2013年9月5日木曜日

ポコ太の・第3回・小ネタ☆スペシャル

さて今回は前回同様、小ネタスペシャルです。
最後には前回出したクイズの答えも載せています。

前回のエントリーをご覧になっていない方のために
もう一度、問題を載せておきますので
今回のエントリーを読む前に考えてみてくださいね。



  TM NETWORKの楽曲の中でライナーノーツに記された歌詞と
  実際に歌われている歌詞が一部違う曲があります。
  どの曲でしょう?

  ライブバージョンではありません。
  もちろん未発表曲でもありません。
  通常のアルバムに収録されていて、
  そのアルバム付属の歌詞カードと実際の歌が違うものです。

  ヒント・ TMN以前、"旧" TM NETWORK 時代の曲です。






では前回に引き続き、今回もDVDのネタから…




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(小ネタ No.03-1)
[荒れ放題の天国]


1994年5月に行われたTMN終了コンサート。


その際、東京ドーム中を凍りつかせた
「COME ON EVERYBODY」における宇都宮隆の歌い出しミス。
DVDでは編集されているが、その前の「KISS YOU」でも
すでにやらかしていることは有名。




だが実はそのさらに前「WILD HEAVEN」の時点でその兆候がうかがえる。
1番を歌い終わって、2番に入るところを
1小節早く歌い始めようとしているのだ。


この部分はCD「TMN final live LAST GROOVE 5.19」でも修復されず、
そのままになっているので確認してみてほしい。(CDでは 2:13 辺り)


2番の冒頭『疲れた目に見えるのは~』と歌おうとして
『つ』で気付いて慌てて止めているのが分かる。

DVDの絵面としてはこの辺






























直後のmcで本人が言っているように、
いちばん緊張していたのは彼だったのかもしれない。


がんばれ、負けるな、戦え、宇都宮隆!
地球はまだ君を必要としている。(←実は結構本気で書いてる







ところでビデオ発売当時から凄く気になっていたんですけど
「KISS YOU」のこの映像(カウントリーダー?)って編集ミスじゃないんでしょうかね??


1番のサビ直前






























    中途半端にかっこいいのがタチが悪い(笑)









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(小ネタ No.03-2)
[踊るよ 踊るよ 僕達は踊るだけ(以下、自粛)]



このネタの根拠はポコ太の記憶だけです。
他に当時の記憶のある方は、是非お知らせ下さい。




1986年、アルバム「GORILLA」発売以降、
"旧" TM NETWORK 時代のライブを彩る柱の1つとなった「Passenger」
アルバム「humansystem」の時期に引退したと思いきや、88年の東京ドームで復活!
89年「CAROL TOUR FINAL」でも演奏されている。







 Keyが高すぎてヴォーカリストが歌えないのに、だ!







当時の「ライブ版・Passenger」では
小室哲哉によるラップが1つの見せ場となっていた。




この "小室ラップ" は1986年「FANKS DYNA☆MIX TOUR」における
「Passenger」初演時より存在し、その後、次第に存在感が増していく。

1987年の「FANKS! BANG THE GONG TOUR」では
他のメンバーも巻き込み、ラップだけで1分20秒近くに。
さらに6月の武道館公演では、ついにイントロ部分を乗っ取ってしまうまでになった。

この時期、小室哲哉によるラップがついていないのは
1988年8月の東京ドーム公演「STARCAMP TOKYO」くらいだ。







ところがスペシャルな企画だったはずの86年8月の野外ライブ
「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」で "小室ラップ" が行われていない。








        何故だろうか?







実はこの時、通常ラップが行われる間奏部分には、
それ以上の見せ場が用意されていたのだ。





それは小室哲哉も参加した
TM NETWORK 3人によるダンスである!





と、ここまで読んですでに "ピン" ときた方がいるかもしれない。
そう、DVD「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」の冒頭に収録されている
印象的なダイジェスト映像。


あれこそ「Passenger」の間奏部分なのだ。























この時以外、メンバー3人が並んで踊るというのはなかなか無い演出なので、
まさにスペシャルな「Passenger」だった。








しかし最近、事あるごとに書いてるような気がするけど
『完全収録版DVD』て出せないんですかね…。
出荷数が期待できないなら、多少値段を釣り上げてもいいんですけどねぇ…。





              ハァ…(タメイキ)







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(小ネタ No.03-3)
[冬の神話]



というわけで冒頭のクイズの答えはアルバム「Self Control」収録の
「Here,There & Everywhere」でした。







…と答えを書いても、まだなんのことだか分からないと思うので
解説しよう!






問題の箇所は2番のこの部分。
                     ↓
歌詞カード『涙にくれた出来事さ、人はいつしか忘れるように~』

















現在、ポコ太の手元にあるアルバム「Self Control」は、
当時発売された初版のCDと、20周年記念BOXの2種類。
両方とも上記のように表記されている。
アナログレコードはすでに手元に無いが、同じ表記だったはずだ。



これが実際の曲中ではどう歌われているか?
この部分、とても聞き取りづらいがイヤホンでもして、よ~く確認してほしい。
こう歌っているのが分かるはずだ。
                      ↓
『涙にくれた出来事さえ、人はいつしか忘れるように~』







この件、アルバム発売当初から気づいていたポコ太は
どちらが『正解』なのか
その答えを求めてツアーに出向いた。


いよいよ問題の曲。
マギー審司もびっくりするほど耳をダンボにして聴いていたのだが、
そこまで注意して聴く必要はなかった。


「FANKS! BANG THE GONG TOUR」での「Here,There & Everywhere」は
3人だけのアコースティック・コーナーで演奏されたため、
歌詞を聴き取りやすかったのだ。
































                 その結果は…







メインボーカルの宇都宮隆どころか、コーラスをとっていた木根尚登すらも
はっきりと『出来事さえ』と歌っていた。


よって、この時点でメンバーの中では
『出来事さえ』というのが正解だったようだ。






この時点と断ったのは、
現在のライブでは変わっているからである。


例えば今年、2013年7月に行われた「–START investigation–」では
はっきりと『出来事』と歌っていた。
特に初日は『さ』の瞬間にマイクから顔を右に振り払うようにして、
『さっ』とスタッカート気味に歌っているのが確認出来た。


このほかにもTM NETWORKとして「Here,There & Everywhere」を
演奏したライブは、2007年に行われた「-REMASTER-」横浜公演がある。
ポコ太は横浜公演に行かなかったので分からないのだが、
まず間違いなく『出来事さ』と歌っていただろう。







これはライブのリハーサル段階で、スタッフが資料として演奏曲の歌詞を集めた際、
歌詞カードをそのままコピーしたからだと思われる。
歌詞カードに瑕疵がある(すまん、ダジャレだ)と気付かない限りは
今後もこのまま進むだろう。





なんだか TM NETWORK の話というより、
『歴史問題はこうして作られる』という見本のような話だ。





ポコ太としては『出来事さ』と『出来事さえ』、どちらも素敵だと思う。
ただ、日本語のつながりとしては『出来事さえ』の方が素直と言えるだろう。








さて、当『重箱Blog』の結論としては『歌詞カードの誤植』なのだが、
それだけではつまらない(?)ので
もうひとつ、別の可能性も考えてみよう。






ひょっとすると本曲の作詞者、小室哲哉がギリギリまで
『出来事さ』と『出来事さえ』のどちらにするか迷っていたからかもしれない。


最初は『出来事さ』に気持ちが傾いていて
土壇場で『出来事さえ』に変更したものの、
既にライナーノーツの原稿は『出来事さ』の段階で印刷にまわってしまっていた為、
すれ違いが生まれたのではないか?




実際この曲の歌詞は、かなりの難産だったようで、
アルバムの中でも最後の方に歌入れがされたようだ。

生楽器のサックスさえ録音済みで、いわゆる完パケ状態のオケに
全然違う歌詞がのっているデモテープも存在する。





小室哲哉は1986年12月時点のインタビューで、自分が歌詞を担当した2曲について
『「Maria Club」楽勝☆でした。 でも…… もう1曲がまだ出来てないんすよ(涙目)』
と述べている。(少々デフォルメしております。てへっ)

ちなみに、アルバム「Self Control」の発売日は1987年2月26日。
かなりオシているのがわかるだろう。

しかもこの段階でまだ、
「また、地図帳を引っぱり出すパターンか
 日常的な内容のものにするか(それさえ)決めてないんです。」
などと言っていって、ほとんど夏休み最終日のカツオ状態である。





このレコーディング最終盤でのもたつきが、
ライナーノーツとの齟齬を生んだという可能性も考えられるのではないか?






…とは言うものの
まぁ、やっぱりこれは






               単なる誤植




でしょうねぇ…。







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というわけでいかがだったでしょう。
正解だった方はいらっしゃったでしょうか?

ポコ太が気づいていないだけで、他の曲にもこういったケースがあるのかもしれません。
お気づきの方は教えてくださいね。





んじゃ、また。








14 件のコメント:

  1. いつも楽しみにしています!完全収録DVDほしいですね!


    ELECTRIC PROPHETの「We surrender~」なのか「We are ~」なのか、も突っ込んでください!w

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    1. you さん
      どうもありがとうございます。

      クイズの問いで「ライブバージョンではありません」と注釈をつけたのは
      ズバリ、「ELECTRIC PROPHET」を指してのことです。

      ただ、それに限らず、
      例えば「クロコダイル・ラップ」のラップ部分など
      歌う度に微妙に変わってるような気がします。

      なので、何が正解かは考えないことにしました(笑)

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    2. たびたびすみません、ふと気になって確認してみました。
      04年のウツソロOVERTONEツアーで演奏した音源でははっきり「出来事さえ」となっています。

      ちなみに09年のトリビュート WE LOVE TM NETWORKでは「出来事さ」と聞こえます。。
      まあ歌詞カードそのまま見て歌入れしたんでしょうね。。


      7月のさいたまではそこまで気づきませんでしたが、ご推測のようにスタッフがそのまま歌詞カードを用意して、ウツはもともとの歌詞忘れちゃったんでしょうね。。

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    3. you さん
      わざわざ調べていただいてありがとうございます。
      そうなると、むしろ「出来事さえ」が
      何に記録されていたかが気になりますね。

      ネット上の歌詞ページも二派に分かれてしまっています。
      --------------------------------

      「出来事さ」派
      Here,There&Everywhere(冬の神話)  - 歌詞タイム
      http://www.kasi-time.com/item-22259.html

      「出来事さえ」派
      Here,There & Everywhere (冬の神話) - 歌詞検索サービス 歌詞GET
      http://www.kget.jp/lyric/56574/Here,There+%26+Everywhere+(冬の神話)_TM+NETWORK

      --------------------------------

      こういうのって既存の歌詞カードから
      機械的に掲載してるだけだと思っていたのでちょっと意外でした。

      TM以外だと2007年の『SPIN OFF』はどうだったんでしょうね?

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    4. Blu-spec CD2での再発盤Self Controlの歌詞カードでは「出来事さえ」に直ってました。
      公式に誤植だったと認めてくれたようです。

      今更ですが、この間気づいてすっきりしたので。

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    5. ademさん
      どうもありがとうございます。
      なんと、発売から26年経って修正されてましたか!?

      しかしそうなると「START investigation」でのウツはなんだったんだ?
      ちなみにDVDに収録されていない方の日も「出来事さ」と歌っていました。

      DVD「FANKS the LIVE 2」の収録曲リストもそうなのですが
      公式の記録が複数あって、錯綜している様にも思えます。
      つまり今後も気を付けていないと、
      特にライブでは、また「出来事さ」に戻るかもしれません。


      ご報告、ありがとうございました。
      今後ともよろしくお願いいたします。

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  2. あ〜、思いっきりエレプロだと思ってました。
    注釈はそういう意味だったんすね。
    終了前のLIVEではヒアゼアを聴いたこと無いんですよねえ。
    かなり好きな曲なのに。

    ちなみに僕が持ってるRAINBOW RAINBOWのCDは金曜日のライオンの「曜」の字が「躍」と表記されてます。

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    1. ウメ さん

      でも結局、終了前はバンド演奏しなかったんですよ。
      自分としては松本孝弘がいるうちに、是非演奏して欲しかったです。

      彼がサックスパートをどのようにギターに置換えるのか
      (ライブ版・Human Systemのように)聴いてみたかったです。


      >>「曜」の字が「躍」
      僕のもです(笑)

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  3. さすが重箱級の突っ込み(笑)
    ラスグルの「つ」なんて、全然気がつきませんでしたよ~

    セルコン(アルバム)は押して作られたとは思えないほど、
    完成度が高いと個人的には思っています。

    小室さんも後のインタビューで「あの当時の邦楽シーンで
    どのバンドよりもオリジナリティが出せた」と語っていました。

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    1. koh さん

      >> セルコン(アルバム)は押して作られたとは思えないほど、完成度が高い

      これには全くの同意です。
      粒ぞろいという意味では、他のアルバムと比べても
      頭一つ抜きん出ていると思います。

      個人的な好みとしても
      「Bang The Gong 〜 Maria Club」で始まって
      「Here, There & Everywhere」で終わるなんて
      神がかっています。


      ただ…、ただ…

      ある一点のせいで
      僕はあまり聴かない(聴けない)んですよ。


      … どうしよう、今度これをネタに書いてみようかしらん。

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  4. この曲でしたか~
    Self Controlは本当にいいアルバムだし、
    その中でもHere,there&everywhereは一番か二番目に好きな曲です!

    歌詞カードはあまり見ていませんでしたが、今まで
    「涙にくれた出来事さ(え)」の(え)は聴こえていませんでしたし、
    さらに「忘れるよ(うに)」の(うに)も聴こえてませんでした。
    レコードで聴いてもライブで聴いても気付きませんでした・・
    「涙にくれた出来事さえ」なら
    「人はいつしか忘れるように」と続かないと変ですものね。
    あーすっきりした。有難うございました<(_ _)>
     
    ライブでの宇都宮さんの歌い間違いは珍しいことではありませんが、
    歌詞間違いで特に印象に残っているのは
    1985年5月頃のFM LiveSpecial(DJ:平山雄一)のスタジオライブでの
    「金曜日のライオン」のサビで「忘れないよ いつの時も」を
    「忘れるよ いつの時も」と歌っちゃってたことです(-_-;)
     
    エレプロは文法間違いに後で気付いて
    「we (are) surrender」のareは、取ったんでしたっけ・・

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    1. NutRocker さん
      実は僕も全然、歌詞カードって見ないんですよ。
      なのに、なんでコレに気付いたのか、自分でも凄く謎です。


      ウツの『お家芸』で自分が印象に残っているのは
      1986年、TVのスタジオライブで「Dragon the Festival」を
      4小節前から歌い始めてしまい、ヒッコミがつかず
      本来の位置まで、ずっとデタラメ歌詞を歌いつづけた場面ですね。

      「スゲー、これがプロかー」
         と言うのと
      「プロが間違えんなヨー」
      の2つが同時に頭の上を、グルグルと巡っていたのを憶えています(笑)

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  5. 初めまして、いつも楽しく拝見しております!
    スタジオライブのDragon the Festiva
    そんな事があったんですね。見てみたい(笑)。

    そう言えばライブ映像のカウントリーダー?
    みたいな演出は当時の流行りみたいですね。
    あの当時、ミュージック系のビデオを見る事が多かったのですが、
    色んなアーティストさんの映像で見た記憶があります。
    もしかしたら、TMさんが先駆けの可能性もありますね。

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    1. たぬき さん、はじめまして。
      コメント有り難うございます。

      確かに演出としてのカウントリーダー、よく見ましたよね。
      ただこのDVD二日間分で、出てくるのはこの一瞬だけって言うのは
      やっぱり単なるミスのような気がします…。
      まぁ、かっこいいから良いんですけどね。

      近々、新しいエントリーをUPする予定です。
      よろしければご覧になってください。


      しかし、たぬきさんが書いて
      ポコ太さんが返信するって
      ココは一体、何のBlogなんだ(笑)

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