違いでしかないのに対し、
この曲はDVD収録のテイクとははっきり異なる。

自分は1992年8月21日午後2時(その瞬間、時計を見たので憶えているのだ)
このCDを初めて聴いたのだが、冒頭流れてきたオープニングSE音から
『これはDVDと同じ音声だ…』と思いこみガッカリしていたところに、
全然聴いたことのない演奏 が始まって、かなり驚いた。



ただし、今回改めてじっくり聴いたところ、さらに驚く羽目になった。
これだけ印象が異なるのにも関わらず、
冒頭の『Welcome to the FANKS!』を含む、
歌、ギター、ベース、ドラムはDVDと同じテイクだったのだ!!
その差から DVD とは丸ごと別日の演奏だと思っていたので、今になって再び驚いた。




ちなみに、この印象的な『Welcome to the FANKS!』は、
代々木公演終了以降、派手なディレイがかけられるようになり
『Welcome to the FANKS! FANKS! FANKS!…』となる。

ここからも、この「TMN COLOSSEUM」版、
および DVD の『Welcome to the FANKS!』部分は、
代々木公演のテイク であることが判る。




ということは、この「TMN COLOSSEUM」版は、
DVDと同じ音声素材(3月16日・代々木公演3日目の演奏)から、
小室哲哉のパートだけを丸ごとカットして、
ショルダーキーボードの演奏と差し替えてあるのだ。

これについては当時、ライヴ・スタート直後から、
小室哲哉がショルダーキーボードでフロントに飛び出してきた公演日があった…

という情報を見たか聞いたかしたような憶えがあるのだが、
どの雑誌だったのか、あるいは別の媒体だったのかも含め、あまり自信がない。
もし、ご記憶の方はお教え願いたい。




———————




ところで、派手なショルダーキーボード・プレイに耳を奪われがちであるが、
もう一つ、この「TMN COLOSSEUM」版にはDVDのテイクと大きく異なる点がある。

それは曲全体にわたって、
固めのエレピっぽい音色によるコードバッキングが加わっている点だ。
この音色は地味ではあるが、かなり存在感がある。

個人的には、このバッキングの存在が
「TMN COLOSSEUM」版「Be Together」のカラーを決定付けているように感じる。
特に1番Bメロの ♫〜 2人だけがリアリティー の部分に裏打ちで入る所など、
他の「Be Together」では味わえない、おしゃれ感を演出している。





















また、そのフレーズをじっくり聴くと、
・繰り返しが少ない。(コピペではない)
・全編に渡って、バッキングパートにしては、かなりアグレッシブに動く。
という点に耳がいく。

この辺りを聴くと、小室哲哉の特徴である、
全編、手弾きで一気にデータ入力(して、一気にクオンタイズ)したトラックのようだ。




———————




このパートが加えられた理由は簡単に推測できる。

小室パートが通常と異なり、単音しか弾かなくなった結果、
Aメロなどで誰も和音を弾いていない状態が生まれているからだ。
本来、こんな時こそ木根尚登の出番 だと思うのだが、
彼はこの部分では一切ギターを弾かず、ボーカルに専念している。




だが、このバッキングパート。
元素材の出所となると、全くの謎 である。

この(擬似)LIVE CD「TMN COLOSSEUM」が制作・発売された1992年の時点で、
「Be Together」が演奏されたのは以下の通り。

・Kiss Japan Tour(ホールツアー)
・KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX
・STARCAMP TOKYO(東京ドーム公演)
・CAROL TOUR(ホールツアー)
・Camp Fanks!! '89
・RHYTHM RED TMN TOUR

ご覧のように「EXPO」関連以外では毎回演奏されているものの、
いずれのツアーバージョンにも、このようなバッキングは入っていない

特に「CAROL TOUR」(ホールツアー)での同曲は、
「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」のアレンジがそのまま流用
(ただしベーシストがいなくなったので、Bassパートは新たに打ち込み)されており、
最初はここを疑ったのだが、違うようだ。

また、アルバム「humansystem」収録のオリジナルバージョンについてであるが、
確かにこのバッキングパートとよく似た音色・フレーズが入っているのだが、
リズムが細く異なっている
よって、ここからパーツを流用して、貼り付けたというわけでもない。






となると考えられるのは、このエレピ・バッキングは、
ショルダーキーボード・プレイ時の公演専用に用意されたパートであり、
「TMN COLOSSEUM」制作時にショルダーキーボード・パートと、
ペアで移植されてきたという可能性だ。


ただ何故、わざわざ2つのテイク(3月16日 + x月x日)を、
混ぜ合わせる必要があったのかは謎 だ。


DVD「FANKS the LIVE 2」を聴くと、
小室哲哉パートに前回指摘したのと同様の音割れノイズが発生している。
(例えば2番直後のギターソロ部分・左側)
これを回避するため、小室哲哉パートを一旦、全削除したのだろうか?

ただそれなら “小室哲哉パートのみ移植” などとせず、
どうしてショルダーキーボード・バージョンのテイクを、ドラムやギターなど、
丸ごとそのまま収録しなかったのだろうか?




これこそ、ミツカワ個人の考える「TMN COLOSSEUM」最大の謎だ。

真相は闇の中であるが、どちらにせよ、
このようなレア・テイクが聴けたのは素直に嬉しかった。
(で、テンションが上がったところで、
 次曲の「Resistance」がDVDと同じテイクでガッカリしたのだが…)




———————




最後に余談であるが、DVD「FANKS the LIVE 2」での同曲の修正に触れておく。
「TMN COLOSSEUM」版では、丸ごと差し替えられた小室哲哉のキーボード・パート。

本来、3月16日での演奏は、ギターソロが終わった後、
全員でキメのリズムを演奏する部分の後半で、リズムを大きく崩してしまっていた
このテイクが活かされている DVD「FANKS the LIVE 2」では、
この部分がうまく修正されているが、よく聴くとその痕跡を聴き取ることができる。



ちなみに音の修正は効いても、映像がそのままではすぐにバレてしまう。
このDVDではご丁寧に、
その瞬間だけ小室哲哉からカメラが外れる。

これだけでも随分と音の乱れが気にならなくなるものだから、
人間の感覚なんていい加減なものである。




小室哲哉をフィーチャーしていた映像が…




























問題の箇所では、こんな映像(しかも広島公演)に…
この瞬間の小室哲哉パートをよく聴くと、乱れているのが判る。




























問題箇所が過ぎた途端、また映像は小室哲哉に…





































—————————————————












さて次回の企画で、このTM NETWORK の重箱のスミ!」いよいよファイナルとなります。
最後の企画は、以前お伝えしたように「小ネタ☆スペシャル」とさせていただきます。


ただ現在困っているのが、この小ネタ。
いざという時(?)のために、結構貯め込んであった んですよね

だもので、その中から3つ選び出すというのがなかなか難しく、
正直申しまして、1エントリーに詰め込むのには無理がある状況です。
しかし2回に分けてエントリーするのには、やはり時間がなく


というわけで非常に歯切れが悪いですが、
次回のエントリーかどうかはともかく、
『次回の企画』でファイナルなのは間違いありません。

またしばらく間が空きますが、最後まで全力投球いたしますので、
どうぞよろしくお願いいたします。

またコメントいただく方々にお返事できずにすみません。
その分、小ネタ放出という形でお返しさせていただきます。



んじゃ、また。










2016年4月21日木曜日

[ラストまであと3回] コロシアムと「FANKS the LIVE 2」を暴け!☆ 天の巻

ミツカワです。

本来ならこのエントリー、今週の土曜日にupする予定でした。
ただ、今朝起きて「重箱」を覗いたら、なんだか突然アクセス数が急上昇していて
「ん、なんだ? なにがあったんだ???」
と思ったんですが、カレンダーを見て納得。
デビュー記念日だったんですね。

とはいっても僕が TM NETWORK にハマったのは1984年の秋、
ラジオから流れてきた「金曜日のライオン」だったので、
4月21日自体には、あまり感慨はないのです。


とはいえこのアクセス数の急変には、期待とプレッシャーを感じざるをえません。
ということで 本日の予定を全てキャンセル(完全実話)して、
今日中のupを目指し、校正作業にかかることにします。


さあ、4月21日中にアップできるのか?!








—————————————








♫ グラサン、入店お断り。


今回から2回に分けて、いよいよ LIVE CD「TMN COLOSSEUM」の音源分析に入るのだが、
その前に参考資料の DVD「FANKS the LIVE 2 KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」について、
ひとつ書きとめておく。



これに気付いたときは、驚くというより半ば呆れてしまったのだが、
このDVD、木根尚登の声がほとんど消されている。


さすがにコーラスがないと成立しない「Time Passed Me By」では消されていないが、
それ以外の曲は全て、

・「Be Together」のAメロ
・「Kiss You」のBメロ
・「Resistance」のサビ
・「Human System」のサビ

などなど、口をパクパクさせているだけで音声が入っていない。















































         上・ 「Be Together」 /  下・「Human System」





ちなみに「Human System」の大サビ
♫〜 She is here and he is there in the human system にて、
ようやくその声が聴こえるが、これはライヴの生声ではなく
レコードからサンプリングされたコーラスが、打ち込みで鳴っているだけである。


人間の耳は曖昧なもので、目の前で一生懸命口をパクパクさせている映像が映ると、
なんとなく 声が聞こえてきてしまうから恐ろしい。
こういうことがあるので通常、音に関する検証は映像を切って行っている。





以前こちらで、1988年秋にテレビ番組「eZ」で流れた「Kiss You」では
映像は最後の2秒以外はこのDVDと同じだが、音声のミックスはまったく異なると書いた。

今回それを思い出して確認してみたら、案の定「eZ」版ではカットされていない
Bメロ(♫〜 地球を駆け巡る冷たいニュース 〜)などで、
上をハモっている木根尚登の声がはっきり聴こえる。

なので、もともと声が収録されていないわけでは無い。
映像商品化される際に、意図を持って削除された ということになる。




はっきり言って、TMのライヴにおける木根尚登の存在意義の第一はコーラスなので、
こうなってしまうと本格的に “この人なんのためにいるの?” 状態である。
いったい制作陣の意図はどこにあるのか?知りたいところだ。




だが、この点については DVDに限った話ではなかった。
この後、曲毎に見ていく。








—————————————








では、駆け足になってしまうが1曲ずつ見ていこう。

なお曲順は当エントリーの流れに沿ったものであり、実際のライブの曲順、
あるいは CD「TMN COLOSSEUM」での収録順とは異なることをご了承いただきたい。


また特に注釈がない場合、これ以降は

・当エントリーの主題である、1988年春に行われたアリーナツアー
 「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」のことを『KDD』
・その模様を収録したDVD
 「FANKS the LIVE 2 KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」のことを『DVD』

と表記する。




また、ここでは CD「TMN COLOSSEUM」に収録された全23曲中、
KDDでの演奏楽曲・全6曲を、2つのグループに分ける。

このグループ分けの意味は、お読みいただければ分かる。


A群
・Resistance
・Self Control
・Telephone Line

B群
・Fool On The Planet
・Beyond The Time
・Be Together

B群については次回、採り上げる。








—————————————








♫「Resistance」


前回『コロシアム攻略のための簡単で確実な “別ルート” に気付いてしまった』と書いたが、
その 別ルートの入り口 がこの曲である。




一応、まずは DVD と CD「TMN COLOSSEUM」それぞれの「Resistance」を並べて、
正攻法の聴き比べをしてみた。

これに関しては以降の曲も同様であるが、基本的に演奏フレーズだけでなく、
たとえ譜面上、同じように演奏しても
再現不能な(再現する意味もない)箇所を集中してチェックした。

例えばドラムであれば、ハイハットをオープンにしたまま叩き続けた時の音のうねり方。
ギターであればフィードバックのかかるタイミングやその長さ・音の消え方などである。

結果、MIX は異なるものの、ボーカル・ドラム・ベース・ギター・シンセなど、
演奏はすべてDVDと同じ = 3月16日のテイクである。
(3月16日と判断した理由は後で述べる)




ただし実際のライヴの演奏そのままというわけではない。
CD / DVD とも同じ箇所に手が入れられている




TM NETWORK の特徴のひとつは、派手なライブアレンジであるが、
数々の名アレンジに混ざって、
正直なところ "頭を抱えるようなもの" も存在した。




その内の1つが、この「Kiss Japan Tour」
〜「KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX」の時期に演奏された「Resistance」である。

といっても DVD や CD「TMN COLOSSEUM」では分からないだろう。
両者とも、その “問題箇所” がすっぱりカットされているからだ。




しかし当時、ライヴ会場でこの曲を生体験された方は憶えているはずだ。
サビの ♫〜 レジスターンス と言う部分に、サンプラーでいじくりまわした、
まるで地獄の底から聞こえてくるような
超低音の ♫〜 レジスターンス というボイスが重なっていたことを。

曲調と関係なく、というよりむしろ曲をぶち壊すような、
夢に魘される様な恐ろしい声 だ。
ミツカワはこれのおかげで、
ライヴの「Resistance」が、気持ち悪くて仕方がなくなってしまった。(注)



これがCDとDVDは別MIXにもかかわらず、両者ともバッサリとカットしているということは、やはりスタッフから見ても、常識的に考えれば “ナシ” だったのだろう。

おかげで今ではミツカワも、このライヴバージョンを心穏やかに聴くことができる。




(注)しかしある時、気付いたのだ。
   『これ、ライヴアレンジじゃない!CDの「Resistance」にもあの声が入っている!?』

   ただしレコードでは、入れた意味がない程ほとんど聴こえない。
   問題の声を知っていて、アルバムにも入っているはずと集中して聴いたところで
   初めて聴こえてくるレベルだ。
   あえて言うなら、1番最後のサビが割と聴きとりやすい。








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さて、ここからいよいよ 本題の “別ルート” に入る。


このライヴ版「Resistance」の重要なところは演奏ではない。
結果的にかなりのロングパスになってしまったが、
実は前企画のネガティブエントリー3回目において、今回の為の前フリをしておいた。
それがDVDにおける “Resistance の音割れ” である。

詳しくはこちらの『♫ 八千草薫よ永遠に…。』部分をお読みいただきたい。
(ギターソロ13小節目で左側にノイズが入り、20小節目の辺りでまた小さいノイズが入る)




これを踏まえたうえで、「TMN COLOSSEUM」版の「Resistance」を聴いてほしい。
トリートメントされてDVDの音声ほどは目立たないが、
しかしやはり同じタイミング(長さも含め)で同じ種類の音割れノイズが確認できる



これが何よりも雄弁にCDとDVDが、同じテイクであることを物語っている。



さらに興味深いのは、両者のノイズがのるタイミングは同じだが、パンニングが
・DVD「FANKS the LIVE 2」→ 左側
・CD「TMN COLOSSEUM」→ 右側
と、異なっていることだ。

つまりこのノイズは、2MIXのマスターテープに起因するものではなく、
MIX前のマルチトラックテープの段階(おそらくライブ収録当日の時点)で、
既に音割れしていた ことになる。



そしてDVD (左側)・ CD「TMN COLOSSEUM」(右側)
それぞれのノイズと同じ空間に位置しているものといえば…
小室哲哉の手弾きによるシンセである。


つまりこの音割れは、小室哲哉の手弾きシンセで起こっているわけだ。








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ここで一旦コロシアムを離れ、
参考資料として CD「TMN GROOVE GEAR」を聴いてみよう。

ここに収録されているKDD関連の4曲は、
すべて 1988年3月16日とクレジットされている。




→ 今更ですが、当検証は全て『このクレジットが正しい』ということが前提になっています。




またその製作期間、およびコンセプトから「TMN GROOVE GEAR」では、
「TMN COLOSSEUM」のような手の込んだ編集はされていない。

その上で各曲を注意深く聴くと気付くだろう。
DVD および「TMN COLOSSEUM」の「Resistance」と
同じ類いの音割れが聴きとれる ことを。


・「Self Control」→ 4:26(右側) 0:38もか?
・「Don't Let Me Cry」→ 0:42〜50 2:12〜22(右側)
            その他、曲中・エンディングなど断続的に起こっている。





ここからもDVDの音声部分、および CD「TMN COLOSSEUM」の音声が、
3月16日収録のテイクを元に製作されたことが分かる。

もっとも 音声収録班が毎回やらかしていた のなら話は別だが、
たとえそうだとしても「Resistance」と、この後触れる
「Self Control」「All-Right All-Night」の3曲は、それぞれ肝心の演奏自体が同じなわけで、
歌を含む演奏+このノイズが完全に一致することを考えると、
それぞれ1988年3月16日・代々木体育館3日目のテイクが元となっているのは間違いない。



だったら何故、DVDのパッケージには『3月15日』とクレジットされているのか
謎すぎるが、
ひょっとすると映像は15日が主となっているのだろうか?

これについては、次回に。








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♫「Self Control」


さて「TMN GROOVE GEAR」版の「SELF CONTROL [LIVE VERSION]」と、
CD「TMN COLOSSEUM」の「Self Control」は同テイクを素材として製作されている


ここで両者の「Self Control」を比べてみよう。
CD「TMN COLOSSEUM」ではイントロの頭4小節がカットされているが、
その後の演奏および歌唱は CD「TMN GROOVE GEAR」と全く同じである。

例えばボーカルでいうと、2番のAメロ ♫〜 君のドアを叩くよ 〜で、
ピッチが不安定になるところなど、両者が一致するのが判るだろう。





ただし「TMN GROOVE GEAR」版と「TMN COLOSSEUM」版では、
尺以外に 大きく異なる点がある。




なんと「TMN COLOSSEUM」版では(またしても)
木根尚登の声がバッサリと消されているのだ!!

本来であればこの曲、彼は冒頭からずっと宇都宮隆とユニゾンで歌い続けているのだが、
「TMN COLOSSEUM」版では宇都宮隆が一人で歌っていることになっている。

しかし「TMN GROOVE GEAR」版を聴けば、ちゃんと木根尚登の声も収録されているのだ。
つまりこれも、意図を持ってカットされたことになる。






一方、例のノイズについてだが、この曲でも
「TMN GROOVE GEAR」の「Self Control」と同じ位置に、
同じ類いの音割れノイズがのっている。
(こちらはむしろ「TMN COLOSSEUM」版の方が目立つ)

つまり「TMN GROOVE GEAR」のクレジットに倣うなら、
「TMN COLOSSEUM」の「Self Control」も、
1988年3月16日・代々木体育館3日目の演奏ということだ。


既に「TMN COLOSSEUM」に収録されていたのにもかかわらず、
なぜ「TMN GROOVE GEAR」にも同じ音源を入れたのか謎だが、
結果的に同じ素材を使っても MIX でこれだけ雰囲気が変わるということが、
よく分かる例になっている。(特にドラムの音色は全く別物に聴こえる)



なお「TMN COLOSSEUM」とは関係ないが
「TMN GROOVE GEAR」収録の「All-Right All-Night」に関しては、
以前、検証したようにビデオ「FANKS the LIVE 4」に収録のものと同一のテイクである。








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♫「Telephone Line」DVD「FANKS the LIVE 2」版


一曲くらい、サラリと終わらせよう。
この曲については特に語ることはない。
歌・楽器類、共にDVDと同テイク = 3月16日の演奏だ。


…すまん。
ミツカワは生まれてこのかた “バラード” というものに興味がないのだ。
(理由は単純 → チャカポコしていないから!)
これでも一応、必死に聴き比べたんだからね!!





というわけで、さすがにこれだけではサービスが悪いので お土産情報。

この曲の頭に入っている、アナログ・デジタル問わず電話の着信ベルは、
アリーナツアー(KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX)になってから付け加えられたもの。
ホールツアー(Kiss Japan Tour)の時はアルバムで聴けるとおり、
トゥルルルル という音だけであった。

ここからも、この演奏がアリーナツアーのテイクであることが分かる。







        はい、おしまい!







…と、次の曲に行こうとした瞬間、気付いてしまった。
DVD と「TMN COLOSSEUM」とで違うパートがある?!

打ち込みで鳴っている…といってもシーケンサーではなく、
リズムマシンで鳴らしているパーカッション。
シェイカーとタンバリンのリズムパターンが違う のだ!!




とはいえ、主たる演奏自体は先程書いたように DVD と同じ = 3月16日のものだ。
間違いない。
つまりこのパーカッションは CD「TMN COLOSSEUM」制作時に差し替えられたものだ。








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「TMN COLOSSEUM」版の話をする前に、まずDVD版を見てみよう。
こちらで聴けるリズムパターン(譜面参照)が、本来のライヴで流れていたものだ。





















だが注意して聴くと、変なことに気付く。
“2番に入ってから2小節目の3拍目の裏” という、
中途半端な所からスタート しているのだ。

これは一体どうしたことだろう?…と考えた途端、
あることを思い出して、思わず
『あああっ!!』と声を上げてしまった。






先に書いたように、この検証は映像を視ずに音声だけを繰り返し聴いている。
さらに言えばビデオ発売当時、購入した日にカセットへ音声部分を録音し、
その後はそれだけで楽しんでいたので、
実のところ映像自体は、この検証始めるまで数えるほどしか視ていない

特に自分はバラードに興味が無いので、
この曲に関しては音すらもよく聴いていなかった。





しかしそれでも1989年、この曲の映像を初めて視た時に、
怪訝に感じたこと を強く憶えている。


『この人(小室哲哉) は、曲中に持ち場を離れて一体何をしているんだろう?』
『次曲の準備にしては、早すぎるよなぁ…』


慌ててDVDを引っ張り出し、映像を確認する。
やはりそうだ。
その怪訝に感じた部分こそ、まさに問題の箇所「Telephone Line」の2番冒頭だったのだ。






画像で確認しよう。


2番が始まった途端、小室哲哉が急にキーボードから離れ、
自分の後ろに並べられた機材ラックに向かっていく。






























そこで何か操作をしているのだが、肝心の部分は木根尚登の影に隠れ見えない。






























その後、再びキーボードの前に戻りストリングスの音色で演奏を再開する。






























この時、小室哲哉が操作した機材は何か?

真横から撮っているので前後の距離感が掴みづらく、
はっきりと “どのラックの、この機材” とは断定しづらいのだが、次の画像を見て欲しい。



























小室哲哉の背後に林立する機材ラックは全部で6つ。
そのラックから3つの機材がライブ中、常に引き出され操作できるようになっている。

その内、2つがシーケンサー。
そしてもう1つ、この画像では1番手前に映っているのがリズムマシンだ。




これを踏まえた上で、もう一度例のシーンを見直してみよう。
どうだろうか?
まさに 小室哲哉が操作していたのは
リズムマシンではないだろうか?




つまり小室哲哉はこの時、
本来なら2番が始まったところで発音しだすリズムマシンがシンクしていないことに気付き、
一旦持ち場を離れ、リズムマシンをマニュアルでスタートさせたのではないだろうか?

だからDVDで聴けるような中途半端な位置から
シェイカーとタンバリンが鳴り始めるのでは?と考えられる。



見方によってはこのDVD、ライヴにおける
プチ・トラブルの発生と解消までを、
つぶさにとらえたドキュメント映像
だったのである!!








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♫「Telephone Line」CD「TMN COLOSSEUM」版


ここでようやく CD「TMN COLOSSEUM」版の「Telephone Line」に話を移す。
次の譜面が、新しく差し替えたパーカッションのリズムパターンだ。
このMIXでは左側に位置している。





















ただなんとも奇妙なことに、わざわざ差し替えたわりには、
やはり中途半端な場所(DVDと同じ箇所)からスタートしている。

これを聴く限り、新しく打ち込み直したのではなく、
元から鳴っていたリズムパターンのお尻だけを切り取ったのではないだろうか?(譜面参照)





















なんでわざわざフレーズを変えたのか謎すぎるが、穿った見方をすれば、
新しいパターンは1小節ベタで鳴ってない分、
途中からスルっと入ってきても目立たないといえば目立たない。

遅刻して授業中に、
こっそり教室に入ってくる奴みたいだが…。





ただし、この「TMN COLOSSEUM」版の頭の痛いところは、
元々鳴っていた(DVDで聴ける)シェイカーとタンバリンが完全に消えておらず、
バンド演奏がブレイクした瞬間やエンディングなどで静かになると、
結構、大きな音で聴こえてしまっている ということだ。



・新しく加わえたリズムパターン → 左側
・元々のリズムパターン → センター



MIX をやり直したはずなのに、なんでこんなことになっているのか?
どこかのマイクにカブり込んでしまい、完全に消すに消せなかったんだろうか?

そのため演奏が完全にブレイクする 4:21 〜 4:25 などは
両方の音が混ざり合って聴こえ、
気持ち悪い音像になってしまっている。

全くもって 意味が分からない修正 である。





ただしDVDで聴ける本来のライヴ音声では、
小室哲哉のオルガン音色ソロが終わった後、
同期しているリズムマシンがループ垂れ流しで発音しているため、
シーケンサーのテンポが刻々と変わっていくのに完全同期して、
同じリズムパターンが じわーっとテンポが変わっていく、
という妙なことになっているが、
(人間のパーカッショニストなら、こんな編曲・演奏はしないはず)
修正された「TMN COLOSSEUM」版では、この部分からパーカッションが消えている。

少なくともミツカワにとって差し替えた意味が唯一、理解できるのはここだけである。
しかしそれなのに、上で指摘したように
元の音声がうっすら聴こえてしまっているのだが…。





ただ、この修正方法を見る限り「TMN COLOSSEUM」の制作作業というのは、
基本的にあり物の素材を寄せ集め、切り張りしているだけであり、
メンバーが参加していない以上、新しくスタジオで加えられた演奏は無いとみえる。

つまり「TMN COLOSSEUM」の中に聴き慣れない(既発商品には含まれない)パーツ、
ギターソロやシンセブラスなどが存在すれば、
それは 別のライブ・テイクの収録音源が存在している ということになる。








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というわけで、今回見てきた『A群・3曲』は手は加えられているものの、
基本的に1988年3月16日の演奏を加工したものであった。

しかし次回、採り上げる
『B群・3曲』は、どうもこの枠に収まらないようだ。




というわけで、
この『KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX 地獄』は次回ついにファイナル!!
どうにも時間が作れず、ノロノロ運転が続きますが、次回も気長にお待ち下さい。

んじゃ、また。






2015年9月25日金曜日

コロシアムを暴け・下準備編 /「FANKS the LIVE 2」を暴け!☆ 中編

ミツカワです。
今回は語るべきことがギッシリあるので、前置きなく始めます。

前回のエントリーをお読みいただいていることを前提としているので、
まだの方はこちらからお読みください。




また参考資料として、ARENA TOUR
KISS JAPAN DANCING DYNA-MIX(以下、KDD)全13公演の日程を書いておきます。

・ツアーの開始が、東京代々木体育館3公演であること
・広島公演がツアー最終盤であること
をご確認ください。

1988年(2月26日 Kiss Japan Tour 終了)

3月14日 国立代々木競技場第一体育館
3月15日 国立代々木競技場第一体育館
3月16日 国立代々木競技場第一体育館
3月19日 名古屋市総合体育館レインボーホール
3月20日 名古屋市総合体育館レインボーホール
3月23日 新潟市体育館
3月24日 新潟市体育館
3月26日 仙台市体育館
3月29日 大阪城ホール
3月31日 大阪城ホール
4月2日 福岡国際センター
4月4日 広島サンプラザホール
4月6日 神戸ワールド記念ホール







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前回では、このライブ映像におけるテイク違いを
バンダナやアクセサリーなどを目印にA・B、2つのタイプに分けた。

今回はまず、本題に入る前に
タイプAが代々木公演のものであること
を確認しておこう。

キーとなるのは、前回の最後に少し触れたが、
舞台上手側に設置された独特の大型カメラである。


この大型カメラは、タイプAの特徴である、
サポートメンバーがバンダナを着けている映像と同一画面中に写っている。
(この手の細かい部分は本来、静止画より動画の方が分かりやすい)

























逆にタイプBの映像には写っていない。

よって、サポートメンバーや宇都宮隆のアクセサリーが確認できない映像でも、
このカメラが写っていればタイプA と判断できる。




その上でこの画像の特徴的な天井の形を見れば、
この大型カメラが設置してあるのが、代々木体育館であることは明白だ。























よって、タイプAが東京代々木公演であることが確認できる。







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さて問題はここからだ。
前回のエントリでは、このDVDに3種類の映像がなければおかしいと書いた。

1)eZで放送された映像には代々木と広島の映像が使われていることが明記されている。
2)このDVDには3月15日収録とクレジットされている。
3)しかし、よく見ると3月16日の映像も混ざっている。

つまり本来なら、このDVDから
広島+代々木2日目+代々木3日目の3種類の映像が見つからなければならない。


広島についてはタイプBであることはすでに述べた。
(広島は元々1公演しか行われていない)

ということは
タイプAの中に2日分の映像が混ざっている
ことになる。







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とりあえず 1)と3)について説明しておく。
1)に関しては画像の通りである。





























次に3)であるが、これは少々説明が長くなる。

ここでは別の検証材料を引っ張り出してくる。
このDVDの元となったビデオ「FANKS the LIVE」シリーズが発売された1989年当時、
シリーズ全3巻をまとめて予約すると抽選でプレゼントされた、
4本目の映像作品「FANKS the LIVE 4」

これはシリーズ3作品からそれぞれ1曲ずつ、アウトテイクを収録したものだ。
本エントリーの主役「FANKS the LIVE 2」からは
ライブ後半で演奏された「All-Right All-Night」が収録されている。


そしてもう一つ。
このツアー、KDDでの演奏が収録されたCD「TMN GROOVE GEAR 1」である。
このCDに「All-Right All-Night」が収録されている。


そして何より重要なのは、この「TMN GROOVE GEAR 1」、
「All-Right All-Night」を含むKDDの音源に関しては、
ライナーノーツに 3月16日収録とはっきり書かれている。

つまりこの音源とビデオの演奏の映像がぴったりと合っているカットがあれば、
それは3月16日の映像ということになるわけだ。






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まず、この音源の特徴的なところを探そう。

1番最初に気づくのは、歌詞を間違えている ことだ。
1番のサビで、本来なら ♪〜 悲しみと傷みと苦しみと憎しみ と歌うべきところを
♪〜 きっと今夜君ならば間違いと言えるさ と歌っている。

もう1点は、小室哲哉のシンセソロ部分。
このフレーズ自体も足がかりになるが、
3分59秒の部分でリズムが前のめりになってしまっている。

とりあえずこの2点を頭に置いて「FANKS the LIVE 4」を見てみる。




先にシンセソロの方を確認するが、フレーズが完全に同一なのは当然として、
モジュレーションやピッチベンドをかけるタイミング、量も一致している。
さらに該当部分の映像見るとその瞬間、小室哲哉がジャンプしている。
それでリズムがヨレてしまったのだ。



次に歌詞間違いの方を見てみよう。
映像では問題の箇所だけカットが変わる。それがこの画像だ。

























後ろから撮っているので、はっきりと判りづらいが、
♪〜 きっと今夜君ならば間違いと言えるさ と歌っているように見える。
逆に『♪〜 悲しみと傷みと~ と歌っているのだ』と思い込んで見てみたが、
やはり映像の口元とズレてしまう。



この他にも、例えばエンディングにてそれぞれがフリーに演奏するところでの
松本孝弘のギターフレーズも一致する。





この3点を合わせてみれば、この映像の音とCDの音源は同じテイクが元となっている

CDのクレジットを信用するなら、
この音とぴったり合っている3つのカット及びシーンは、
3月16日の映像ということになる だろう。






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もうひとつ。
先ほどから『代々木内に2種類の映像』と連呼しているが、
代々木は三日間連続公演であったため、
クレジットされていないだけで "3種類目の映像” があってもおかしくは無い。

一応、初日である3月14日の映像が混じっていないことを確認しておく。



まず初日とそれ以外の公演では、大きな違いとして、
初日のみ「Dragon the Festival」が演奏されていない。
しかしこのDVDの最後に収録されているダイジェスト映像見ると、
かなりの割合で(代々木・広島、両方とも)
「Dragon the Festival」の映像が収録されている。

      「Dragon the Festival」上:代々木公演 下:広島公演


















































また初日のみ、ライヴ前半の「Resistance」と後半の「Nervous」の
曲順が入れ替わっていたそうだ。
このDVDに収録されている「Resistance」は宇都宮隆の衣装を見れば、
ライブ前半の演奏であることがわかる。
よって初日の映像では無い。




さらにこれは決定的だが、初日は宇都宮隆の衣装が違った。
この衣装の映像はDVD中、どこにも収録されていない。


























以上のことから、このDVDには初日の映像は含まれておらず、
そもそも収録自体、行われていない可能性が高い。
(テレビ局の取材カメラは入っていたようだが)







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というわけで、ここまでやったうえで、
ようやく本題の "もう一つの代々木映像” を探す旅 に出る。


とりあえず何度見ても、タイプA・Bのような明確な違いは見つからない。
そこでバンダナのような "アイテムを見つける" ことは諦め、
カットの繋がりに不自然な点がないかを探すことにした。

同じ タイプA同士でカットが繋がっていない部分 があれば、
それは別テイク ということになる。


ところがこの手法、最初から大きな障壁が立ちはだかった。
このDVD。
カットの繋がりが7割から8割方、タイプA → B → A → B ~ となっているのだ。
これではタイプA同士の別テイクを探ることができない。

とにかくAの別テイク(タイプA’ とする)が 存在することを信じて、
ただ、ただ、無心に映像を見続ける。





               …で、だ。諸君。





とりあえず結論から言うとタイプA'は確かに存在した。
しかしだ。
ミツカワが自信を持ってこれがタイプA'と言えるのは、このワンカットのみ。
















こんな遠景のワンカットから、
どうやって日付を割り出すというのか…。

正直、暗たんたる気持ちになったのだが、
とりあえず今回はこれが別テイクであるということを説明しておこう。

2024年6月20日追記。
こちらのカットは代々木体育館ではなく、広島サンプラザホールの可能性が浮上しました。
仮にそうだとすれば代々木側に矛盾はなくなり、このDVDの代々木側は全て3月16日と言うことになります。


ちなみに疑わしいというレベルでは他にも数カットあるのだが、
自信を持って断言するには至らない。
これは次回までの研究課題とする。






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では説明。
このカットは、1曲目「Be Together」の最後のサビに入ったところだ。
順を追って見ていこう。

この部分のカット割りは

1)最後のサビに向け、舞台後方にいた宇都宮隆が前方に飛び出してくる
2)その正面からのアップ
3)問題の遠景画像
4)再び正面からのアップ

という流れになっている。





まずカット1)の画像には奥に大型カメラが映り込んでおり、
代々木の映像であることが分かる。画像:参照)

このカットの最後で宇都宮隆が画面からはみ出してしまい、画像:参照)
2)との繋がりを確定させることは厳しいが、
宇都宮隆のステップのリズム、歩幅等から繋がっていると判断した。
(木根尚登については決められたステップを踏んでいるのと、
 あまり特徴的な動きがないので判断材料としにくい)




















































次にカット2)
宇都宮隆の首にアクセサリはかかっていない。画像:参照)
引き続き、代々木の映像である。

このカット2)の最後で宇都宮隆は左腕を高く掲げ、客席から見て左側を指差す。
画像:参照)

ここでカット3)に切り替わる。





















































カット3)
遠景なので非常に分かりづらいが、よく目を凝らして見ると、
切り替わった時点では宇都宮隆の左腕は下におりている。画像:参照)
そしてそこから正面、ないしは客席から見て右側に手を差し出す。画像:参照)

これは画像では伝わらないと思うので、
ぜひご家庭でDVDをコマ送りしていただきたい。

さらにこのカットには、先に挙げた大型カメラも映っており、
また会場の構造からも代々木体育館であることは間違いがない。
断言はできないが、日詰昭一郎もバンダナをしているように見える。












































このカットの最後で宇都宮隆は差し出した左手を引き戻そうとしているが、
その手が戻りきる前に…








カット4)
一足早く、宇都宮隆の左腕はマイクスタンドのところにある。画像:参照)
このカットでも首にアクセサリはかかっていない。画像:参照)
つまり代々木である。




















































というわけで、全てのカットが代々木公演の映像であるにも関わらず、
カット3)だけが、その前後と繋がっていない。
つまり 代々木公演の別テイク=タイプA’ だ、
ということがお分かりいただけただろうか。







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ただ話を戻しますが、このカット3)

大河の中から砂金を拾うようにして手に入れた、貴重な貴重な別テイクではあるものの、
こんな遠景のカット1つだけあっても、
これが15日か16日かなんて判断つかないよ、パトラッシュ…。

なんだか限界にぶち当たったような気もしますが、
多分、ここからが本当の勝負なんでしょうね。

狙い通りに タイプA’ を見つけ出すことに成功したというのに、この敗北感。
こういうのを試合に勝って、勝負に負けたと言うのでしょうか…。
まあ、なんの試合だよ!って話ですが…。


というわけで次回にて、この "血を吐きながら続ける悲しいマラソン”
DVD「FANKS the LIVE 2」編、最終回となる予定です。


んじゃ、また。