2014年5月31日土曜日

日本EXPO化計画 〜 俺に [EXPO ver.] を弾かせろ

とある泉のほとりにて

 神 『ミツカワよ。お前が落としたのはこの「17 to 19」か?
    それともこの「グリニッジの光を離れて」か?』

ミツカワ『いえ神様、私が落としたのは1991年秋にリリースされた、
     アルバム「EXPO」収録の「Tomorrow Made New [EXPO ver.] 」
     (以下 [EXPO ver.])でございます』

 神 『ミツカワよ。お前は正直者じゃ。
    褒美として1990年冬の『RHYTHM RED TMN Tour』にて先行披露された
    この「Tomorrow Made New  [RHYTHM RED Tour .ver]  」
    (以下 [RHYTHM RED ver.])を授け…  』


   テメェ、何しやがるっ!
    余計な事してんじゃねぇーっ!






              閑話休題






ここのところすっかり『☆Tomorrow Made New 芸人☆』と化しているミツカワ
世間ではまだまだ30周年の話題でかまびすしいですが、
当・重箱ブログとしては この話題が本筋ですっ!(血走った目)



というわけで、今回はついに訪れた決着の時。
「Tomorrow Made New」の [RHYTHM RED ver.] と [EXPO ver.] を比較しつつ、
改めてこの曲の魅力に迫っていきましょう。

        ↑
     (建前)

     (本音)
        ↓

って、そんなワケねーだろー。
コレ読んだ奴、
全員まとめて [EXPO ver.] にしてやるっ!!
(興奮のため、自分でももはや何を言っているのかよくわからない)




なお、まだ前編を読まれていない方は、こちらを先にどうぞ。






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そもそもの事の起こりは、こうである。

永年の夢であった「Kiss You」の弾き語りを無事終えた、
というか強引に終わらせたミツカワは、次なるターゲットを
「Tomorrow Made New [EXPO ver.] 」の弾き語りに定めた。



…え~と、ここは突っ込み所ではない。
本人が好きなものを選んでるだけである。
あなたにもし優しさがあるなら、そっとしてやっておいて欲しい




早速、鍵盤に向かって耳コピを始めたのだが
どうあがいても腕は2本しかないため、その場面、場面から
一番目立つ音をピックアップして繋ぎ合わせていくことになる。


しかしそうすると、あっという間に
 [RHYTHM RED Tour .ver] の出来上がり!
になってしまうのでございますよよよ・・・(号泣)



敗北である。屈辱である。
いかん!断じていかん!!
俺がやりたい事はこんなことじゃない。




そこで、どうやったら2本の腕だけで [EXPO ver.] を再現できるのか、
いったん鍵盤の前から離れ、
自分の思う [EXPO ver.] のイメージや特徴を書き出してみることにした。






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まずはイメージから。

それぞれのバージョンについて、
思い浮かぶキーワードを羅列すると、こんな感じだろうか。


[RHYTHM RED ver.] → 泥臭い・ヘビー・モノトーン
[EXPO ver.]     → スペーシー・軽やか・カラフル


もちろんこれはミツカワ個人の印象ではあるが、
例えばポジティブな評価である『軽やか』を
『軽くなってしまった』とネガティブに読み替えれば、
感じたポイント自体は、[RHYTHM RED ver.]  派の皆さんと同じではないかと思う。




次にこのイメージを生み出している、
具体的な特徴を箇条書きにしてみた。

[EXPO ver.] は [RHYTHM RED ver.] と比較して、以下の特徴がある。


・テンポが速い
・全編に渡る16分音符の裏ウチ
・16分3連の装飾的フレーズ
・Bass のアクセント位置
・Aメロ、及びサビのチェンバロ風音色のリフ
・オルガンソロ
・後半に現れるストリングス


ここでは以上、7点を [EXPO ver.] を特徴づけているポイントに設定した。






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では、 1つずつ見ていこう。




・テンポが速い

これは、このとおりである。
ただ、テンポ(とキー)の変更は、想像以上に
曲のイメージに影響を及ぼすという事は伝えておきたい。
それゆえに、一番最初に書いた。





・全編に渡る16分音符の裏ウチ

冒頭からシェイカーの音色で、
『スチャ・スチャ・スチャ・スチャ』と全編に渡り、延々と打ち込まれている。

これが先に述べたテンポの速さと相まって、かなりせわしない印象を与えている。





・16分3連の装飾的フレーズ

シェイカーと同じく冒頭からエンディングまで、
延々とチェンバロ風の音色によるパッキングが録音されている。

このチェンバロ風の音色はかなりボリュームが絞られており、
先のシェイカーと一体化して聴こえるが
シェイカーが延々16分音符の裏打ちを辛抱強く続けるのに対し、
このチェンバロ風の音色は所々、
抜け駆けするように3連符になる。

この3連フレーズになった瞬間、
主メロやギターリフの隙間から、かすかに聴こえてくるのが
ゾクッとして、ミツカワとしてはかなりツボなのである。



このフレーズのネタ元はおそらく [RHYTHM RED .ver] のBメロで聴かれる
『ダダダダダダ・ダーダッ』という16分音符連打のパッキングだろう。




























さらにこの3連フレーズや、ベーシックなバッキングを弾いているオルガンには、
かなり大げさにディレイがかけられていて、
これがその瞬間、瞬間に空間全体に弾け飛び、
後に述べるサビのリフと並んで、
この曲をカラフルに彩っている。


TMの曲でベーシックなパートに、ここまで派手なディレイがかけられているのは珍しく、
アルバム「EXPO」期、特有のものといえるのではないか。
同時期に制作された、雑誌 K's MAGAZINE Vol.3 付録CD版の「大地の物語」でも
似たようなサウンドデザインがなされていて興味深い。






・Bass のアクセント位置

両バージョンのイメージの違いにいちばん影響与えているのが、これかもしれない。
両バージョンの Bass は似ているように見えて、根本的な部分が全く違う。



 [RHYTHM RED .ver] では、全てのアクセントが拍の頭 Just にきている。









曲に合わせ「1・2・3・4・1・2・3・4・~」と手を叩きながら聴くと、
すべての拍で Bass のアクセントと一致するのが分るだろう。

また、ひとつひとつの音の長さにも注目しよう。
3拍目の裏以外は伸ばした音で
隙間なく埋まっている。

これが、一歩一歩足を踏みしめて歩いていくような、
ヘビー、かつアーシー(earthy)な雰囲気を生み出している。




しかしそれが [EXPO ver.] ではこうなる。









3拍目のアクセントがシンコペーション(注)しており、
また、4拍目裏の部分は次の小節頭にむけての導入的フレーズである。

先のように曲に合わせ「1・2・3・4・1・2・3・4・」と手を叩いても
各小節1拍目でしか一致しない。
  (注)シンコペーション=アクセントとなる位置を前後にずらして、
     単調ではないリズムを産み出すこと。



また、それぞれの音の長さも16分音符主体となっており
結果的に、空白(間)の多い譜割 となっている。

これらの要素がテンポの速さと相まって、
地に足がつかない、地面からフワリと足が浮いたような
それでいて、グイグイと前に引っ張られるようなノリを産み出している。




ちなみに、Aメロ部分のベースが単純に繰り返しでなく、
1カ所だけ伸ばした音が混じるところを見ると、
この Bass パートは手弾きで入力したものと思われる。




また、本来 Bass とコンビネーションを組むバスドラムに注目すると、
かなり自由に(Bass とピッタリ合わせず)演奏されていることが分る。
(もっとも阿部薫が演奏した時点では、まだこのBassが入っていなかった可能性もあるが)
しかしそれがオルガンソロの部分のみ、カチッと合わせているのが興味深い。






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ここまでが曲の骨組み部分。いわゆるリズム隊である。

これらの要素はすべて、曲の冒頭から聴くことができる。
おまけに前回指摘したように心地良いバウンスビートである。
こちらのエントリーで書いた『わずか2小節でこの曲のとりこになった』という表現が
決して大袈裟な言い回しではなかったことが分っていただけただろう。



特にミツカワにとって音楽は Bass が占める割合が非常に高いので
冒頭の数小節、まだリズムだけの状態で、
すでに80点近くになっている のだ。





しかしここからさらにミツカワのツボをつきまくる要素が加わってくる。
"キラキラ" である。
ここからは曲に彩りを与える装飾部分、いわゆるウワモノを見ていこう。






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・Aメロ、及びサビのチェンバロ風音色のリフ

全体に渡ってメロディーらしいメロディーの無いこの曲において、
この印象的なリフが、事実上 [EXPO ver.] の顔とも言えるだろう。












しかしこのリフ、聴く人が聴けばすぐに気づくように、
The Beatles「Lucy In The Sky With Diamonds」の引用となっている。
(比較しやすいように、KeyはGに統一してあります)












譜面を見ればわかるように使われている音程は全く同じである。
というより、4分の3拍子(Lucy In The ~)に、G音を1つずつ足して、
4分の4拍子(Tomorrow ~)として
弾き直しただけである。(譜面参照)


























だが「Tomorrow Made New」との共通項はそこだけでは無い。
奇妙で取り留めも無い歌詞やタイトルにも注目しよう。



The Beatles「Lucy In The Sky With Diamonds」は
タイトルの頭文字を繋げると『L・S・D』となる事から、
この奇妙な歌詞とサイケデリックな曲調は、
ドラッグによるトリップ体験を表現したものだと騒がれ、
イギリス本国では一時期、放送禁止に追い込まれた。


もちろん「Tomorrow Made New」には、そんな物騒な意味は無い。
ただ「Lucy In The ~」の騒動は、小室哲哉だけでなく、
この年代のミュージシャンなら誰もが知っている話である。

リニューアル直後で『TMN』という名前を売りたい小室哲哉が
この曲の歌詞を発注した際、
 "T/M/N にひっかけた言葉遊び” というアイデアに、
『「Lucy In The Sky With Diamonds」
  のような~』
という形容詞を付けていても、おかしくはない。



この制作初期のイメージというのは、
完成したものが結果的には全く違うものになったとしても、
意外と製作者の頭に残り続けるものである。
(そしてそれは "結果しか知らない” リスナーとの間に、
 イメージのずれを産むこともある)
以前、こちらのエントリーでも似たような考察をした。




この時点では、単に例として引用しただけの「Lucy In The ~」が、
ツアー終了後、いざ [EXPO ver.] を作成する段になり、
頭によみがえってきた のではないか。

その結果が、この「Lucy In The Sky With Diamonds」そっくりな
リフの誕生へと繋がったのではと考える。


前回、この曲のタイトルと [EXPO ver.] の成立には関連があるのではないか?
と書いたのはこういうわけだ。




さてこのリフ、バウンスビートと合わさって、
シンプルでありながらとても心地良いリフである。
まさに『聴いて良し!弾いても良し!』だ。
ぜひみなさんも、このリフにチャレンジして欲しい。




・後半に現れるストリングス

1番のサビが終わると、前編にも書いたように
TM曲、唯一のオルガンソロが展開される。
ここはいつもの手癖満載なのだが、やはりかっこいい。
この時点で次から次へと、矢継ぎ早にご褒美が押し寄せてきて、ミツカワは Heaven 状態。



が、しかし、
ご褒美は、これで終りではなかったのだ!



オルガンソロが終わった直後のサビで、
初めてストリングスマシンによるフレーズがかぶさってくる。
このストリングスの音色といい、フレーズといい、
またまたミツカワ好みのフレーズであり
もうこの瞬間、ミツカワは解脱状態である。




ミツカワにとって「Tomorrow Made New [EXPO ver.] 」は、
まさに 音の満漢全席 なのだ。





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さて、ここまでは各パート別に見てきたが、
もちろん一番最初に聴いたときから、
こんな各パートごとに聴いていたわけではない。

各パートについてはその後、冷静になってから一つ一つ切り別けて分析したのであり、
初めは耳へ塊でドーンと飛び込んで来た瞬間、
わけもわからず恋に落ちた のである。


ここではその初期衝動、
そもそも何で [EXPO ver.] に、
こんなに思い入れがあるのか?を書く。
極私的ではあるが、ミツカワとってのTM NETWORKとは?という
根幹にかかわる話なので
最後にコレを説明して、このエントリーを終りにしたい。




この関連エントリーの初めから
ミツカワは [RHYTHM RED ver.] に興味がないと書いてきたが、
実は1カ所いじるだけで大好きな曲になる



その方法とは、クレジットを『TMN』ではなく
『葛城哲哉 supported by TMN』にする。


これだけである。
こうするだけで、同じ曲でもミツカワにとっては
かなりツボにはまる曲となる。



以前こちらのエントリーにも書いたが、自分にとってTMとは
『ファンタジックと骨太という一見相反するものが融合した稀有な存在』
というものなので、骨太ではあるがファンタジックの要素をまるで感じない
 [RHYTHM RED ver.] には興味が持てないのだ。
(歌詞にかすかなSF臭がするくらいか)



しかし最初にあげた [RHYTHM RED ver.] のイメージである
 → 泥臭い・ヘビー・モノトーン は、
このツアー当時の葛城哲哉のパーソナルな魅力と見事に合致するので、
そこはかとなく漂う Led Zeppelin 臭も含め、
彼の曲だと思えば、かなり楽しめる。



しかしこれが、
「TMにしか作れない曲か?」
となると少々首をかしげてしまうのだ。
(これは本質的な話なので、その表記が TM NETWORK か TMN かは関係ない)





前回のエントリー以降。多くの方々からこの曲に対する考えを聞かせていただいたが、
その中の [EXPO ver.] に批判的な意見として
『とってつけた感じがする』というのがあった。

実はコレ、ミツカワも同意である。
その "とってつけた要素" が、たまたま自分のツボにはまる内容だっただけだ。

今回見てきたサウンドだけではなく、
例えば歌詞中の「♪月とピアノの悲鳴~」などは
アルバムのトータルコンセプトに無理やり合わせるための
とってつけた感が半端ない。



しかし、なぜ歌詞も含め新たな装飾を
『とってつけなければいけなかったのか』と考えてみると、
やはり小室哲哉自身が [RHYTHM RED ver.] に対して、
TMの作品としての必然性、説得力が弱い、と判断したからではないか?

 [RHYTHM RED ver.] は、TMN へのリニューアル、
そして新サポートメンバー葛城哲哉を迎えての高揚感の中で作られたものに感じる。
それだけに、この曲をいざ TMのアルバムに収録する、となったとき、
何らかの(ファンサービス以上の)
必然性を与える必要に迫られた。

ましてやコンセプト優先のTMとしては、この時も
『月とピアノ』と言うコンセプトを掲げており、
その面でも何らかのすり合わせを行わなくてはならない。




つまり [RHYTHM RED ver.] における、
葛城哲哉の圧倒的な存在感に対抗するための
『何か』を仕立て上げなくてはならない
と判断した。

その結果が人によってはミスマッチ、あるいは装飾過多にも感じる
とってつけた感の正体ではないだろうか。




しかし、ここまで装飾を施しても、
葛城哲哉のギターの持つプリミティブな臭いは全く消せていない。
Produce という意味では、小室哲哉の敗北に見える。

この曲がこれ以降、現在に至るまで顧みられることがないのは必然であろう。
(現在、涙を流しながら執筆中)




だが、しかし、もしかしたら、ひょっとすると、
この30周年ではサウンドではなく歌詞の部分(starchild~など)で
捲土重来を期すのではないかという、期待とも妄想ともつかない、
重い(誤変換だがあえてこのまま)を抱いております。





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さてミツカワにとって、初期衝動という意味では、これと同じ境遇の曲がある。
シングル「All-Right All-Night」である。


アルバム「GORILLA」でファンキーで骨太なダンスミュージックへと舵を切った
TM NETWORK ではあったが、
それ以前のファンタジックなスタイルはすっかり影を潜めてしまった。

「Nervous」や「Passenger」を大好きにはなったが、
そこにはもはや、以前のファンタジックな TM NETWORK の面影はなく
アルバム「RAINBOW RAINBOW」で産湯につかり、
アルバム「CHILDHOOD'S END」でドはまりしたミツカワとしては、寂しい想いがあった。





そこへ現れたのが、シングル「All-Right All-Night」だった。



























この曲では「GORILLA」直系の
・派手なブラスセクション。
・ぐいぐいと曲を引っ張る、骨太な生の Bass。

は、そのままに

・イントロから聴けるピコピコシーケンス
・間奏の哀愁を帯びたリフ(前シングル「GIRL」と全く同じフレーズなのが気になったが…)
など、デビューアルバム「RAINBOW RAINBOW」で聴くことのできた、
ファンタジックでキラキラとしたサウンドが見事に融合していたのだ。



この曲でミツカワのTM熱は 第一次絶頂期を迎えた。
(なので、The Beatles「She Loves You」ばりのドラムから始まる
 シングルバージョンの方が、思い入れは深いです)




その後、年が明けアルバム「Self Control」発売間近になると小室哲哉の口から
『このアルバムのコンセプトは「GORILLA」+「RAINBOW RAINBOW」』
という趣旨の発言が聞かれ、ひどく納得したものである。


そして、この曲が初披露されたライブである
「FANKS "FANTASY" DYNA-MIX」のタイトル自体が、
既にそのコンセプトを先取りしていたのだと気付かされた。
(それだけに同ライブのDVDでは ”FANTASY" 部分が
 バッサリとカットされているのがなんとももどかしい。
 このコンサートの野外ライブとしての見せ場は、
 中間部分で映画『未知との遭遇』のワンシーンが再現された、
 9分近くにも及ぶ「1974」だった)





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この話のアルバム「GORILLA」を「RHYTHM RED」に
「All-Right All-Night」を「Tomorrow Made New」に置き換えれば、
ミツカワの「Tomorrow Made New [EXPO ver.]」にかける想いが
分かっていただけるのではないだろうか。


つまりミツカワにとって「Tomorrow Made New [EXPO ver.]」は、
「RHYTHM RED」直系のハードロックサウンドに
"TM NETWORK 時代のキラキラ感” が融合した曲なのだ。


しかし、同じようなコンセプトの「Love Train」に、ピクリとも反応しなかったのは
「Love Train」の場合は "「RHYTHM RED」と「TM NETWORK」の融合” ではなく
”「TM NETWORK」路線への軌道修正” 
に聴こえたからだと思う。

これはSingleと、アルバム収録曲の1つでしかない曲との
『背負わされる物』の違いであろう。




ところで、EXPO ツアー初期だったと思うが、
メンバーの発言で、新曲「WILD HEAVEN」のことを
"TM NETWORK パビリオン” と表現したことがあった。

ミツカワとっては「Tomorrow Made New [EXPO ver.]」もまさにそうであり、
そう考えると短い期間だったとは言え、この2曲が続けて演奏されていたことは、
偶然ではあろうが感じるところがあった。





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皆様、長々とお付き合いいただき、
誠にありがとうございました。


ここまで分かれば後は実践のみ!
つまりピアノで [RHYTHM RED .ver] と [EXPO ver.] を弾き別けるには

・速めのテンポで
・全編に16分音符の裏ウチを入れながら、所々16分3連のバッキングを加えつつ
・Bass のアクセント位置をシンコペーションさせ
・Aメロ、及びサビにチェンバロ風音色のリフを入れながら
・間奏部分ではオルガンソロをキメる

ということとなります。(注)



って、無茶言わないでください!
全部、ミツカワの苦手なことばかりじゃないですかっ!!

えっ、じゃあお前、いったい何が得意なんだって?




               …。




では最後に、この不遇な23年間分のねっとりとした情念をたっぷり含んだ、
まさに「月とピアノとミツカワの悲鳴」を聴きながらお別れです。


んじゃ、また。







(注)ちなみに必死にあれこれ試したものの
   "後半に現れるストリングス” は泣く泣く断念!
   おお神よ!ミツカワはダメな…ダメな男です…。(以下、冒頭へLoop)




2014年5月25日日曜日

レポート / ツアー『the beginning of the end』〜 Season 1 の宇宙を越えて

ミツカワです。

ツアー『the beginning of the end』が終了して、ここ数日、
ずっと考えていました。


昨年1月に、この重箱Blogをスタートさせて以降、
TM NETWORK が Live を行うたびに
『当Blogの趣旨とは異なるのですが~』などと言い訳をしながら
結局、毎回レポートを書いている 自分がいるわけです。

はい、このありさまです ↓





もはや、誰にも信じてもらえなくなってしまいましたが、
ミツカワは本来、そこまで TM NETWORK の熱心なファンでは無いのです。
この重箱Blogの偏り様を見ていただいても分るように、
ただ自分の気になったことを、次から次へと書き飛ばしているにすぎません。
ましてやFANKSの皆様の前で、自分のことを
「FANKSです」などとは、とてもおこがましくて申せません。


なのに…それなのに、今また突き動かされるように、
このエントリーを書いている自分がいる。
なにが自分をそうさせているのだろう…。



今回のツアー最終公演となった国際フォーラム2daysを観て、
その理由がはっきりと分かりました。

本編の細かい内容はBD&DVDも発売されますし、
また他の方のブログでも詳細なレポートがあがっていますので、
当・重箱Blogではツアーのレポートではなく、
『TM NETWORK 30th・Season 1』のレポート
として読んでいただければと思います。





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ハイキック

本題に入る前に。

前エントリーのツアーリポートで書いた府中2日目の ”小室哲哉によるハイキック"
どうやらその後のいくつかの会場でも行っており、
すっかり新たな芸風になってしまったようです。

というわけで皆さん。
街で小室哲哉を見かけても不用意に近づかず、
十分に間合いをとることを心がけましょう。
彼の射程圏内に立ち入ってしまうと、
確実に首を仕留められます。




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姿と言葉

まず、ツアーの始まる前に公開された最新のアーティスト写真。
それを見た時、ミツカワは「あっ!」と思ったのです。

歳は重ねているもののその写真からは、大物アーティストというより
まるで1988年「STARCAMP TOKYO」の頃のアーティスト写真の
尖った雰囲気というか、オーラというか、つまり現役感あふれる姿に見えました。



























また前回も書いた通り、今ツアーのパンフレットはとても資料性が高いのですが、
それとは別に、後半に掲載されている小室哲哉インタビューが非常に興味深いものでした。

実はミツカワ、昔から小室哲哉なりTM NETWORKの語るストーリーや設定に
まるで興味がありません。
ただ、それがあることで本人たちのやる気につながるのなら
ドンとこい!というスタンスです。


というわけでここで気になったのは、話している内容ではなくテンションです。


ミもフタもなく言ってしまえば、いい年をした大人が
まるで夢のような絵空事をテンション高く、延々と語っているのです。
もうこのまま放っておけば、「次回は木根くんにバレエを踊ってもらう」とか
「火の輪くぐりをしてもらう」とか言い出すのではないかと
ハラハラしてしまうほどです。


そこには再始動以降「大人としての~」とか
「歳なりの魅力を~」などと語っていた小室哲哉の姿はありません。
それとは正反対の、ほとんど子供じみたようなことを、
ものすごいテンションで語っているのです。

その "大人げない姿" がミツカワにはまるで「Self Control」~「CAROL」辺りの
"子供の頃にはしゃげたあのノリ” と重なって見えました。




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そして肝心のツアー内容

旧TM NETWORK時代、アンコールやMCがないというのは常識ではありましたが、
本当に一言も観客に向けての言葉がない、完全にコントロールされた
コンセプトガチガチのライブというのは一度もありませんでした。

30年を通して、今回が初めてです。


ひょっとすると昨年の『START investigation』も、
そうなるはずだったのかもしれません。
しかし実際には「Be Together」にて一言ですが、ウツからの呼びかけがありました。
これはあの時のウツの状況、そしてTM NETWORKの置かれた状況を考えると、
誰もが納得できる “妥協” だったでしょう。




80年代、あの一大コンセプトツアーであった『CAROL tour』開始前、
小室哲哉は『”オープニングの幕が開いても、そこに宇都宮君のいないステージ” がやりたい』
と何度も語っていましたが、しかし実際には御存知の通り、
オープニングは通常のコンサートと同じ形式で行われました。
いわば保険をかけたわけです。

ちなみに『Camp Fanks!! '89』でのオープニングは、
TM NETWORKのいないスタートでしたが
これは小室哲哉ではなく、舞台演出を手がけた鬼塚玲二の発案でした。


つまり、一番勢いがあった時すらやらなかった、
観客には一切語りかけない、挑戦的な、
ディスコミュニケーションともとられかねない姿勢を、
この『30周年』という否が応にも注目が集まる時期に
やってしまったことになります。

ツアー後半で強化された演出。
最終曲「Beyond The Time」の演奏が終わるか終わらないかというタイミングで
一気に幕が下りてくる様子は、一歩間違えるとコントのようでした。




そういう意味で実は今回、
一番必要なかったのが『30周年』という冠だったのではないかと思います。

30周年という言葉から一般の人が受ける
「熟練」「枯れた魅力」といった印象からはかけ離れた、
いや、正反対のステージングを観た時、
むしろそれは邪魔な冠だったのではないかとすら思います。




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小室ソロコーナーについて



さて、このまま抽象的な言葉を並べただけでは、上滑りで終わりかねません。
最初に述べた "ミツカワを突き動しているものが何か?” を書く前に、
少し近視眼的に見てみましょう。

ここではライブ中、ひとつの頂点を見せた小室哲哉のソロコーナーを例にとり、
(信じがたいことですが)30年目に訪れた、今ひとたびの黄金期について、
ほんの少しでもお伝えできればと思います。

なお今回のライブでは
・「RAINBOW RAINBOW」~「Be Together」や
 「Get Wild」~「Self Control」などでの盛り上がり。
・アレンジだけでなく歌詞やメロディーにも手を加えられた「CUBE」の静かな凄味
・もはや貫禄すら感じさせる「I am」
など演奏だけに絞っても、
いくつもの見所があったことはお断りしておきます。




演奏内容の前にご報告。

今回、1ヶ月にも満たないツアー期間にもかかわらず、
途中で機材チェンジが行われました。
まず、access『Virus TI2 Polar』が『Virus TI2 Keyboard』に変更。

Virus TI2 Keyboard

















そして『TI2 Polar』のあった場所には、6月に発売される
ローランドの新製品『AIRA SYSTEM-1』が導入されました。
つまりツアー序盤より1台増えて、計9台になったことになります。

ただしミツカワの見ていた限りでは、
2日間とも『SYSTEM-1』を演奏している様子はありませんでした。
ひょっとしたらローランドの営業さんが、がんばっただけなのかもしれません (^_^;) 
(2012年武道館『Incubation Period』での、CASIO『XW-P1』みたいなかんじ)




ソロコーナーは小室哲哉がTweetしていたように、
ツアー中盤の名古屋公演2日目より、
エレクトロの要素を大きく取り入れたものとなりました。

しかし今回の国際フォーラム2daysでは、
その前の手弾き部分も非常に見応えのあるものとなっており、
ここ数年の "各曲のおいしいところつまみ食い” 的なものでなく、
2日間とも「SEVEN DAYS WAR」をモチーフに据えて、様々に弾き崩すという、
しっかりとした構成になっていました。



19日と20日。どちらも素晴らしかったのですが、
BD&DVDにはおそらく20日が収録されると思いますので
ここでは、よりミツカワ好みだった19日の方を説明させていただきます。
(基本的な流れは両日とも同じです)




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前曲「Just One Victory」のエンディングからそのまま、
まずは歪ませたオルガン音色で
マイナーペンタトニックの超高速早弾きインプロビゼーション。

そこから「TIME TO COUNT DOWN」のイントロに流れ込みます。
しかしこれも途中から早弾きインプロビゼーションへと変化し、
最後は痙攣を起こしたようなスピードで鍵盤を連打する小室哲哉。

この辺で、ステージ後ろの壁にキーボードブースの様子が大写しになります。
その指先まで捉えた映像に盛り上がる客席。


次に別の鍵盤に移り
ここ数年お馴染みのアコースティックギターの音色で
「SEVEN DAYS WAR」を弾き始めます。

はじめは最近よく聴く "いつものアレ” かと思ったのですが、
それも束の間、すぐにリズミカルなバッキングを始めます。
アコースティックギターの音色でこれをやると、まるでジャズサンバのようなノリに。


さらに別の鍵盤に移り、アコースティックピアノの音色へ。
ここでようやく原曲通りのしっとりとした演奏になるかと思いきや、
再び次第に早弾きになり激しく鍵盤を叩き付け、
最後はとうとうロックンロールピアノ風に弾き崩します。


ここまで、かなりラフなアクションを含みつつも、
モチーフである「SEVEN DAYS WAR」の面影はしっかりと残した演奏
そこがダラダラとした印象を与えず、ひとつの
『ソロコーナー』としての説得力
を与えていた要因だと思います。



そして、ここからいよいよエレクトロ風アルペジエーターのリフに乗せた、
怒涛の「Get Wild」サンプリング・プレイへ。
小室哲哉のハイキックとともにステージにセットされた火薬が次々に爆発!
これに生ドラムも加わり、会場は狂乱の祭りです。

昨年の『START investigation』はウツだけではなく、
小室哲哉も病み上がりだったためか
派手なアクションは見られませんでしたが、今回はスゴイ!


実はこの19日。
アルペジエーターのテンポが生演奏とズレてしまい、
非常に気持ち悪いことになっていたのですが、
もはやそんなこと、
どうでもいいような盛り上がり方。


そして一瞬の静寂をおいて「Get Wild 2014」のスタート。


ラフな演奏と、頂点へと向けての全体の構成が見事に融合しており、
ミツカワとしては再始動後の…いや
全期通しても、5本の指に入るソロコーナー
でした。




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『This is TM NETWORK』

昨年のさいたまスーパーアリーナ公演『START investigation』の終演後、
スクリーンに大写しになった『This is TM NETWORK』と言う言葉。

この時は非常に力強いと書きましたが、実はこの言葉は両刃の剣となりかねません。
捉えようによっては、メンバーたちが "TM NETWORKと言う枠” に囚われ、
自己模倣に向かいかねない からです。
実際、ミツカワは2007年の『REMASTER』で、その匂いを感じてしまいました。



しかし今回のツアーを見る限り、その心配は杞憂に終わりました。
そこにあったのは『予想は裏切るが、期待は裏切らない』という
80年代の TM NETWORK が持っていたエンターテイナーとしての意地。

その意地の正統進化系です。

再びそれを見ることができる日が来るとは、よもや思いもしませんでした。


そしてこの ”意地” こそ
"ミツカワを突き動しているもの” の正体だったのです。


よく「80年代のライブを体験したかった」とおっしゃる方がいます。
もちろんその気持ちはよく分るものの、ミツカワとしてはこう言いたい。

『もはや過去は必要ない!
 今、起こっていることを見逃すな!』…と。




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最後にひとつ妄想を

2012の武道館公演「Incubation Period」以降のTM NETWORKに対し、
単なる「リセット」という表現だけでは言い表せない、
モヤモヤとした想いがあったのですが、こう考えるとスッキリしました。

つまりこれは、1999年に再結成したTM NETWORKとは別の存在。
もし1990年にTMNにリニューアルせず(終了はあったにせよ)
TM NETWORKのまま活動を続けていたら?
という ”if” に対する回答。

いわば、パラレルなTM NETWORK なのだと…。




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で…?


ここで終われば感動美談で終わるのですが…。
ムムム、やはりここだけは突っ込まざるを得ない
最後にミツカワが以前つぶやいたものを貼り付けて、今回はおしまい。


んじゃ、また。
















2014年4月28日月曜日

速報レポート / ツアー『the beginning of the end』

!Attention!
ネタバレ成分は控えめになっておりますが、
お体に合わない場合はただちに使用を控え、医師にご相談ください。




ついに始まったツアー。
『TM NETWORK 30th 1984~ the beginning of the end』
昨日4月27日、最初の地となる
府中の森芸術劇場での2日目の公演を観てまいりました。





レポートに入る前におことわりを。


実は今回、ミツカワは『ツアーをまっさらな状態で楽しみたい』と考え、
4月22日発売のアルバムもシングルも買いませんでした。
買わないどころか、
試聴すらしませんでした。

ついふらふらと解禁直後に「LOUD」を聴いてしまったことを悔い、
今回は誘惑に負けないため、さらにTMの曲自体を聴かない
『TM断ち』という荒行を行いました。

前エントリーのコメント欄によせてくださった興味深い事例の検証のため、
「Carol (Carol's Theme II)」を聴いた以外は「Maria Club」も「Kiss You」も
「Tomorrow Made New [EXPO ver.]」も無い、
空虚で色彩のない日々…。



ライブ直前の3日間程は、もう禁断症状が出るような状態。

仕方がなく『そうだ!似たようなものを…、似たようなものを聴こう!』と思い、
クリィミーマミのエンディング
「LOVEさりげなく」(※)を繰り返し聴いていました。
        (※)編曲 - 西村昌敏 ギター - 松本孝弘

























    → 結論として、やっぱりTMとはちょっぴり違うような気もします。





しかしそのおかげで、この日は最初から最後まで、
かなり新鮮で様々な驚きを得ることができました。

とまあ、このようにかなり特殊な環境で臨んだ奴の書いているレポートですので、
そこはご了承ください。





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今回は昨年のライブとは異なり “ツアー“ 

しかもまだ始まったばかりなので、
どこまで書いていいのか、正直迷うところです。

というのも、アルバムとシングルが出た時点で、
演る曲目はネタバレしているわけです。
なので、いきなり踏み込んだことを書きますが




「DRESS2」は全てやる。ただし、ウチ1曲は日替わり要員。
            +
 数は少ないが「DRESS2」以外の曲も演奏する。




皆さん気になるのは、やはり「DRESS2」以外の曲だと思うのですが、
その中の1つは、まさかのアルバム「Major Turn-Round」から、あの曲が!

新たな歌詞やメロディーを付加されていて、これはもうLive アレンジを超えて、
ニューバージョンと言っていいのではないでしょうか。
3人だけで演奏したので「DRESS2」のテイストとは異なるのですが
このツアーの見所は、ひょっとするとこの曲かもしれません。


尚、この日(4/27)は「金曜日のライオン」をやらなかったのですが、
ただ「小室ソロコーナー」~「次曲のイントロ」の繋ぎ部分で、
この曲のシンセブラスのリフを弾いていました。





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開演前の舞台には幕が下り、会場にはランダムに既存のTM曲が流されています。
この選曲が「FAIRE LA VISE」「69/99」
「雨に誓って」「月の河 / I Hate Folk」などなど、頭を抱えるほどランダムすぎ!
まあ、ココは日によって違うのでしょうが…。

さて「REASONLESS」を聴いて、
すっかり鬱な気分になったところで、
いよいよ本編スタートです!




まずはスクリーン上映あり。約5分弱。
そして大歓声の中、幕が上がります。


姿を表した舞台セットを見たミツカワは思わず「おぉ」と声をもらしてしまいました。
特に趣向をこらしたとか、奇抜なものでは無く、むしろシンプルなデザインなのですが
「そう来たか!」と思わせるものがありました。


今回は久しぶりに舞台上手に木根尚登、下手に小室哲哉という配置。



これ以降、曲順、演出等はバレ防止のため詳しくは書きませんが
ツアータイトルからも推察できるように、
今回のツアーは昨年のさいたまアリーナと完全に地続きとなっています。

ということで小芝居あり。
ただ今回は役者さんではなく、宇都宮隆と木根尚登が演じることとなります。


いつものこととはいえ、小室哲哉のムチャぶり企画のせいで、
舞台に背を向け、何やらデータを確認しながらパソコンのキーを打つ2人の姿を見ていると、
「TM NETWORKと言えど、
 楽な仕事じゃないんだなぁ」
と感じました。(←率直すぎる感想)





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演奏曲数、少なめ。
しかしライブは2時間。

つまり、
・イントロ ← 長え~よ!
・間奏 ← 長え~よ!
・曲と曲の間のつなぎインスト ← 長え~よ!


アルバム「DRESS2」でのアレンジも十分長いですが(←今、初めて聴きながら書いている)
これに、どこまでがエンディングで、どこからが次の曲のイントロか分らないような
 “つなぎ” のインストが挟まるため、ミツカワとしては大歓迎なのですが、
歌を聴きたい人には微妙かもしれませんね。





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宇都宮隆。
あれだけの大病の後なので、決してまだまだ本調子では無いとは思いますが、
少なくとも舞台上で見る限りは、元気な姿に戻っていました。
歌声はもちろん問題無し!
ハンドマイクで前に出てくるシーンもあり。

ただ先に書いたように、インスト部分が長いため、
しょっちゅう舞台袖にはけていました。



小室ソロコーナーあり。
いつものパターンでいろんな曲のイントロなどを、さわり程度に弾くようなものです。
ただこの日は残念ながら、1台のシンセの高域が音割れを起こしていて、
聴いていて不快な部分がありました。
弾いている本人も左耳のイヤーモニターをいじっている姿が見られ、
おそらく分かっていたんだと思います。

そのためかどうか、全体としてかなり散漫な印象が残りました。



しかし、これが引き金になったのか分りませんが、
この流れからの次曲「Get Wild」冒頭のフレーズサンプリングプレイ中、
(ジャンジャン・ジャンジャンね)で、とんでもない事が!





これは今後、あちこちの会場でやるようなこととも思えないので、
ネタバレを恐れず、はっきり書きますが、

3段積みキーボードスタンドの1番上に置かれた Roland「V-Synth GT」に向い、
小室哲哉、右足を振り上げ





      まさかのハイキック!





観客もどよめきます。

このシンセの置かれた高さは、小室哲哉のちょうど脇くらいでしょうか?
年齢を考慮せずとも、なかなか凄いパフォーマンスだったと思います。
小室哲哉さん、30年目にして新境地!
さぁ、早く吉川晃司のシンバルキックと競演するのだ!





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今回の小室ブースに置かれたシンセは全部で8台。
Studiologic「Sledge」など、ここのところ定番となったシンセばかりでした。

またそのうち2台には昨年と同じように、それぞれiMacが今回は2台ずつ、
計4台が繋がれていたのですが、このiMac、スタンド部分が外され、
おそらく特注のスタンドにより、かなり角度がつけられていました。
(ちょうどノートパソコンを全開にしたような角度)

そのため昨年はともすると
「Live中にネットをする人」
のような画になっていましたが、
今回はなかなか、さまになっていました。

iMacは客席に背を向けていたため、その画面を見ることは出来なかったのですが、
音から判断するに、相変わらず reFX「NEXUS2」は、使われていたようです。 




それと最後の方で気付いたのですが、
ライブ終盤で木根尚登が久しぶりにYAMAHA「GX-1」を弾いていました。
ちょうどDVD化が発表された「Live TOMATO」(88年の方)でも弾いていた、
白いボディのものです。(コレ↓)
























あ、そうそうハーモニカも吹いてましたよ!





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アンコールはありません。

どころか『アンコール!』と叫ぶ余地すら与えられません。
有無を言わせぬ形で、気づいたら終わっています。





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全体としては、まだ『シナリオ通りに一つ一つ進めている』
といった部分が垣間見え、固い感じは拭えませんでした。

これはツアースタート直後であれば、いつのときも同じであり、
この後全国を巡り、どのように成長して還ってくるかを
楽しみに待っていようと思います。




この日、残念だったのは、スピーカーから出てくる音、
いわゆる『ハコ鳴り』がライブ序盤は、あまり良い音ではないように感じたことです。

ただ、ギャーギャーうるさいだけで、芯も、深みも無い印象で、
正直『ああ、こんなものか』と思ったのですが、
それが5曲目の後半くらいから急に音の芯が見え、
腹にバスドラの音がズンズンと響く様になりました。
ひょっとしたら途中で改善されたのかもしれません。



パンフレットは非常に資料性高し。
過去のアルバム1枚ずつに3人それぞれがコメントするなど、
読み物として非常に充実しています。
あまりに充実しすぎて、もう逆に
「今までのパンフは何だったんだよ!」
という怒りが湧いてしまう困った一品です。

なお会場で配布されたリーフレットには、
すでにこのツアーのDVDが発売予定として告知されていました。





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最後に1つだけネタバレします。



おい、誰が「MALIBU」のニューバージョン
なんか作ってくれと頼んだ(笑)!




んじゃ、また。






2014年4月21日月曜日

メモリアルエントリー / Thank You TM NETWORK!

ミツカワです。

この『重箱 Blog』はこちらにも書いた通り、
80年代のライブ活動を中心に据えたものなので
30周年にあたって、特になにか書くつもりはなかったのですが、



   気づいたら書いちゃってた (///∇//) ♪〜



ので up します。








その前に、New Single『LOUD』についても書いちゃえ!


イントロの時代がかった『大プログレシンフォニー』には驚かされたものの、
歌が始まってからは『ずいぶん "ベタな曲” だな』と思っていました。
が、2番を聴いてひっくり返った。




  えっ…この曲、Bメロから始まってたの!?




仮に1番の構成を [Aメロ→サビ] だとすると、
2番は [サビ→Aメロ→サビ] ということになりますが、
2番の冒頭『♪とめどなくあふれる~』はメロディーこそ [サビ] と同じですが、
Keyが違うこと。バックの音数の少なさや、コーラスが重ならないところを見ると
やはりこれは [Aメロ] として扱われていると思われます。(これ自体は割とあること)


しかし、となると2番は [Aメロ→Bメロ→サビ] という標準的な構成となり、
そこから逆にたどると、やはり1番が [Aメロ] の存在しない
 [Bメロ→サビ] という構成だったことに…。

2番に [Aメロ] が無いというのはよくありますが、1番に [Aメロ] が無いというのは、




       ド変態じゃん!




しかし、こんなド変態の構成を "ベタな曲” に思わせてしまうというのは、
なかなかちょっと真似できるものでは無いですよね。








ところで前作「I am」では
イントロ→ U2「Where The Streets Have No Name」
♪I am a human~ → Human League「Human」♪I'm only human~

と、ともに80年代の大ヒット曲を意匠として取り込んでいるように感じていたのですが


今作では ♪Loud,Loud,Loud,Shout it Loud~ が
Tears For Fears「shout」の ♪Shout, shout, let it all out~
を、これまた想起させる…。






























と思ったら、2012年/渋谷イベントでのデモ段階では
♪Shout, Shout, Shout, Shout it Loud~ となっていますね。

やっぱりそういう意図があるのだろうか…。







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さて今回のテーマは
  [Thank You TM NETWORK ~ 
    大切なことは「Tomorrow Made New」と
      「Beyond The Time」が教えてくれた]







皆さん!
皆さんは、普段お聴きの様々な楽曲がどのように制作されているか、
どんな作業工程があるのか、よく御存知でしょう。

ただ、

・作詞
・作曲

これは誰でも、どんな作業か具体的に想像がつきますよね。


しかし、その後

・編曲
・mix
・マスタリング

この辺になると、下に行くに従って次第にブラックボックス化され、
なんとなくは分かるものの、いまひとつ何をやっているのか、
それがどんなに重要なのかピンとこない、というのが実情ではないでしょうか。



ミツカワも本格的に楽器に触れたのが、20歳を過ぎてからと、
かなり遅かったため、ずっとそれがどんなに重要な作業なのか、
頭では分かっているつもりでも、胸の奥底では

『と言ったって、大切なのは
 結局やっぱり "詞とメロディー” でしょう』

と、思っていた時期があります。



今回は、そんなミツカワが
TMの楽曲によって気づかされた、いくつかのこと。
その体験談をもって、ささやかではありますが、
30周年をお祝いさせていただこうと思います。







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~ 編曲および音色の重要性 ~



まずはこのコメントに目を通して頂きたい。


  パノラマジックと比較して欲しいのですが、コード進行はほとんどいっしょです。
  アレンジと音の使い方の違いで、アウトドアと、
  さらに大気圏外との差みたいなものを感じてもらえますか?


これは1986年5月、スコアーハウスから発行されたバンドスコア「VISION MELODIES」
に掲載された「FANTASTIC VISION」に対する小室哲哉自身のコメントである。




「パノラマジック」と「FANTASTIC VISION」、
実際のコードネームは表記上かなり違うのだが、
ここでベースラインが…とか、構成音が…とか言い出すと、
あっという間にめんどくさい話になって、話の趣旨から逸れるので、
このコメントの要点部分のみを端的に表現してみた。
コード進行が同じという事は、つまりこういうことである。
(口に何か含んでいる場合は注意!フイても知りませんよ)





意図的にメロディーを変えたのは ♪た~かく、た~かく~赤字部分のみ
その他はビックリするほど、違和感無くハマりました。

このように、和音の流れが同じような曲というのは山ほどありますので、
見つけたら、皆さんもやってみましょう。楽しいですよ!
ちなみにミツカワは「10 YEARS AFTER」のカラオケを流しながら、
気が付くと「Maria Club」を歌っていることがあります。







話を戻す。
つまりこの2曲、作曲者は違うものの作曲の初期段階では
似たような雰囲気の曲だったということが分かる。


しかし、CDに収められた完成版は小室哲哉のコメント通り
・「FANTASTIC VISION」→ アウトドア
・「パノラマジック」      → 大気圏外
見えてくる景色が全然違う
これはすでにイントロの時点からなので、歌詞の違いだけによるものでは無い


とても興味深い事例ではあるのだが、
しかし1986年当時、ミツカワはまだ楽器をやっていなかったので、
コード進行云々のところが、いまひとつ意味がわからず、
ただ何となく "大切なことを言っている” という印象だけが残っていた。







そして時は流れ1991年9月、アルバム「EXPO」の発売日。


































手に取ったCDのクレジットに「Tomorrow Made New」の名を見つけたものの
すでにライブビデオに収録されていたせいで、
特にありがたみを感じず、期待もしていなかった。

むしろこの曲は、本アルバムのコンセプトである
『月とピアノ』に沿っていないのではとまで感じていた。








しかし、しかしである。
今でもその瞬間をはっきりと思い出せるのだが、
曲が始まってわずか2小節で、ミツカワの体中に電流が駆け巡った。





    [RHYTHM RED tour ver.] と
    見えてくる景色が全然違う!!





それは確かによく知っている「Tomorrow Made New」ではあるものの、
全く知らない「Tomorrow Made New」でもあった。
しかも先の例とは異なり、今回は同一の曲 である。
それが編曲ひとつでこれだけ印象が変わる(変えられる)というのは衝撃的であった。



そしてその瞬間、先に挙げた「パノラマジック」と「FANTASTIC VISION」に対する
小室哲哉のコメントが、時を超えてフラッシュバックしたのである。

この頃ちょうど鍵盤に触れ、曲作りにのめり込みはじめたミツカワは、
1986年のコメントの意味を、
ようやくはっきりと認識した。



また、[RHYTHM RED ver.] を LIVE ver. ではなく、デモ ver. と捉えると、
[RHYTHM RED ver.] → [EXPO ver.] の変化が、
神の手(制作者の意図)を垣間見る様で、大変興味深かった。




具体的に、どう手が加えられたのか?
それによって見える画がどう変わったのか? については、
次回に それはもうネットリとやる として、
ミツカワにとって「Tomorrow Made New [EXPO ver.]」というのは、
この貴重な "気づき" を与えてくれた恩人の様なものなのだ。

それゆえ、いまだにミツカワは
「Tomorrow Made New [EXPO ver.]」に足を向けて眠れない。
って、どっちの方角だよ!







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~ ちょっとブレイク ~



先の動画のような『同じコード進行に、違うメロディー』
その後、小室哲哉は意識的にこの手法で、
あえてコード進行を固定し曲を量産するようになる。

彼の代名詞ともいえるコード進行
『Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ』である。
「Get Wild」「Human System」「悲しいね(渡辺美里)」など、枚挙にいとまがない。
また、一部を変形させた「Love Train」の様な曲も多い。

これはコード進行を固定することにより、一聴しただけで誰が作ったか分かるようにする『ブランド化戦略』だ。



実際にはそんなに特殊なコード進行では無く、例えば BOØWY の「MARIONETTE」や
意外なところでは「君をのせて(天空の城ラピュタ)」など、
他の作曲家の曲でもよく見られるものだったのだが、
小室哲哉がしつこく、しつこく、使い続けることにより、
いつしか『小室進行』などと言われる様になったのは御存知のとおり。


しかしこれは "ワンパターン”  "クドくて拒否反応が出る” 
などの批判も産み出すことにもなった。
また本人はそのつもりがまったく無いのに、このコード進行を使ったために
『小室の真似』と言われてしまう、巻き込まれ型の被害者を産むことにもなった。



もちろん、これらの曲は先の動画と同じく "メロディーのとりかえっこ” が可能だ。
そう、「Get Wild」のカラオケに合わせ
「君をのせて」を歌うことも…だ。
(やってみると頭がクラクラしてきますよ)




ただ、実際にコードとメロディーの関係を鍵盤で追ってみると、
9thから始めたり、終点をsus4に変形させたり工夫している様がうかがえる。
意外と気にしていたのか?(笑)→ ワンパターン批判





さて次は、もう一つの "気づき" の話。







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~ mix 作業の重要性 ~



話はさらに数年前、1988年12月にさかのぼる。
ここでの主役はアルバム「CAROL」に収録された
「Beyond The Time (Expanded Version)」だ。
何が "Expanded" なのかは一切不明 だが…。



実はこの曲、アルバム「CAROL」の中で、
唯一、日本でレコーディングされた音で構成されている。
つまりシングル版と素材(楽器演奏やボーカルのテイク)は同じだ。
それだけにその後の作業、つまり
『mix 作業の効果』を知るには最適 である。



「Beyond The Time」は、シングルが同年3月に発売されてから、
このアルバムに収録されるまで
  "シングル版しか存在しない期間= 予習期間 
 が、かなり長かった ため、初めてアルバム版を聴いたとき、
素人のミツカワにも、シングル版との違いがはっきりと分かった。



曲の一番最初の部分。

シングル版では『ジャ~ン』と塊で聴こえた音が、アルバム版だと
ギターの弦、1本1本の隙間が見えるとでも言えばいいのだろうか、
『ジャラ~ン』と聴こえてきたのだ。







その瞬間、今までさんざん聴いてきたシングル版とは
全く違う景色が、ミツカワの前に広がった。


シングル版が、スクリーンに映った
"どよ~んと曇った宇宙" (変な表現だが)とするなら、
アルバム版は "どこまでも広がる広大で澄み切った宇宙に
自身が放り込まれたよう" な印象を受けたのだ。

さすがガンダム。
まさに『どっちを向いても宇宙。どっちを向いても未来』だ(←それ違う番組)
まぁ、映画の内容を考えると "どよ~んと曇った” 方が合っている気もするが…。







       なぜ同じ素材を使っていながら、
     ここまで印象が異なるのか?







あわてて聴き直してみると、
このイントロ部分だけでも、かなり違いがあることが分かった。


例えば、シングル版では右端でチキチキと鳴っていた
打ち込みのハイハットがバッサリカットされ
さらに和音を抑えていた鍵盤の音は、はるか彼方に押しやられている。

こうしてできた音の隙間から、シングル版では聞き取りとれなかった、
一つ一つの音の余韻が聴こえてくるようになったのだ。


特に、先にも書いた『ジャラ~ン』と和音を弾いたギターの音程が
その後ずり下がっていく部分の余韻は、
シングル版では味わえないみずみずしさを湛えている。


また、0:18 から入ってくる歪んだギターの音も、
シングル版では目の前で鳴っているのに対し、
アルバム版ではまるで遠雷のような響きをたずさえている。


さらに、Bメロからスタートするスネアの音も、シングル版では息がつまるというか、
まるで目の前に立ちふさがるような鳴り方をしていたのが、
アルバムでは、自然な余韻が付加けられ、ほどほどに後ろに下がった結果、
ボリュームを上げても耳が痛くならない。



実はミツカワ、シングル版の時点ではたいして興味のなかった曲(※)だったのだが、
このアルバム版はぐいぐい引き込まれてしまった。

  (※)これは曲の良し悪しではなく、
     シングル発売当時、大量にオンエアされていた映画のCMの印象が強過ぎて、
     『TMの曲』というより『ガンダムの曲』というイメージだったため。









「Beyond The Time (Expanded Version)」の特徴というより
これはアルバム「CAROL」全体にも通じる話だが、

 ・前後・左右・上下・奥行きの幅が広い。
 ・それぞれの音に付加された余韻が自然。
 ・高域のみずみずしさ。
 ・低域のふくよかさ。

などなど、これはもはやアルバム用の mix というより、
アルバム「CAROL」を担当した、
スティーブ・ナイによる添削指導
という様相を呈している。

事実、小室哲哉自身まずこの曲をテスト的にミックスしてもらった結果、
アルバム「CAROL」のミキシング・エンジニアは、
スティーブ・ナイで間違い無いと確信したそうだ。








TM NETWORK には申し訳ないが、ミツカワにとって
アルバム「CAROL」の主役は、
このスティーブ・ナイと、
録音を担当したスティーブ・ジャクソン である。


1曲目「A Day In The Girl's Life」冒頭のシンバルロールから始まり、
どの曲を聴いていても、つい曲ではなく
1つ1つの "音そのもの” の美しさに耳が奪われてしまう。






同じく mix という意味では「Seven Days War」における
スネアドラムの音色の違いにもかなり驚かされた。

シングル版がシングルらしく派手な『パーン』という音に対し、
アルバム版では『スタン』と落ち着いた音になっている。

これはアルバムを通して聴いたとき、他の曲との違和感が無いように、
また、アルバムを通して聴き続けた時、耳が疲れないようにという配慮だろう。
これも決して音を録り直したのではなく、Mix の違いによるものだ。







逆に言えば、
mix ひとつでここまで印象が変わってしまう、
というのは恐ろしいこと とも言える。






我々が "レコーディング" と聞くと、アーティストの作曲シーンや、
演奏や打ち込みをしている姿を思い浮かべがちであるが、
実はその後で、ガラッとイメージが変えられてしまう可能性があるのだ。

アーティストが mix エンジニアの選定にナーバスになったり、
わざわざ mix をするためだけに、海外に行く意味がよく分かるだろう。





ミツカワにとって、
この「Beyond The Time (Expanded Version)」以前と以降では、
mix に対する認識が180度変わった。
ありがとう
「Beyond The Time (Expanded Version)」!
僕は君のことを(普段、全然聴かないけど)決して忘れない。





ただ最初の出会いが、この『最高峰の音』だったため
これ以降、今に至るまで mix 作業に対する強烈な苦手意識も植え付けられてしまったが…。

おのれ「CAROL」!!(←浮き沈みの激しい人)







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~ マスタリング作業の影響力 ~



最後に、マスタリングについても簡単に触れておこう。

マスタリングに関しては、曲毎の音量、音質を整えるといった静的なものから、
積極的に音にアプローチするといった様々なスタンスがあり、
なかなかその効果を文章で表現するのは難しい。


一般的な認識だと
・音量・音圧が上がる。
・細かい音が聴き取りやすくなる。
といったところだろうか。


ここでは、それだけではない
マスタリングの大切さ(恐ろしさ)を感じ取れる例をひとつ挙げておく。







・Welcome to the FANKS!
・TM NETWORK THE SINGLES 2 (初回生産限定盤)


両ベスト盤に収録されている「We Love The Earth」を聴いてほしい。
ざっくり言ってしまうと「~ SINGLES 2」版より「Welcome ~」版の方が
曲全体の重心が低く、落ち着いた感じになっている。



特に顕著なのが Bass だ。

・「~ SINGLES 2」版ではかなり “fat” な鳴りをしていて、
  Vocal のすぐ下にピッタリとくっつく様に位置している。
・「Welcome ~」版では落ち着いた音に調整されており、
  Bass 本来の、かなり下の位置に収まっていて、
  結果的にVocal とBass の間に空間が生まれている。

ミツカワの好みとしては断然「Welcome ~」版なのだが、
オリジナルに近いのは「~ SINGLES 2」版だ。
これは先に書いた
マスタリング作業に対するスタンスの違い だろう。



その他、イントロ頭から鳴っている、リズムマシン(TR-808)のKick の音に注目すると

・「~ SINGLES 2」版ではオリジナルに近い “トン・トン “
・「Welcome ~」版では “ドゥン・ドゥン“ + 高域で “ジー・ジー“ 。

と、その鳴り方が違うのが判るだろうか。
(判りづらい場合、スピーカーやイヤホンなど環境を変えてみてください)



このように、mix 作業を終えた以降でも、
まだ全体のイメージを左右してしまう工程があるということだ。
マスタリングにまでアーティストが神経を使う理由が、
少しは分かっていただけただろうか?










さて、この「We Love The Earth」に限らず、
総じてミツカワは「Welcome to the FANKS!」の音に好感を持っている。…のだが、






 「ただしジャケットデザイン…テメーはダメだ!」 






























         「Welcome to the FANKS!」2004年12月リリース

































      The Chemical Brothers「Singles 93-03」2003年9月リリース







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というわけで、いかがだったでしょう?
ほんのちょっぴり、メモリアルにふさわしい内容だったでしょう?

実は、この他にも書ききれなかったことがいくつかあるのですが、
(なんせ30年ですもんね)それはまた、いずれ。

兎にも角にも、
TM NETWORK 30周年、おめでとうございます。





さて次回は、いつもの路線に戻るよ!
いよいよ「Tomorrow Made New」 [RHYTHM RED ver.] VS [EXPO ver.]
ガチンコ対決だよ!!


んじゃ、また。