2014年7月31日木曜日

コロシアムを暴け・1 / 気を付けて!あなたの「イパネマ」は ’84?、'87?

ミツカワです。

前回、「TMN COLOSSEUM」の検証を始めると発表した途端、
ソニーから「TMN COLOSSEUM」の [Blu-spec CD2] 発売だそうです

まるでこの企画が Blu-spec 発売に合わせたステマみたいになっちゃって、
なんともまいっちんぐ。


なんであれ、現役としてラインナップが更新されることは喜ばしく、
ケチをつける気は毛頭無いのですが
ただ、同時発売の「TMN GROOVE GEAR」、
ライブ音源はともかく、デモ音源の高音質化 って
意味が有るんだか無いんだかよく分からない今日この頃、いかがお過ごしでしょう。


ミツカワです。







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というわけで、いよいよ始まったこの企画 [コロシアムを暴け]

"架空のツアーアルバム" と銘打たれたCD「TMN COLOSSEUM」
その編集を一曲一曲「材料」レベルに分解し、レシピを解き明かそう
というのがこの企画の趣旨だ。




記念すべき第1回は「TMN COLOSSEUM Ⅰ」収録の
「Ipanema'84」を採りあげる。




この曲は皆さん御存知の様に、
1987年6月24日
TM NETWORK 初の武道館公演
「FANKS CRY-MAX」での演奏 であり、
「TMN COLOSSEUM Ⅰ&Ⅱ」を通して一番古い時期のライブ音源となる。

また「TMN COLOSSEUM Ⅰ」の中では、
唯一の打ち込みの入らない完全生演奏曲でもある。




この曲を最初に選んだのは

・記念碑的な公演だけに、判断材料となる資料が豊富。
・一日限りの単独公演なので、編集素材のテイク違いを気にしなくてよい。

ということもあるのだが、なにより初めてこのCDを聴いた時、
真っ先に違和感を覚えた曲だから、
ということがある。

この違和感については、後でじっくり述べるが、
結果としては『ああ、やっぱり…』という思いである。







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[おことわり]

今回の主役、「イパネマ ’84」には
・「イパネマ '84」(CD「RAINBOW RAINBOW」における表記)
・「Ipanema '84」(CD「TMN COLOSSEUM」における表記)
・「イパネマ ’87」(武道館公演での公式名称。
          当時の雑誌等のライブレポートでもこう表記された・
・「Ipanema ’87」(DVD「FANKS the LIVE 1」における表記)

と、4つの表記が存在するが、ここでは混乱を避けるため、
曲名は全て「イパネマ」と表記する。


   注・もっとも、その武道館公演のMCで
   宇都宮隆は「イパネマ '84」と言っているのだが、
  これはいつものことなので、深く考えないこととする。
























       今も昔も、TMファンには高度なスルー・スキルが要求される。








次に今回使用した判断資料だが、
DVD「FANKS the LIVE 1 FANKS CRY-MAX」をメインとし、
1987年にNHKラジオで放送された録音中継の音源も参考にした。


このエントリーでは、
・CD「TMN COLOSSEUM Ⅰ」収録の「イパネマ」を →『コロシアム版』

以下、同様に
・DVD「FANKS the LIVE 1 FANKS CRY-MAX」→『DVD版』
・NHKラジオ →『ラジオ版』
・CD「RAINBOW RAINBOW」収録のスタジオ音源 →『オリジナル版』
と表記する。







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[下準備]

『コロシアム版』以前に、判断基準とする
『DVD版』自体の音が編集されていたら元々も子もない。なのでまず、
DVD「FANKS the LIVE 1」自体の検証
から始めることとした。



とりあえず『DVD版』の映像を視たかぎり、
演奏者それぞれの楽器を押さえている手の位置(ポジション)や、タイミング等から、
出るであろう音と聴こえてくる音声に、矛盾は感じなかった。

ただこの曲の映像は照明が暗いシーンが多く、特にサポートメンバーの手元が分りにくい。




























そこでもうひとつ、当時NHKラジオで放送された録音中継番組も参考とした。

このラジオ番組は実際のライブからまだ1ヶ月程度の1987年7月31日に放送されており、
この武道館の「イパネマ」が最初に世に出たのが、この放送だ。
(1988年3月28日深夜にも再放送された)



とは言え、当時ミツカワの録音したものは音質がひどいこともあり、
ミックスの差までははっきりと比較できない。
ただ、この曲の “演奏” に関しては『DVD版』と『ラジオ版』の差は見つからなかった。



しかし同『ラジオ版』での「Self Control」のヴォーカルは、
DVD「FANKS the LIVE 1」及び
シングル「Kiss You」B面収録の「SELF CONTROL (VERSION "THE BUDOHKAN”)」
のそれとは 明らかに異なっており、
後者2つは、後から手を加えている事が分る。





こうしてみると『ラジオ版』は、数ある「FANKS CRY-MAX」音源の中でも
一番、手の加えられていない『素材そのまま』の状態のようだ。
以降、ここを出発点として判断していくことにする。


そのうえで「イパネマ」に関しては、この『ラジオ版』と『DVD版』に差異は感じない。
結果として、DVD「FANKS the LIVE 1」の「イパネマ」に関しても
音量バランスなどは編集されている(注)ものの、
演奏内容自体は手は加えられていないと判断した。



全編を通して通常のライブ盤でありがちな、ミスタッチの修正や、
抜けた音の補正等も特に見当たらない。
改めて言うまでもないが、
非常に素晴らしく、また楽しげな演奏だ。

 (注)実際のライブでは木根尚登のコーラスがやたら大きく、
       完全にツインヴォーカルのようだった記憶が・が・が




さあ、ここまでくればいよいよ本番である。
あとはただひたすら『DVD版』と『コロシアム版』を聴き比べるだけだ。







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前回の「Just One Victory」に於ける違和感のきっかけが Memorymoog だったのに対して、
こちらの違和感はヴォーカル。声そのものである。

本エントリーの山場もココとなるのだが、本丸に討ち入る前に
先にバンド演奏など、その他の編集を見ておこう。





・バンド演奏について

この曲に限ったことではないが、聴き比べ以前に『コロシアム版』は『DVD版』と
あまりにも音質が違っていて たじろいでしまう。
特にドラムは空気感が薄く、まるでドラムマシンの様な音質だ。
しかし『DVD版』と『コロシアム版』
演奏内容自体には特に差異は見つからない。



例えば木根尚登の弾く12弦ギター。

全編にわたり、コードをかきむしる様に鳴らしているが、
Aメロ部分。2番の
♪水平線ユラユラ~(ジャカジャカジャカ)← と
♪おかまいなし~(ジャカジャカジャカ)←
のところだけ、他の同じ部分に比べ、1弦の音が目立つ。

これは『コロシアム版』と『DVD版』共に共通していて、
同じ素材(演奏)であることを物語っている。



他の楽器類も同様で
『コロシアム版』にも編集は加えられていないようだ。







余談ではあるが、この『コロシアム版』
『DVD版』ではほとんど聴こえなかった
木根尚登が弾くYAMAHA「DX100」によるシンセリフ、
及び12弦ギターによるアラビアンスケールのギターソロがはっきり聴こえる様になって
なんだか報われた気分になる。
(今度は逆に大きすぎるような気もするが)



                琵琶法師 in 武道館








・イントロ尺編集

冒頭、小室哲哉が演奏を始めてから、バンドがジャーンと入ってくるまでの部分。
『DVD版』で聴ける様に、本来なら12小節有ったところを、
『コロシアム版』では4小節カットされ、キリの良い8小節に編集されている。

頭の4小節ではなく、8小節~11小節目をカットして
7小節目の終わりから12小節目の頭につながるように編集されている。
(小室哲哉の右手より左手のリズムに注目すると判りやすい)



この曲に限らず「TMN COLOSSEUM Ⅰ&Ⅱ」では尺の編集が随所に見られる。
CDの尺に収めるためと、特に繰り返し部分など、
映像のない音だけの状態では間延びした感じになるのを避けるためであろう。

後述のボリューム調整とは異なり
この尺編集には丁寧な印象を受ける。







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[その他、気になる点を少々…]




・曲全体の長さ

『コロシアム版』の方が『DVD版』に比べて若干長い。
ただこれは、制作時期の違い(マスターテープの状態)や、
テープの再生機材の違いにより生まれた誤差であろう。
なのでここでは考慮しないこととする。





・ボリューム調整が過剰

例えば曲後半、ギターソロが終わった後。
最後のサビが始まる前の4小節。
小室哲哉と木根尚登の弾くシンセ・リフのボリュームが極端に大きい。

特に頭の1拍目~2拍目にかけて、まるでフェーダーを
にゅるんと上げたように聴こえて気持ち悪い。

結果、本来の演奏にあった
動(ギターソロ)→ 静(シンセのリフ)→ 動(最後のサビ)という
メリハリが薄くなってしまっている。

ピンとこない方は『DVD版』と聴き比べてみてほしい。



この様な作為的な調整は、この曲に限らず「TMN COLOSSEUM Ⅰ&Ⅱ」を通して見られ
この作品にまとわりつく『作り物感』の一因だと思う。







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・ボーカル編集

さて、問題はここからだ。
一聴して分かる様に『DVD版』とは、声質が違いすぎる。


個人的な話だが、ミツカワにとって宇都宮隆の魅力は、
どんなに張って歌っていてもその輪郭部分に、滲みというか、くすみというか、
角の立たない ”緩衝地帯” の様な部分があるところだ。
そこがとても心地よく、素直な歌い方と合わせ、長時間聴き続けても疲れない。



しかしこの『コロシアム版』で聴ける声は、薄くペラペラな感じで、
大袈裟に言えばヘリウムガスを吸ったような声に聴こえる。
今でこそ慣れてしまったが、初回視聴時にはギョッとしてしまった。

特に前曲「Crazy For You」で聴ける歌声が、
馴染みのある『宇都宮隆の声』(♪WowWowWow~ばかりだが)なだけに、
「イパネマ」に移った途端に『別人?』と思ったくらいだ。



音質が違うと言えば、楽器類や他の曲でのヴォーカルもかなり違うが、
これはミックス作業の違いによるものである。
しかし「イパネマ」でのヴォーカルは、そういうレベルの違いではない。







     ここに何かが隠されているのだ。








では、いよいよ『DVD版』と『コロシアム版』
ヴォーカル部分の聴き比べ結果 を発表しよう。










































































赤字の部分が『DVD版』と異なる部分だ。
ただしこれは、あくまでミツカワが
”確実に違う” と言える部分であり、
その前後もそっくり入れ替わっている可能性がある。







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解説していこう。

まず、誰にでもはっきりと分るのが、
1番Aメロの ♪ニュースしゃべるラジオ~


なにせ、この通り ↓ メロディーの符割が違うのだ。


































もうひとつ判りやすいのが、
2番サビ頭 ♪時計を砂浜に~

『DVD版』(実際のライブ・テイク)では、しゃがれ声で音程も上がりきっていない。
しかし『コロシアム版』では澄み切った声で伸びやかに歌っている。音程もバッチリだ。




この2つが違うものであることがお分かりいただけるだろう。
この部分は明らかに別テイクである。




しかし、そうかと思うと
2番サビ直前の♪Say No More~ の節回しは『DVD版』のそれと一致する。

つまり本来のテイクをベースに、
節々を ”何らかの別テイク” に差し替えてあるわけだ。







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しかし、そうなると話がややこしくなってくる。

エントリー冒頭で確認したように
この「イパネマ」は1987年6月24日 日本武道館における
「FANKS CRY-MAX」での演奏である。

つまり1日限りの単独公演であり、
差し替えに使える 別テイクなど存在しない はずだからだ。





「FANKS CRY-MAX」どころの話では無い。
そもそも「イパネマ '84」はデビューしてから1年の間に、
数える程しかライブで演奏されたことがないのだ。

”何らかの別テイク” など、
どこに存在しているのか?




なんともミステリアスガールなキャッツアイだ。







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ここで大きなヒントを与えてくれるのが、
しつこく指摘してきた、その『声質』だ。

この声質。皆さん
どこかで聴き覚えがないだろうか?





そう、ここで使われている ”何らかの別テイク” とは
1984年リリースのデビューアルバム「RAINBOW RAINBOW」収録のスタジオ音源。
『オリジナル版』そのものである!
つまり、ライブ・テイクじゃないのだ!






       そんなのありかYo!






『架空のライブツアー』と言えば何をやっても許されるのか?
この手法、『ライブ盤とはなんぞや』と世に問う、
この夏最大の文芸問題作という気もしなくもないが…。





































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途中から薄々気付いていた方も多いと思うが、
最初に名前を挙げた
「SELF CONTROL (VERSION "THE BUDOHKAN”)」も同じ編集がなされている。
つまり伏線だったわけだ。




一応検証してみよう。
ミツカワがこの部分は『オリジナル版』だと確信したのが、主に次の2点だ。





[ニュアンス]

まずは、宇都宮隆の特徴的な歌い方である
”語尾をしゃくりあげる” そのニュアンス
(ピッチを変化させるスタート地点と終着点、その長さ、およびスピードなど)に注目した。

歌詞やメロディーと異なり、このニュアンスというのはなかなか文字に表しづらく、
自分の力量の無さがもどかしいかぎりではあるが、その中でも判り易いところをひとつ。


2番Aメロ
♪ふたり乗せて ぐるぐる~ の『る~』


この『る~』の部分は『DVD版』では単なるしゃくりあげであるが、
『コロシアム版』では独特の表情が付けられている。

無理を承知で、あえて文字化してみると
『DVD版』→ ♪る~⤴(アクセントは「る」にある
『コロシアム版』→ ♪るう⤴(アクセントは「う」にある



この独特の表情が『オリジナル版』と完全に一致するのだ。

差し替えに使える素材が数少ない中で、
この一致は決定的 だと判断した。






[濁音の処理]

♪ニュースしゃべるラジオ~ の『べ』の発音。

かねてより宇都宮隆が発言しているように、
レコーディングとライブでは歌い方が全く違う。
彼曰く、レコーディングは頭で歌うとのこと。


これは歌手に限らず役者、アナウンサーなど
人前で言葉を発する人が必ず意識することだが、
あらかじめ濁音や半濁音など、1文字1文字チェックをして、
ここでは角を立てないほうが良いのか、立てたほうが効果的なのかを
検討・確認したうえで本番に臨む。

これがつまり、頭を使って歌うということなのだが、
ここで『オリジナル版』の歌い方に注目してみると
濁音『べ』の発音が角が立たないように気を使っているのがわかる。





ではライブではどうなのだろう。

『DVD版』を聴けば、勢いよくはっきり『べ』と歌っている。
もちろんこれは角を立てようと意識しているのではなく、
細かいディテールに気を取られず、バンド演奏に身を委ね、
感情をそのまま表現する、ということに集中しているわけだ。

よって先ほどは軽く流したが、デビュー直後のライブにおける「イパネマ」でも、
この『べ』は角が立っている方が多い。


(もうひとつ。デビュー直後1984年中のライブでは、少し油断すると
 歌い方が "SPEEDWAYの宇都宮隆" になっている場面が見受けられる。
 これも差し替えの素材としては向かない理由だ)



さて『コロシアム版』の同じ部分を聴いてみよう。
角を立てず優しい印象で、
『オリジナル版』の歌い方と一致していることが分るはずだ。






[シャ・シ・シュ・シェ・ショ]

そしてもうひとつ判断基準になるのは、この時期の宇都宮隆に顕著な
『サシスセソ』が『シャシシュシェショ』になってしまうクセだ。
これはあくまでライブでの話で、さすがにスタジオ録音ではこのようなことは無い。

これを頭に入れて『コロシアム版』と『DVD版』を聴けば、その違いに気付くだろう。







是非、皆さんも上記3つのポイントを頭に入れて、
聴き比べにチャレンジしていただきたい。
(と言って、本当にこんなヒマなことをやる人がいるとは思わないが)







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[声質について]

DVDとは違い、CDでは音だけで勝負しなくてはならない
まして、いろいろな時期のライブ(いろいろなコンディションでのヴォーカル)を
ひとつの作品にするにあたって、
なるべく音質を統一する必要がある。
これは「TMN COLOSSEUM」という企画だからこそだ。

ボーカルに限らずドラムの音なども、
なるべく通して聴いたときに違和感が出ないよう調整されている。



しかし他の収録曲と比べてもやはり、この
「イパネマ」の声質は独特であり、やりすぎである。
ここまでする必要は何だったのだろう。






当初スタッフは編集にあたって「FANKS CRY-MAX」が単独公演の為、
他に使える素材が無いことに頭を抱えたことだろう。
そこで 窮余の策として、
元のオリジナル音源から抜いたヴォーカルトラックを切り貼りするという
(ミツカワとしては禁じ手に思えるが、実は意外とある)手にうってでた。


しかし、さらに立ちはだかった壁が
この数年間における声質の変化 + 当日のシャガレ声である。






1986~87年当時、宇都宮隆自身が語っていた様に
ツアーを重ねる毎に喉が鍛えられ、デビュー当時は細かった声質が太くなってきた。

これに加えて有名な話だが、1987年6月24日「FANKS CRY-MAX」当日、
宇都宮隆は風邪気味で喉はガラガラであった。
アンコールの「Fool On The Planet」などは
メモリアルな演奏にかかわらず、節々がかなり厳しいことになっており残念である。
(もっとも実際のライブでは客席、皆舞い上がっていてそんなこと気にならなかったが)




結局この壁を「両者の音質を無理やり合わせる」と言う形で
正面突破した結果が、
『コロシアム版』の不自然な声質では無いだろうか?

細い音質を太くすることは難しいが、太い音質を細くすることなら容易い。
そこで太いシャガレ声を『オリジナル版』の細く澄んだ声に近づけようとしたものの、
やはり無理があり、
結果『コロシアム版』で聴ける、ペラペラの声質になってしまったと思われる。







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ただこの方法、発想はイージーだが
実作業は決してイージーなやっつけ仕事では無い。

このライブバージョンと『オリジナル版』では、一聴して判るように
まずテンポが全然違う。



またそれだけではなく、最初に確認した様に
この曲は打ち込みの入らない完全生演奏である。
つまり常にリズムが揺れている状態であり、
別テイクを持ってきたからといって、簡単にポンとはめ込めるものではない。

必要箇所を切っては貼り、
音質が変わりすぎないよう(変わっているが)注意を払いながら、
テンポを合わせ、ピッチを修正、という地味な作業を何度も繰り返した賜物である。





このCD「TMN COLOSSEUM」には、TMメンバーは関わっていないものの、
クレジットにはシンクラヴィア・オペレーターとして、
当時小室哲哉のローディーを担当していた、高橋拓也氏の名前が記載されている。
(所属は小室哲哉の新事務所『OPERA GIG』となっている)

上記の編集にシンクラヴィアが使われたのだろうか?






なお、先に赤字で示した編集箇所のほとんどは、
『オリジナル版』と差し替えただけだと思われるが、
一部は元のライブ・テイクのピッチを修正
また、元のライブ・テイクにオリジナル版を重ねる
等の手法も取られている可能性がある。


これを期に、この重箱のスミの
さらに重箱のスミを突つかれる方達
が現れることを願ってやまない。

いやほんと。






不毛にも思える編集作業ではあるが、だがしかし、
その精度は驚異的だ。
分かって聴いていてもその継ぎ目に違和感が無く、なかなか気づかない。


もっともミツカワの感じたように
全体に違和感があっては意味ない ような気もするが。







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     で、キネちゃんはどうなの?





・コーラス

木根尚登によるサビのコーラスパート

『オリジナル版』ではBメロとサビ部分で、
メロディーの下をハモると言う形をとっている。
実際のライブでもBメロは歌っている。
問題はサビの部分だ。




『DVD版』では ♪Deep!や ♪you!などの
掛け声部分しか歌っていない。
しかし『コロシアム版』を聴くと、
曲中3回あるサビ全てにおいて、宇都宮隆と一緒に歌っている。


ひょっとすると『DVD版』のコーラスボリュームが小さいのかと思ったが、
映像で確認してもやっぱり歌っていない。(画像参照)






















               2番のサビが判りやすい





これはつまり『オリジナル版』のスタジオ音源から、
どさくさに紛れてメインヴォーカルと一緒にお引っ越ししてきたと思われる。
なんだかんだ言って、キネちゃんもやることはやっているわけである。




しかし、メインヴォーカルの編集が『修正』だったのに対し、
こちらは本来歌っていなかったものを歌っていたことにしているわけで、
これはもう、新たなる創造(捏造とも言う)と言ってよいのではないか?







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さて、「イパネマ」の編集検証はここまでなのだが、
まだ、最大の謎 が残っている。


どうしてそこまで苦労して
「イパネマ '84」をセレクトしたのか?ということだ。

記念すべき武道館公演の音源を収録したかった、というのは分る。
しかしなぜそこで、代替テイクの存在しない(先立つツアー等でも演奏していない)
「イパネマ '84」だったのか?というのは、いまひとつ分らない。



すでに同じものがDVDに収録されている。
ラジオでも放送された。
確かに「イパネマ ’84」のライブバージョンは超レアではあるが、
もうお腹いっぱいだ。


武道館公演の演奏曲で、他にもまだ世に出すべきものがあっただろうに、
なぜ「イパネマ ’84」ばかりがゴリ押しされるのか?


もはや「イパネマ」界隈から黒い金が流れたとしか考えられない。
制作者を問い詰めた気分でいっぱいである。







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というわけで、
[コロシアムを暴け] 第1回、いかがだったでしょう?

結局「TMN COLOSSEUM」収録の「Ipanema '84」は、
ヴォーカルとコーラスに限って言えば、
'87と'84を目まぐるしく行き来していることになります。


この曲のからくり。ミツカワは発売当時に気付いていたのですが、
いざ人様に伝えるために文章化するとなると
根拠のほとんどが ”ニュアンス” などという曖昧なものの為、
確固たる証拠を、そのしっぽを捉まえるのに、思いのほか苦労しました。


実は「TMN COLOSSEUM」中、
ヴォーカルの声質に違和感を感じる曲がもうひとつあります。
そちらは分析の結果、何が出てくるのか?また楽しみです。




なお、前回お伝えした様にこの企画は不定期です。
のんびりとではありますが「TMN COLOSSEUM」全曲制覇を目指し
夢はでっかく、いざとなったらウヤムヤに、との
高く低い志しでボチボチやっていきますので
どうぞよろしくお願いします。




んじゃ、また。



(この1曲で終わったらそれはそれで
 『ドン・ドラキュラ』みたいで 伝説だよな)







2014年7月18日金曜日

コロシアムを暴け・序章 / きっかけは「たった1つの勝利」

前回のエントリーには、様々な経路より大変多くの情報をいただき、
真にありがとうございました。
当初はお寄せいただいた情報を、追記という形にでまとめるつもりでしたが
やや量が多くなったので、近いうちに新たな情報も付加した
別エントリーとしてupさせていただく予定です。
いましばらく、お待ちください。







さて、以前からこの重箱Blogを読んでくださっている方は、すでにお気づきだと思うが
『いずれまた別に取り上げる』などと書いてはそのまま放置と言う、まるで
どこかの3人組のような『言いっぱなし企画』が山積みである。

昨年upしたこちらのエントリーで予告したまま、いきなり横道にそれてしまった
『切実企画 → その時テープはまわっていた!…のか?』と言う企画もその一つだ。




これを書いたときの趣旨としては

 ・動画はそもそも撮影されていなければ存在しない。
 ・撮影していても、当時の状況では全編収録していないことが多々あった。
 ・しかし音声だけなら全編収録されている可能性がある(注)
 ・2008年発売のCD「TM NETWORK THE SINGLES 1 (初回生産限定盤)」に
  1985年の「Dragon The Festival tour」が一部ではあるが収録されたように、
  音声だけなら今からでも発売される可能性があるのではないか。

という希望的観測の元、各ツアー毎に
”どの日の公演が音声として残されているのか” 
を探ろうとしたものである。
(ここでは先の親エントリーと同じく、商品化の障壁が低い
 『Sony 自身が収録した音源』に限って考える)

(注)ビデオ「RHYTHM RED LIVE WORLD'S END I」の
   ライブ撮影(郡山公演)は前半部分のみだったようだが、
   CD「TMN GROOVE GEAR 2」には後半部分の
  「BURNIN' STREET」「GET WILD」(共に仙台公演)が収録されている。





といっても、CD「TMN COLOSSEUM Ⅰ&Ⅱ」や
「TMN GROOVE GEAR」などの収録内容から見て、
TMの場合は音声だけを収録するという企画はなく、
ほとんどが動画撮影の一環として音声収録されていたようである。

これは逆に考えると、商品化されていない公演での音声が存在するとすれば、
その日の動画も(たとえ一部でも)
存在している可能性があるということだ!!
( ↑ かなり希望的妄想)








と、ここまでが以前、予告をうった時に考えていた内容である。
実はこれに加えもう一つ、漠然と考えていた別企画がある。

『架空のライブアルバム』と銘打たれたCD、
「TMN COLOSSEUM Ⅰ&Ⅱ」
  (以下「コロシアム」)の分析だ。










通常、人気バンドのライブ盤ともなれば、
数多くのファンがよってたかって分析をし、その編集工程を丸裸にしてしまうものだ。

丸裸とは例えば、

このライブ盤の~曲目は、

 ・何年何月何日の演奏をベースに、
 ・イントロの何小節目~何小節目をカット。
 ・Aメロの歌い出しを同ツアーの何月何日のものと差し替え。
 ・ギターソロは~

といった感じだ。



しかし何故かCD・DVD問わず、TMのライブ盤にはそういうことが行われない。
(いや、絶対にやってる奴がいるはずだ m9(゚∀゚)! 出ておいで!!
 ただ少なくとも、ネット上で大々的に行われているのは見たことがない)

「コロシアム」でいえば、せいぜい
  『「Kiss You」は「RHYTHM RED tour」の演奏で
   「Ipanema'84」は「Fanks Cry-Max」の演奏で~』
程度にとどまっている。



そもそもTMの場合は、判断するための基準となる材料に乏しいということがある。
特に人気絶頂期のツアーがことごとく商品化されていない。
この件に関してはいつものグチになってしまうので、自重する。






もうひとつミツカワの考えるに、
TMのライブ作品は、フェイク感に溢れている
ということが分析を遠ざけていると思う。


"ファーストライブビデオ" である「VISION FESTIVAL」からして、
客を入れない状態での撮影を行い、
実際のライブ映像とミックスしていることが公言されていた。

ビデオ「RHYTHM RED LIVE WORLD'S END I」と、
同「WORLD'S END Ⅱ」でも、それぞれ同じことが行われている。
(恥ずかしながらミツカワは、1991年3月8日のライブ・オフ日、
 空っぽの代々木体育館でもシューティングが行われたことを、つい最近知りました。
 DVDの表記 ↓ は誤植じゃなかったのね)

























こう正面切って
(真のライブ演奏ではない)ニセモノ素材が混じっています!
              テヘッ☆彡」
と言われてしまうと、そちらのほうに意識が取られ、
上で挙げたような基本的な編集部分に注意がいかないものである。



さて、この企画の題材である「コロシアム」も、前宣伝の段階で、
『過去の様々なライブテイクを寄せ集め、架空のツアーを構築する』
と高らかにうたわれていた。

こう言われてしまうと分析する方も、先程のように
『「Kiss You」は「RHYTHM RED tour」の演奏で~』
と言う視点になってしまうのは、もっともだろう。








そこでこの際、当初予定していた
『切実企画 → その時テープはまわっていた!…のか?』という企画をさらに発展させ、
「コロシアム」収録の1曲1曲に焦点を絞り、根掘り葉掘り調べることによって、
どのような編集がなされているのか。
ひいては、素材としてどの日の音源が残っているのかを探り出そう
という企画にしてみた。



とはいえ、判断基準となる素材が少ない現状では
かなりの難航が予想される。
とりあえず1曲ずつまな板に乗せ分析するには、それなりの時間が必要なため
この企画は不定期とさせていただく。




      これならイザというときに、
      うやむやにし易いので…。






今回は序章として、ミツカワが「コロシアム」から編集の匂いをかぎ取ったきっかけをお話し
この「コロシアム」という名の伏魔殿ぶり
を感じていただければと思います。









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[「たった1つの勝利」は "たった1つ" ではなかった!]




ミツカワがこのCD「TMN COLOSSEUM Ⅰ&Ⅱ」初回視聴時に違和感を感じた点は2つ。
そのうちの一つ、1部の曲でのボーカルの声質については、次回取り上げる曲で説明する。

今回はもう一つの
「Just One Victory (COLOSSEUM Ⅰ 収録)」について
お話ししたい。






1992年8月21日
けだるい夏の午後2時過ぎ、帰省先の実家の畳に寝っころんで
ミツカワは先程買ってきたばかりの「コロシアム」を聴き始めた。

TM初のライブアルバムということにテンションは上がる一方…のはずだったが、
「TMN COLOSSEUM Ⅰ」についてはその大半が『CAROL組曲』で占めており、
初商品化となったことは嬉しかったものの、
「舞台演出ありきのミュージカルパートを、
 音だけで聴かされてもなぁ…」
やや気の抜けた状態になっていた。

だがその「COLOSSEUMⅠ」終盤の「Just One Victory」終了寸前に、
ミツカワに衝撃が走った!




    ? Memorymoog が鳴っている?!



2024年6月20日追記。
Memorymoog については、誤りと訂正があります。
下の赤字部分をお読みください。




「Just One Victory」終了間際の5:13~を聴いてみてほしい。
曲の終わりギリギリになって突然、サイレンの下降音が聴こえてくる。
ミツカワにはこれが Memorymoog の音にしか聴こえないのだ。


これが Memorymoog



























これがどう "衝撃” なのかは後で述べる。
これをきっかけに、注意して聴き直してみると、他にもう2点気になることがあった。





ひとつはエンディング一番最後のジャンッ!という〆の部分(5:31~)
本来ならとりわけ大きな音が鳴り響くはずの箇所なのに、
「コロシアム」でのそれは、まるでフェードアウトする様に
音量が下がって聴こえないだろうか?





もうひとつは小室哲哉のショルダーキーボードプレイ。
この「Just One Victory」では最初から最後まで曲全体にわたって、
まるまるショルダーキーボードのプレイが聴ける。
(始めの8小節は判りづらいが、よく聴くとイントロのフレーズをオクターブ下で弾いている)
間奏の「Chase In Labyrinth」に入る直前など、
かなりアグレッシブに弾いていて、その姿が目に浮かべようだ。



しかしこのショルダーキーボードプレイと、先の Memorymoog が合わさると
とても不思議なことになるのだ。



どういうことか?
ひとつひとつ見ていこう。



なお、ここでは、
曲冒頭から聴こえるモノシンセのリード音をショルダーキーボードによるプレイ。
5:13~から聴こえるサイレンの下降音を Memorymoog によるものとして、話を進める。
それ以外の可能性を思い当たる方がいらっしゃれば、是非意見を御聴かせください。








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・Memorymoog 


2024年6月20日追記。
この項、誤りと訂正があります。
下の赤字部分をお読みください。



まず確認しておくが、このCD「TMN COLOSSEUM」が発売された92年8月の時点で
「Just One Victory」がバンド演奏されたのは
「CAROL Tour」及び「CAMP FANKS!! ’89」しかない。


「CAMP FANKS!! ’89」は「CAROL Tour」のファイナル企画であるため、
使用機材は「CAROL Tour」終盤のものが基本的には継承されている。

しかし一部の機材は「CAMP FANKS!! ’89」で新しく導入された物だ。
そのひとつが Memorymoog である。(画像参照)























             Memorymoog @「CAMP FANKS!! ’89」


























      「CAROL Tour」中の1989年2月にツアーのセットを使って撮影された
         「Just One Victory」のPVより。Memorymoog は無い。





つまり「CAROL Tour」の「Just One Victory」では 
Memorymoog の音は鳴らないのだ。
では、「CAMP FANKS!! ’89」では、どうだったか?








先を急ぐ前にもうひとつ確認しておこう。
「CAROL Tour」「CAMP FANKS!! ’89」それぞれのコンサート中における
「Just One Victory」の “立ち位置” だ。



このツアーの特徴としてミュージカルパートと通常のバンド演奏部分では
小室哲哉のキーボードブースがそれぞれ別に用意されており、
ブースごと全体が入れ替わる。
それぞれが同時にステージ上に並び立つことはない。







まず「CAROL Tour」
「CAROL Tour」は バンド演奏 → ミュージカル → バンド演奏 の3部構成。
「Just One Victory」は第3部の終わり。
つまりコンサート全体のラストナンバーとして演奏されていた。
よってキーボードブースはステージ1階部分に設置されたバンド演奏用のものが使われた。

CAROL Tour 第3部





























次に「CAMP FANKS!! ’89」
「CAMP FANKS!! ’89」は ミュージカル → バンド演奏 の2部構成。
「Just One Victory」は第1部、ミュージカルパートの終わりに演奏されている。
よってキーボードブースはステージ2階部分に設置された
ミュージカル用のものが使われた。
「CAMP FANKS!! ’89」ミュージカルパート






























先程「CAROL Tour」では Memorymoog の音は鳴らない、と書いた。
だがしかし「CAMP FANKS!! ’89」においても、
ミュージカルパートでのキーボードブースに Memorymoog は無い。(画像参照)






























結局
「CAMP FANKS!! ’89」においても「Just One Victory」
  にて Memorymoog が鳴るということはない のだ。





          ん、???








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・ショルダーキーボードプレイ


「CAMP FANKS!! ’89」においては、DVDで確認出来るように、
ショルダーキーボードを手にするのは演奏の最後
「Chase In Labyrinth」を間にはさみ、最後のサビが始まってからである。

DVD「CAROL the LIVE(8月30日分)」及び
「FANKS the LIVE 3(この曲の映像は8月26日分)」でも、このタイミングで
小室哲哉がキーボードブースのある2階部分から階段を駆け降り、
ショルダーキーボードを受け取る姿が確認出来る。

ライブ中にもかかわらず帰り支度をする小室哲哉…ではない。





























「CAMP FANKS!! ’89」全4公演ともこのタイミングだったと断言することは出来ないが、
少なくともミツカワが確認出来た 8月26・29・30日の3公演はこのタイミングだった。
つまり「Just One Victory (COLOSSEUMⅠ収録)」の様に
冒頭からショルダーキーボードのプレイ音が聴こえることはない。

残るは8月25日だが、全4公演の初日かつ、
翌日にカメラシューティングがあるという状況下で
わざわざこの日に音声収録していた可能性は、かなり低いと思われる。



つまり全編にわたりショルダーキーボードでプレイしている、
「Just One Victory (COLOSSEUMⅠ収録)」は
(少なくとも小室哲哉のパートについては)
「CAMP FANKS!! ’89」での演奏ではない
ということになる。








翻って「CAROL Tour」ではどうだったか?
先に確認したように、このときは1階部分のキーボードブースを使い、
また「Just One Victory」を含む数曲でショルダーキーボードも演奏していた。



つまり全編にわたりショルダーキーボードでプレイしている、
「Just One Victory (COLOSSEUMⅠ収録)」は
「CAROL Tour」での演奏ということとなる。







しかし、だとすると
   なんで Memorymoog の音が
      聴こえてくるのよおぉぉぅ?!




2024年6月20日追記。
この Memorymoog 云々については、完全にミツカワの誤りです。 
その後発売された同テイクの新ミックスを聴けば、
これはショルダーキーボードのプレイ音だと判ります。
つまりショルダーキーボードの音は完全に「CAROL Tour」のもの
という可能性に矛盾はなくなりました。
詳しくはこちらの1番下の項をご覧ください。



さらに混乱させる事を言うと、エンディング部分を聴くかぎり、
Guitar は「CAMP FANKS!! ’89」8月29日横浜アリーナでの演奏と思われる。





           えっ?
          えぇ~?!








いかがだろう。
ミツカワの当惑した理由が分かっていただけただろうか。
これはつまり、なんらかの編集。
おそらく、いくつかのテイクをつぎはぎして作られているということだ。
とりあえず、この「Just One Victory」については今後、
腰を据えて調査にあたることとする。









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・エンディングのジャンッ!


これに関してはおそらく次のような理由であろう。

「CAROL Tour」及び「CAMP FANKS!! ’89」とも
「Just One Victory」のエンディングでは
ドラムの最後のワンショットに派手なディレイがかけられており、
余韻が残るようになっている。
(DVD「FANKS the LIVE 3」及び「CAROL the LIVE」参照)

実際のコンサートでは「Just One Victory」が
各パートのエンディングを受け持っていたのに対し
「コロシアム」ではこの後も曲が続くため、
この余韻部分をカットしようとしたのだろう。



その意図は理解出来るものの
やはり不自然に聴こえてしまう編集だ。








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このライブCD「TMN COLOSSEUM  Ⅰ&Ⅱ」は
TMN 活動休止中の穴埋めという側面があり、
メンバーが制作に関わっていないため、
その制作過程はほとんど明らかになっていません。

しかし「Just One Victory」の例からもうかがえる様に、
なかなか凝った編集がされているようです。


『重箱のスミ』好きとしては、
かなりストレートど真ん中な題材ではないでしょうか。
皆さんのお考え、分析等も是非お聴かせください。


ミツカワとしても「いざとなったらうやむやにする!」という固い決意を持って、
邁進してまいりますので、不定期企画ではありますが
お付き合い願えたらと存じます。

最初の1曲はすでに取り掛かっているので、近いうちに第一弾をupいたします。


んじゃ、また。